トラックのAT(オートマ)の仕組みや特徴、メリット・デメリットを紹介!

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はじめに

トラックのトランスミッションにおいて近年ではAMT(セミオートマ)車を採用する企業が増えています。そもそもトラックのトランスミッションはどんな役割があり、オートマの仕組みは?」「マニュアル、オートマ、セミオートマの違いは?」といった疑問を持つ方も少なくないでしょう。各トランスミッションの特徴や違いを理解することは、トラックの購入や買い替えを検討する際に役立ちます。 

今回の『豆知識』では各トランスミッションの仕組みや特徴、AT(オートマ)のメリット・デメリットについて解説し、AMT(セミオートマ)車の採用増加の理由にも触れていますので、ぜひ参考にしてください。 

 

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商慣習等トラックのトランスミッションとは? 

トランスミッションとはエンジンの力を走行時に最適な力で駆動輪に伝える変速装置です。トラックだけでなく、どの車両にも相当な重量があります。その重量のある車体を動かすためには相応な大きな力(トルク)が必要になります。この始動時の力(トルク)を生み出すために、トランスミッション内でギアの組換を行い、エンジンの出力を大きなものに変えています。 

エンジンの力をそのまま直接車軸(車輪)に伝えてしまえば車軸を回転させるだけの力は起こらず、エンストを起こしてしまいます。 

トランスミッションはエンジン出力軸の回転力を、ギアの組み合わせを使って大きく変えることでトルクを大きくし車両を力強く発進させます。しかし、そのまま走行していたら、いつまでもスピードは上がらず出力が上がったままのエンジンは焼き付いてしまいます。 

車両は慣性の法則で動き出せば、始動時ほどのトルクは必要なくなり今度は車軸(車輪)の回転数を上げていかなければなりません。その回転速度とトルクを変えるのがトランスミッションの役目です。トランスミッションはエンジンに負担をかけることなくパワーを車軸に伝えて、重量のあるトラックをスムーズに走行させます。 

 

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トラックのトランスミッションの種類と仕組み 

エンジンの駆動力を適切な力で車軸に伝えるトランスミッションには3つの種類があります。ここではトランスミッションの特徴・仕組みを紹介します。

MT(マニュアルトランスミッション)の仕組み 

MT(マニュアルトランスミッション)は一番古くからある手動変速機です。クラッチ操作とシフトチェンジをドライバーが行うこのMTは構造がシンプルで、確実にエンジンの駆動力を車軸に伝えることができるため重量のあるトラックに合った装置として多くの車両に採用されてきました。 

クラッチ操作とシフトチェンジには慣れとコツをつかむ必要があります。コツがつかめれば、積み荷に優しい走りができ、燃費向上に貢献してくれます。しかし、AT限定免許では運転できないという特徴も加わり若年層のドライバーや女性ドライバーから敬遠されています。

AT(オートマチックトランスミッションの仕組み 

AT(オートマチックトランスミッション)ではMT車のようなクラッチがありません。複雑なクラッチ操作とシフトチェンジに慣れる必要がなく、多くの乗用車にこのATが採用されています。ATではギアの変速は自動で行われ、シフトは基本的にパーキング・ニュートラル・リバース・ドライブの4つがあり、シフトチェンジだけで前進・後進ができます

AMT(セミオートマチックトランスミッション)の仕組み 

AMT(セミオートマチックトランスミッション)MTとATの良いところを合わせたトランスミッションです。MTの操作の一部分が自動化されたトランスミッションです。 

クラッチ操作は不要で、シフトチェンジを行うことなく走行することができるのですが、必要な場面においてはシフトチェンジができる優れものです。ドライバーに優しいAMTは各メーカーがトラックやバスに搭載しています。 

 

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トラックのAT(オートマ)のメリット 

こちらでは、トラックのAT(オートマ)のメリットについて説明します。

クラッチ操作が不要 

AT(オートマ)の一番のメリットは慣れるまでに時間がかかってしまうクラッチ操作がないことです。 

クラッチ操作があることで、重量のある積載物を積んでいても過度な負担をかけることなく発進できたり、エンジンブレーキを使って緩やかにトラックを停車させたりすることができるのですが、やはり慣れるまでに時間を要してドライバーに負担をかけてしまいます。 

