
ショベルカー、ユンボ、バックホーの違いは?
ショベルカーにはさまざまな呼称があります。今回の『豆知識』ではショベルカーの複数の名称の由来、基本知識から、購入時の選び方まで広く解説します。
知っているようで意外と知らないショベルカーの知識がまだまだあるかもしれません。
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目次

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ショベルカーとは?
ショベルカーは、社団法人日本建設機械工業会および鉱工業に関する日本の規格を定めたJIS規格(日本工業規格)では『油圧ショベル』と名称されています。
油圧の力を利用して人力では運ぶことのできない多量の土砂を一度に掘り、移動させることができるショベル(バケット)を持った重機です。バケットサイズ0.5㎥(通称:コンマ5)のショベルカーは一度の掘削で約800㎏の土をすくえます。これは人間が扱うスコップで行う一度の掘削量を2㎏と想定すると、なんと400回のスコップ移動をほんの瞬間の掘削で行ってしまう計算になります。
そんな力持ちのショベルカーは、戦後の日本復興において縁の下の力持ちとして、また現在では経済成長を支えてきたダムや高速道路、各企業の生産設備建設に欠かせないものとなっています。そして、近年毎年のようにやってくる豪雨や頻発する地震など、自然災害での復旧作業でも一番活躍しているのがこのショベルカーです。優秀な日本のショベルカーは海外でも人気が非常に高いです。しかし、その優秀さに比例して新品のショベルカーは非常に高額です。そのため、中古のショベルカーが高価買取によって、海外で第二の人生を送っています。
油圧ショベルの基本知識
ここで、油圧を利用して力仕事を行うショベルカーの基本知識を紹介します。油圧ショベルの名称から、油圧の力を利用してアームやバケットを移動させて作業する重機です。この油圧は強い圧力を加えた油を介して強力なエネルギーを伝える技術で、その仕組みには『油圧ポンプ』があります。
ショベルカーの強いディーゼルエンジンでこの油圧ポンプを作動させて、圧力をかけた『圧油』を送り出します。いわば油圧ポンプは、ショベルカーの駆動部の心臓部分となって圧油を送り出し、コントロールバルブ(油の流れる方向を決める装置)によって走行部や旋回部を動かす油圧モーター、アームやバケットなどの作業部分となる油圧シリンダーに送り込まれます。
油圧モーターや油圧シリンダーによって油の流れがコントロールされて、各駆動部分を駆動させるのです。油圧シリンダーから受ける強力なエネルギーによって、ブーム、アーム、バケットをコントロールしながら作業しています。ただし、非常に強力な力を持つ油圧ショベルはひとたび事故を起こしてしまえば重大災害になってしまいます。それを防ぐために標準機、後方小旋回機、超小旋回機など作業範囲を限定させた機種もあります。そして、油圧ショベルはどんな作業場所でも対応できるように無限軌道(クローラー、キャタピラー)を足回りにした機種と、公道も自走できるホイール(タイヤ)を装着した機種があります。
※参考ですが、キャタピラーは商標登録されている名称です。(アメリカのキャタピラー社 登録番号:第1863602号)

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ショベルカーの違い:ユンボとバックホーの比較
ショベルカーにはユンボ、バックホーといった呼称もあります。それらの呼び方の由来などを見ていきます。
各名称の使い分け
建設業界ではバックホーやバックホウ、ユンボ、一般社会においてはショベルカーが呼称として浸透しています。どれも同じショベルカーです。
人間の腕のようなアームの先には爪の付いたバケットが装着され、オペレーターの操縦によって上下・前後・左右と自在に動き、その作業風景はまるで人間の手が作業をしているようにも見えます。
建設作業現場には建築工事と土木工事があります。建築工事であるビルやマンション建設の際にも必ず土木工事である基礎工事において地盤の掘削があり、このショベルカーが活躍します。建築工事、土木工事ともに、現場で働く作業員さんたちはユンボやショベルカーと呼びます。日本建設機械工業会やJIS規格で定められた油圧ショベルでは堅苦しく、ショベルカー、バックホーやバックホウより語数の少ないユンボのほうが何かと忙しい建設現場においてはふさわしく向いているようです。
子どもたちが遊ぶトミカのミニカーの中に、『働く仲間』がいるのをご存じでしたか? トミカはスポーツカーや乗用車ばかりではありません。バスや商用車両もあり、トラックの中にはダンプカーやタンクローリー、ウイング車、トレーラー、建機ではブルドーザーやクレーン車もあります。もちろん『ショベルカー』もその名称で子どもたちに人気です。一般社会ではショベルカーが一番理解していただける名称のようです。
ユンボの名前の由来
ユンボもショベルカーもバックホーも同じものです。ユンボはフランスのシカム社(SICAM社)の製品呼称がスタートです。新三菱重工(現・キャタピラー)が1961年に技術提携し、日本に入ってきたシムカ社の油圧ショベルが『ユンボ』という名称だったのです。
日本ではレンタルのニッケンがこのユンボを登録商標(商標登録第2086745号)してレンタル商品として取り扱っています。ユンボという呼称は呼びやすく、作業中に大声を出さねばならない建設作業現場の従事者たちにとっては非常に都合のいい呼名であり、建設現場ではこのユンボの呼称が一番浸透しています。
ショベルカーの名前の由来
