ファンベルトからキュルキュル音がする? そのまま放置してはいけない理由や対処法

エンジンのクランクシャフトの回転力を利用してオルタネーターやウォーターポンプなどの補機類や、さまざまな装置を駆動させるゴム製ベルトがファンベルトです。そのファンベルトが劣化すると突然エンジンからキュルキュルと異音がしますそのまま放置するとオーバーヒートなどトラブルが発生する危険性があります。  

今回の『豆知識』ではファンベルトの鳴き(キュルキュル音)の原因や、放置によるリスクと交換時期および費用の目安について解説していますので、ぜひ参考にしてください。 

 

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車のファンベルトとは

ファンベルトとは、そもそもエンジンの動力をベルトに伝えてファンを回し、ラジエターを冷却するベルトのことを言いました。ベルトの断面の形状からVリブドベルトやVベルトとも呼ばれています。 

しかし、次第にバッテリーの充電や、エアコン・パワステなどにもファンベルトは利用されるようになりそれらの伝動ベルトを総称してファンベルトと呼んできたのです。 

 

ファンベルトの役割

電動式ファンが一般的になった現在では、本来あったファンを回すファンベルトとしての役割は変わってきています。今なお残っているファンベルトと呼ばれる伝動ベルトは、補機類やさまざまな装置を動かすトラック、各車両に欠くことのできない駆動部品なのです。  

発電した電気をバッテリーに送るオルタネーター、エンジンを冷やす冷却水を巡回させるウォーターポンプ、重量のあるトラックのハンドリングを楽にするパワーステアリングなどを動かすことがファンベルトの役割です。  

 

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ファンベルトが故障する前兆

ファンベルトから聞こえてくるキュルキュル音は、ファンベルトが故障する前兆です。他にも「キーキー」や「カラカラ」といった異音の場合も同様です。これらの異音が起こっている時のエンジンの状態から紹介します。 

 

キュルキュルという異音がする

「キュルキュル」などの異音の原因はファンベルトの経年劣化によるものです。ファンベルトの素材はゴムです。金属のような錆が発生しない代わりに経年により劣化や老化でファンベルトは伸びたり硬化して性能が変わってしまいます。 

プーリーとの接触状態が悪くなり、空回りや擦れる状態が起こり、正常にエンジンの力が伝わらなくなってしまいます。その際に「キュルキュル」ばかりではなく、「キーキー」や「カラカラ」「カタカタ」といった異音がします。これらの異音がした場合にはファンベルトの異常と判断して、早急に対応策を考えてください。 

 

ほつれやひび割れが生じる

ファンベルトから異音が聞こえる時には、すでに寿命に近づいています。車検や定期検査時に必ずファンベルトも検査されますが、エンジンルームをのぞく機会があれば、必ずファンベルトの状態も確認してください。ゴム素材のファンベルトは長時間にわたる走行で経年劣化による、ほつれやひび割れを起こしてしまいます。 

ひび割れはファンベルトの表面に起こり、ほつれはファンベルトの縁に発生します。そのままにしておけばファンベルトは正常な回転をせず、異音が発生し、最後には切れてしまいます。3年から5年程度、走行距離では3万kmから10万kmの健康寿命の目安はありますが、時々目視でチェックしてください 

 

エンジンに異常が生じる

ファンベルトがエンジンの動力をさまざまな補機に伝えることで、トラックは正常に機能しています。ファンベルトに異常が生じれば、そのままエンジンに異常を生じさせてしまいます。ファンベルトに異常が生じれば、オルタネーターやウォーターポンプにエンジンの回転力が伝わらず発電やエンジンの冷却ができなくなってしまいます。 

オルタネーターが動かなくなってしまえばバッテリーは上がってしまいエンジンがかからなくなる可能性が生じ、ウォーターポンプの停止によっては、エンジンのオーバーヒートが起こってしまう危険性が高くなってしまいます。 

 

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ファンベルトの劣化原因

「キュルキュル」と鳴くファンベルトの劣化原因は大きく3つあります。その原因を紹介します。 

 

経年劣化・摩耗による消耗

ファンベルトの素材がゴムであることと、その駆動状態である回転を考えれば、ファンベルトの劣化は想像しやすいと思います。ゴムという性質を利用して絶えずエンジンの回転軸の力をプーリーに伝え回しています。そこには、経年によって劣化も摩耗も生じてきます。 