クラッチ操作が不要でエンストもないATトラックは、運転に慣れる時間を少しでも減らしたい事業者やドライバーにとって大きなメリットとなります。

初心者でも運転しやすい 

ATのもう一つのメリットは、初心者でも運転がしやすいことです。事業主としては初心者に一日でも早くプロのドライバーに成長してもらいたいという気持ちを持っています。しかし、MTの運転が可能な免許証を持っていて、乗用車のMT車を乗っていたとしても車体だけでも重量があり、積載物を積むトラックを自在に走行させるには時間がかかってしまいます。 

そんな問題を克服するために、初心者でも運転がしやすいAT車の導入は大きなメリットとなります。

AT限定免許でも運転可能 

前項の初心者でも運転しやすいことに通じることですが、現在の免許取得者のうち、AT限定免許を選択している方は少なくありません。小型トラックの中には初心者や女性でも運転しやすく、乗りやすいAT限定免許でも運転可能な車両が各社から発売されています。 

少子高齢化が大きな原因となっている現在の運送業界では、ドライバー不足への対応としてAT限定免許でも運転可能なことが大いに役立ってくれます。 

 

トラックのAT(オートマのデメリット 

良いことばかりのAT(オートマですが、デメリットもあるので紹介します。

導入費用や維持費が高くなる傾向がある 

シンプルな構造のMTと比べて、ATは複雑な構造をしています。そのためにトラックの価格は高くなってしまいます。点検も当然手間がかかりますので、点検費用や故障時の修理費用は高いものになってしまいます。 

導入費用や維持費が高くなる傾向のAT車を導入してドライバーを集める手段にするかは事業主の経営判断になることでしょう。

MTと比べて燃費が悪いことある 

MTとATの仕組みを考えればわかりやすいのですが、クラッチのないATでは絶えずエンジンの駆動がクラッチに代わるトルクコンバーターを通じて伝わっています。 

エンジンが始動している間はずっと駆動が伝わっていてエンジンに負荷がかかり、その分の燃料を消費していることになります。MTと比べて燃費が悪い場合があることもATのデメリットとなってしまいます。

MTに比べてエンジンブレーキの効きが弱い 

重量のあるトラックにはデメリットといえるATの大きな特徴は、MTに比べてエンジンブレーキの効きの弱さです。 

燃費の悪さで説明したように絶えずエンジンの駆動がつながっており、車軸は絶えず回ります。クラッチによる駆動の切断とギアチェンジによるエンジンブレーキとは違い、ATのエンジンブレーキの効きは甘くなっています。 

 

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近年はAMT(セミオートマ)のトラックを導入する企業が増加中 

近年はAMT(セミオートマ)のトラックを導入する企業が増加中です。AMT ATとMTの両方の利点を持つトランスミッションで、ATより燃費がよく、必要に応じてMTとしての対応が可能な優秀なトランスミッションです。 

ATより導入・維持コストが抑えられることや、使い勝手の良さ、安全面からも導入企業が増え、トラックメーカー各社はそれぞれ独自のAMTを開発しています。 

日野自動車:Pro Shift、いすゞ自動車:スムーサー三菱ふそうトラック・バス:INOMAT、UDトラックス:ESCOTなどです。 

 

まとめ

かつてのトラック業界において、操作に慣れれば重量物の輸送や燃料の節約にも向く、MTは非常に有益なトランスミッションでしたが、時代は変化し求めるものが変わってきました。 

現在では、誰にでも運転しやすく、ドライバーへの負担が少なく、しかもより安全が求められます。ATはドライバーに優しいトランスミッションです。そして、ATのデメリットでもあった重量物輸送の困難さやエンジンブレーキの効きの悪さ、燃費問題などはAMTが解決しつつあります。 

MT、AT、AMT、それぞれのメリット・デメリットを理解してニーズに合った1台を選択してください。

トラックファイブは『豆知識』でこれからも皆さまにさまざまな情報をお届けします。 

 

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