ショベルカーという呼び方が一般社会の中では一番浸透しているのかもしれません。バックホーは英語でbackhoe、hoeは農作業用の鍬(くわ)を意味して命名されたのはよく知られたことです。同様にショベルカーも英語のshovel、ショベル(発音はシャベルなんですが)とカー(car)を合わせた和製英語です。
商標登録されているユンボ(レンタルのニッケン:商標登録第2086745号)やパワーショベル(新日本石油:商標登録第3090425号)をテレビのニュースなどの公共放送では使えず、ショベルカーという呼称が都合よく社会に広まったようです。
バックホーの名前の由来
ショベルカーは正式には、というよりも官公庁では『バックホウ』と呼称しています。バックホーではなくバックホウです。細かなお役所の、多くある決めごとに時々ある慣習のようなものでしょう。
バックホーは英語でbackhoeです。
hoeは農作業用の鍬(くわ)を意味します。バケットをオペレーター側にかき込むように作動させて土砂を移動させる姿から命名されたようです。
ユンボ、ショベルカー、バックホー等の名称は製品の成り立ちや時代の流れによる世の中の認識などで呼称されています。さまざまな呼称で呼ばれるということは、それだけ一般からも親しまれている重機であるということかもしれません。
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ショベルカーの購入と中古市場
ショベルカーは新車で購入をすると非常に高額なものです。建機メーカーは新車の価格を公表していません。現場に合わせた仕様変更での納車が多いことや、取引先との実績で価格が変わるからのようです。
実際の新車価格はサイズ、能力で差はあるものの、数百万円~1千万円は楽に超える額となります。
中古ショベルカーは新車価格の半値ほどになりますが、ハードに使用される建設機械であるショベルカーは、それまでどのような現場に従事していたのか、年式やアワーメーター、整備状況などにより価格は大きく変動します。
ショベルカーの選び方
マンションやビル建設の建築工事の基礎工事や建物の解体工事、土木工事での掘削作業に欠くことのできないショベルカーです。
ショベルカーの選択は作業用途に合わせて、最適なパワーと最適なサイズの機種にしなければなりません。
最適なショベルカーの選び方を続いて紹介します。
ショベルカーの選び方ポイント①:バケット容量
まずはバケット容量です。現場の広さと作業の段取りを考え計画したバケットサイズのショベルカーを選んでください。
土木工事では1工程の開始から完了までのサイクルタイムにこのバケット容量を入れて計画します。バケット容量が小さいと掘削回数が増え、作業時間が長くなります。そのため、効率を求める場合は大きなバケットを選ぶ必要がありますが、サイズの大きなショベルカーも必要になります。
バケット容量はショベルカーのサイズを示す指標としても利用されています。そしてこのバケット容量には旧JISと新JISの両方の規格で表記されていることがあります。
「平積み容量」はバケットにすり切り一杯の容量、「山積み容量」は山盛り一杯の容量を示します。JISでは新旧ともに山積み容量でバケット容量を示しているのですが、新JIS(平成6年3月改正)ではバケットの上縁から1:1の勾配で掘削物を盛り上げた場合の容量で表し、旧JISではバケットの上縁から2:1の勾配で盛り上げた場合の容量で表すために、新JIS表記の数字のほうが大きくなります。バケット容量をチェックする際には新・旧JISの表示を確認することが大切です。
ショベルカーの選び方ポイント②:作業範囲
作業範囲とはショベルカー選びの一つのポイントともなるもので、バケットがどこまで届くかということです。それを確認できるのはカタログの『作業範囲』を見てください。バケットの爪先が届く深さを示す『最大掘削深さ』はどれくらい深い穴を掘れるかを表しています。
アームを爪先まで伸ばし切って掘削すると、掘った部分の形がお椀のようになります。掘削した部分は平らにしなければならないので、『最大垂直掘削深さ』を考慮しなければなりません。
続いてどこまで広く掘削できるかになります。それを示すのが『最大掘削半径』です。『最大床面掘削半径』は地表で一番遠くまで届く距離、『床面仕上最小半径』が一番手前に届く距離です。注意してほしいのは、『最大掘削半径』が地表より高い位置であることです。その他、『最大ダンプ高さ』『最小ダンプ高さ』は、バケットから掘削した土砂を降ろす際の作業範囲です。
ショベルカーの選び方ポイント③:掘削力
ショベルカーの選び方のポイントで、この『掘削力』も非常に重要です。ショベルカーを作動させるのはエンジンです。『定格出力』を調べるだけでもそのショベルカーの能力がどれくらいなのか想定することは可能です。
他にも『アーム掘削力』は、アームシリンダーによって発揮されるもの、『バケット掘削力』はバケットシリンダーによって発揮される能力です。掘削力の考え方はそれぞれですが、機械類すべてに一般的に言えることは、常にフルパワーを発揮させないことです。そのほうが機械類は負担が少ないため、長く健康状態を保てるのです。100%の力を出さずに常に余裕を持った作業能力を持つショベルカーを選ぶことも大きなポイントとなるでしょう。
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まとめ
ショベルカーは非常に力が強く、建設現場や災害復旧に欠かせない重機です。さまざまなサイズと能力を持つショベルカーは現場の作業内容や広さ、工期などすべてを考えあわせて選んでください。
ショベルカーはとても高額です。新車、中古での購入の他にもリースもあります。所有すると保管場所や回送などにも費用がかかってきます。すべてを考えあわせて、最適な事業を行ってください。
トラックファイブは『豆知識』でこれからも皆様にさまざまな情報をお届けします。