 

1.ゴムの劣化
ファンベルトはゴムでできている消耗品です。未来永劫使える部品ではなく、定期点検や車検で経年劣化や摩耗などの異常が認められればすぐに交換しなければならない部品なのです。  

ゴムの劣化によるファンベルトの摩擦力の低下によってプーリーなどとの接触面との擦れが生じてキュルキュル音が発生してしまう場合があります。 

 

2.プーリーの不具合
ファンベルト自体に劣化などの異常がなくても、プーリーなどの不具合が生じたり、錆びてしまったりすることでキュルキュル音を引き起こす原因となる場合があります。滑車であるプーリーに不具合があれば、上手くエンジンの力がその先に伝わることはなく、キュルキュル音ではなく、「カラカラ」「カタカタ」と、部品同士がぶつかっているような異音が鳴ります。錆びたプーリーはファンベルトとの摩擦音を異音に変えてしまうことがあり、早急な取り換えが必要になります。 

 

3.ベルトの張りの緩み
適正な張力がかからなければファンベルトは緩み、空回りに近い状態になっていきます。その原因の一つにはファンベルトの経年劣化などによる伸びがあります。伸びたファンベルトは適正な張力を保つことができずキュルキュル音を発生させてしまいます。 

 

オイル漏れや水漏れ

ファンベルトが異常を起こす原因はさまざまです。オイル漏れや水漏れが原因となることもあります。日本のトラックのほぼすべてがキャブオーバー型でエンジン上部はキャビンにおおわれていますが、下部はほぼ向き出し状態です。 

漏れ出たエンジンオイルが、走行による風力や振動によってファンベルトやプーリーに付着すれば正常な働きはできなくなり、走行時の雨水の跳ね飛ばしによる水濡れもファンベルトの異常につながることがあります。 

 

異物の混入

この異物の混入も下部がむき出しなために、まれにですが起きるアクシデントです。木の枝や小石を走行中のタイヤが拾い上げてしまい、たまたまファンベルトとプーリーの間に挟みこんでしまうのです。めったに起きることのないアクシデントとはいえ、走行中のトラックには可能性がゼロではないアクシデントなのです。 

 

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ファンベルトの故障を放置していると起こるリスク

ファンベルトの鳴きはトラックの「泣き」だと考えてください。鳴きが起こる原因はエンジンや補機類に必要以上の負荷がかかっている状態だからです。そのまま放置すればベルトが切れて、オーバーヒートが起きたり、パワステなどに影響が出る危険性があります。 

ファンベルトの故障を放置していると起こるリスクを紹介します。 

 

オーバーヒートする

ファンベルトの鳴きを放置し、交換しないままで走行を続ければ、ファンベルトが切れてしまいウォーターポンプを故障させてしまう可能性があります。高温のエンジンを冷やすための冷却水を循環させているウォーターポンプが機能できなくなってしまえば、エンジンの温度を下げることができず、最終的にはエンジンがオーバーヒートを起こしてしまう可能性があります。 

 

エンジンがかからなくなる

ファンベルトに異常があれば、バッテリーへの電力供給元であるオルタネーターが作動せず、充電された電気を使い切ってしまいバッテリーは上がってしまいます。バッテリーからの電力をもとに動いている機器は多いです。その多くの機器が作動しなくなってしまいます。そして、バッテリー上がりのダメージを一度でも受けると、もとの状態には戻らず、交換が必要になります。 

 

エアコンが効かなくなる

ファンベルトはエンジンの動力を伝えて、エアコンのコンプレッサーも作動させています。そのため、エアコンは動かなくなってしまいその機能を停止してしまうのです。トラックドライバーにとって、暑い夏の冷房も、寒い冬の暖房も安全・快適な運転や作業を行うために必要なものです。 

 

ハンドルが重くなる

万一の場合ですが、走行中にファンベルトが切れてしまえば、パワステが効かなくなってしまいトラックの運転時に軽く切れるはずのハンドルが、非常に重くなってしまう場合があります。ハンドルが重いばかりか、非常に危険な状態にもなり得ます。油圧式のパワーステアリングポンプを回すためのファンベルトもありますが、近年では電動パワーステアリングモーターが主流になりつつあり、パワステにファンベルトは必要なくなりつつあります。 

 

