インタークーラーは水冷式と空冷式の2種類! エンジン性能と燃費の向上に貢献する重要パーツ
目次
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はじめに
大型トラックは、重量のある荷を長距離輸送するために強力なエンジンを備え、さらに大きな力を出すためにターボチャージャーを搭載することがあります。このターボ機能を常時一定に保つためにはインタークーラーが必要となります。
今回の『豆知識』では、インタークーラーが大型トラックに搭載される理由と、その主な役割について解説します。
インタークーラーがどのようにしてエンジンの能力向上や燃費向上に役立っているかを確認していただくとともに起こりやすいトラブルも知り、インタークーラーの維持にお役立てください。
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インタークーラーの役割
まずはインタークーラーの役割について解説します。
インタークーラーはターボチャージャーと呼ばれる過給機(高い燃焼エネルギーを得るためにエンジンが吸い込む空気の圧力を上げる機械)で加圧され高温になった空気を冷却しています。
インタークーラーはターボ付きエンジンの燃費改善と、エンジン出力を上げるのに役立っています。
・エンジンに入れる空気を冷やす
インタークーラーはエンジンのシリンダー内に送り込む空気の温度を下げるために装備されています。
ターボチャージャーは空気を加圧してシリンダーに送り込み強いパワーを得るのですが、過給機であるこのターボチャージャーが加圧した空気は高温になってしまうという弱点があります。
その圧縮で高温になった空気を冷却するためにインタークーラーはあるのです。
・高出力を発揮する空気を送る
ディーゼルエンジンはそのシリンダー内で高圧力の状態を作り燃料を発火させて動力に変えています。
その発火時点でターボ付きエンジンは自然吸気エンジンよりも吸気温度が高くなってしまい、多くの空気をシリンダーに取り込むことができません。
高熱ではない高圧の空気をシリンダーに送り込むためにインタークーラーは存在しています。
・燃費を向上させる
インタークーラーはターボチャージャーを通してエンジン内に送り込まれる空気の温度を下げて、高効率にシリンダー内の燃料を燃焼させています。
エンジンの出力を上げて燃費の向上をインタークーラーは実現させています。
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インタークーラーの種類
インタークーラーには水冷式と空冷式の2種類がありますが、高温になった空気の冷却方法と、特徴やメリットをそれぞれ説明します。
・水冷式インタークーラー
水冷式インタークーラーは冷却水を利用してシリンダーに送り込む高温の空気を冷却します。エンジン近くに設置するので広いスペースを取ることなく高温の空気を冷却することができます。
ただし、構造は空冷式よりも複雑になりますが、設置位置の制約が少ないことや、低速時における熱交換に優れるメリットがあることから、水冷式インタークーラーを採用するエンジンが増えています。
・空冷式インタークーラー
空冷式インタークーラーはトラックが走行中に直接受ける空気を利用して、高温の空気を冷却する方法です。
水冷式インタークーラーより構造がシンプルなことから低コストでの搭載が可能になりますが、低速走行時には直接インタークーラーが受ける空気は少なくなるため、大きな冷却効果が期待できません。
構造は水冷式インタークーラーと比べるとシンプルですが、道路事情などによって渋滞もあり得る車両にとってデメリットとなってしまいます。
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インタークーラーに起こりやすいトラブル
エンジンとともに常時作動するインタークーラーには起こりやすいトラブルもあります。その原因は、走行時の外的要因もあれば、経年劣化によるものもあります。
インタークーラーを取り外して洗浄するだけでも大幅に寿命を延ばすことも可能なので、こまめに点検・メンテナンスを行うことが重要になってきます。
・エア漏れ
インタークーラーに設置されているインナーフィンの損傷が原因となってエア漏れが起きてしまいます。インナーフィンは冷却する空気が通過する部分で、損傷による穴から空気は漏れ出してしまいます。
損傷による穴が小さくても、もちろん空気は抜け出してしまいますので圧力が低下してしまいます。パワーダウンしてしまい、アクセルを強く踏み込んでもパワーが出にくくなってしまいます。
・フィンつぶれ
インタークーラーのフィンつぶれもトラブルの原因となります。放熱性のよいアルミなどの柔らかな素材でフィンは作られているために、手で押すだけでもつぶしてしまうことができます。
走行中の外的要因となる小石などの異物が当たるだけでもフィンはつぶれてしまいます。つぶれたフィンは表面積が減ってしまい、放熱面積が少なくなってしまいます。
非常に柔らかで潰れやすいという認識を持ってインタークーラーの取り扱いをしてください。
・タンク割れ
インタークーラーのタンク割れは衝突事故などによる大きな衝撃が加わることによって起きてしまうトラブルです。タンク割れが引き起こすのはエア漏れです。割れた個所から空気が漏れ出してしまいます。
エア漏れと同様にアクセルを強く踏み込んでもパワーが出にくくなり、最悪の場合にはトラックが走行できなくなってしまいますが、タンク割れは気づきやすいので、不調を感じたらまずタンクを確認してください。
・オイル漏れ
インタークーラーのオイルが漏れてしまうこともあります。オイル滲みを確認したらオイル漏れを疑ってください。
トラブルを未然に防ぐには定期的なメンテナンスが有効です。定期的にインタークーラーを取り外して洗浄してください。
インタークーラー内に洗浄液を注ぎ、洗浄することによって大きなオイル漏れに至る前の小さなオイル滲みを発見することができます。
メンテナンスを定期的に行い、インタークーラーを守ってください。
まとめ
インタークーラーの役割、種類、起こりやすいトラブルを知ることでインタークーラーのメンテナンスの大切さをご理解いただけたと思います。インタークーラーは大型トラックのエンジン能力や燃費の向上に貢献してくれます。
長く付き合うトラックをいつまでも大切にお乗りいただきたいと思います。
トラックファイブは『豆知識』でこれからも皆様にさまざまな情報をお届けします。
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