重ダンプと普通のダンプの違いは何?
目次
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重ダンプとは
重ダンプとは?
重ダンプは巨大なダンプです。
大きさと重量が理由で公道を走ることができません。
重ダンプは、車両総重量・車両の幅・長さ・高さを定めた道路法の「一般的制限値」に準拠しないため公道を走行することができないのです。
一般道においては、車両総重量は20t、高速自動車国道および重さ指定道路で25tの車両総重量までの車両しか走行は認められていません。
重ダンプとは、公道の走行が認められている11t積(車両総重量25t以下)の普通ダンプトラック以上の積載能力があるダンプのことです。
重ダンプは最大積載量だけでも100t~400t台までたくさんの種類があり、積載量は徐々に巨大化しています。
重ダンプの用途
公道を走行することができないため、重ダンプはその巨大な積載量を活かすために建設現場や鉱業の採掘現場で活躍しています。
建設現場で大量の土砂の移動を必要とするダム建設現場や海上での埋め立て現場、大規模の造成現場で使用されています。
鉱業の採掘現場では鉱山での鉱物搬出時や、広大敷地内での露天掘りや採石場での運び出しに使用されています。
もちろん重ダンプへの土砂や鉱物の積込みには巨大バックホーや巨大ベルトコンベアーも使います。
大型ダンプの10倍~40倍の積載量を持つ重ダンプは、建設現場や鉱物採掘現場での利益獲得のために多大な貢献をしています。
重ダンプの運転に必要な免許
免許は必要ありません。
公道を走行することが無いので運転免許は必要ないです。
建設機械などの使用における許可や資格も必要ありません。
それくらい使用頻度が少なく、台数が少ない車両だと言えるのかも知れません。
ただし、作業・走行は建設現場内や鉱物採掘現場のような私有地(民地)のみに限ります。
重ダンプの使用目的は建設現場から排出された残土を遠く離れた処分場に移動させる一般の大型ダンプとは異なります。
建設現場内での土地の切り盛りを行うか、鉱物採掘現場のように大規模な敷地内で鉱物の原石を運び出し、場内の加工場までの一度に大量の運搬が目的なのです。
しかしながら、免許保有の必要は無いにしても、一般車両で一番大きい大型免許の取得をし、大型トラックや大型ダンプの運転経験した者のほうが、重ダンプの運転に早く慣れることはできるのかも知れません。
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重ダンプの特徴
現場で組み立て
重ダンプの大きな特徴は現場で組み立てることです。
公道を走ることができない超大型車両である重ダンプは、建設現場や鉱物採掘現場までの道のりを、もちろん自走して移動することはできません。
重ダンプは製造工場で骨組みまで作った状態で、シャシー・キャビン(運転席)・リヤアクスル・フロントアクスル・フェンダー・燃料タンク・リムなどの巨大な部品を、取り外したままの状態でトレーラーや船を使用して現場まで運びます。
バラバラな状態で現場まで運びこみ、現地で重ダンプを組み立てるのです。
重ダンプを「車両」という感覚でとらえると、非常に特殊に感じるでしょう。
広い意味で重ダンプは建設機器の一つです。
建設現場に据え付けられる大型のトンボクレーンや鉱物採掘現場に設置される巨大ベルトコンベアーが現地までパーツの状態で運び込まれ、現地で組み立てられて建設工事や採掘作業期間中に使用されることと変わりません。
そして、建設工事や採掘作業が終了すれば重ダンプは解体されて次の現場や倉庫に移動されます。
特別製のタイヤ・エンジン
規格品である一般のダンプトラックと較べると、重ダンプのタイヤやエンジンなどは特別製で巨大なものです。
一例ですが日立建機の大型リジットダンプEH3500AC-3のディテールは下記の通りです。
車両重量14.1t、最大積載量18.1tで、エンジンは「MTU 12V4000 C21」、出力は2,053/1,900PS/rpmです。
排気量48.8L(48,800㏄)、燃料タンク2,040L(標準)、作動油タンク容量750L、エンジンオイル容量200Lと、すべてけた外れに大きいです。
そして、タイヤサイズは37.00R57(標準)と大型トラックの3倍もの径がある巨大なタイヤです。
公道を走ることができない重ダンプは、アメリカ国内ではOH(Off-Highway)トラックと呼ばれ、日本ではOR(Off- Road)ダンプと呼ばれることもあります。
そこからタイヤメーカーは建機用タイヤをオフロードタイヤと称しています。
無人運転
効率を上げるために重ダンプの無人運転はわりと早い時期から行われていました。
大型作業現場であって作業員数が少ないことで無人化は進めやすかったのだと推測できます。
1975年、三保ダム(神奈川県)建設工事において自動運行管理システムが導入されています。
1978年には寒河江ダム(山形県)建設工事、1987年串木野(鹿児島県)地下備蓄工事においても実施されました。
現在GPSなどを活用しての無人運転は珍しいものではなく、各自動車メーカーが開発を進めている自動運転技術で重ダンプの無人運転はさらに進化していくことでしょう。
重ダンプと普通のダンプの差
普通のダンプの特徴
普通のダンプの特徴は、ダンプの荷台を油圧もしくは電圧の力を利用して後方または左右に持上げるダンプアップ機能を備えていることでしょう。
ダンプは、建設業界では不可欠な土工事での土砂の搬出・埋め戻し時における一度に大量の土砂の移送や、解体現場の瓦礫・ガラの搬出時に不可欠の運搬車です。
そして、ダンプは公道を走行して、土砂や瓦礫・ガラなどを目的地まで輸送することができることも特徴でしょう。
普通のダンプとの差
重ダンプと普通のダンプとの差は、一度に運搬する積載量の大きさにあります。
10倍から40倍の積載量の差が重ダンプと普通のダンプであります。
そして、巨大な能力を発揮できる場所は限定されていることも普通ダンプとの使用上の差になります。
ダム工事や大型造成工事などの巨大建設現場や、鉱業の採掘現場に限られてきます。
その限定作業場所であることと、巨大な車両であることから、その場所での作業しかできず、運転免許が不要であることも普通のダンプと異なります。
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まとめ
私たちがなかなか目にすることが無い重ダンプは非常に大きな力で私たちの生活基盤を支えてくれています。
そして、この重ダンプも自動運転化やAIの力で次のステップに進んでいくようです。
日本の少子高齢化による働き手が不足していくこれからの世において、重ダンプは私たちが知らないところでこれからも活躍してくれることと思います。
トラックファイブは『豆知識』でこれからも皆様にさまざまな情報をお届けします。
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