バッテリーが上がる

トラックや多くの車両のバッテリーはオルタネーターで発電された電気を充電しています。そのオルタネーターはエンジンの回転力をファンベルトで伝え発電しています。そのために、ファンベルトが切れてしまったり正常に作動しなくなると、当然オルタネーターは発電できなくなってしまいます。バッテリーはオルタネーターからの蓄電がなければ、本来の充電器としての機能を果たすことはできなくなってしまいます。 

 

電気系統が停止する

さまざまな補機類を作動させているファンベルトですが、オルタネーターの作動を止めてしまうことによって、バッテリーへの電力の供給がストップし、多くの不具合が生んでしまいます。電気系統が停止してしまうことによる不具合です。 

まず、エンジンのスタートを行えません。エンジンを始動させるためのセルモーターもバッテリーからの電力の供給がなければ動きません。もちろん、照明類や、インパネ内の各表示もできずデジタコも動かず、スマホの充電さえできなくなってしまいます。トラックを走行させることも、キャビン内で事務作業を行うことさえできなくなってしまいます。

 

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故障する前兆があったファンベルトの対処法

トラックを始動して、エンジン部分から「キュルキュル」「キーキー」や「カラカラ」「カタカタ」といったファンベルトの故障となる前兆の異音がした際の対処法を紹介します 

 

鳴き止めスプレーを使う

ファンベルトが故障する前兆を感じた際には、交換することが一番の方法ですが、応急処置として、『鳴き止めスプレー』があります。異音の起きている個所に鳴き止めスプレーを噴き付けてください。それだけでファンベルトの鳴きを抑えることができます。 

即効力のある方法ですが、あくまでも応急処置です。鳴き止めスプレーはカーショップやホームセンターで入手することができます。 

 

交換や修理に出す

同一素材の単純な部品ではありますが、非常に重要な部品のファンベルトです。交換には自力での方法を含めていくつかありますので紹介します。 

 

1.ディーラー
仕事中の遠方でのトラブルでなければ、トラックを購入したディーラーへ持ち込むのは、一番安心できる方法かもしれません。自社のトラックを熟知した整備士が丁寧に扱ってくれ、作業への信頼の高さがメリットと言えるでしょう。しかし純正品を使いますので、料金が高くなってしまうのがデメリットとなるかもしれません。 

 

2.整備工場
整備士という国家資格を持ったプロに任せることは安心と確実さを得ることにつながります。そして費用もディーラーほど高くはありません。安くて安心な交換は大きなメリットとなりますが、作業前にいくつかの整備工場から見積もりを取ってみてください。国産のベルトを使えば純正品と品質に大きな違いはなく、作業も間違いないでしょう。他社との比較で少しでも安いファンベルトの交換は、高騰する燃料費対策としての、経費削減の一つの方法になるでしょう。 

 

3.カー用品店
カー用品店にも整備士が常駐するため交換は可能でしょう。その店舗数の多さから緊急時の便利さや、費用面からの対応ではありがたい存在かもしれません。日曜・休日でもどのカーショップも営業していますので、ウィークデーに仕事を休まなくても大丈夫です。普通車中心のカー用品店ではトラックが入ることのできる作業スペースがあるのか、車種によっては対応不可能と言われる場合もあるでしょうから、まずは対応可能かどうかを確認したほうがよいでしょう。 

 

4.自分で交換
ご自身でのファンベルト交換は不可能ではありませんが、おすすめできません。ネット通販で安いベルトを購入し、交換費用なしで安価に済ますことができてメリットがあるように思えますが、専門的な知識と専用の工具が必要な作業です。そして、各所の機能に影響を与える重要なポジションであることを考え合わせ、整備士に依頼することをおすすめします。 

 

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車のファンベルトの交換時期・費用の目安 

ファンベルトの交換時期・費用の目安です。交換費用に関しては、地域や交換場所によって違いがありますので、確認してください。 

 

交換時期の目安  

ファンベルトの交換時期は5年〜10年、走行距離5万〜10万kmが目安です。ファンベルトの素材はゴムのために、金属のような錆びがありません。その代わりに、経年によって劣化が起きてしまい、ゴムの性能が変わってしまうことは避けることができません。  

ファンベルトの交換タイミングはこの目安の年数や走行距離もありますが、部品としての価格は決して高いものではありませんので、定期点検や車検ごとの決まった年次に交換することをお勧めします。 

 

交換費用の目安  

ファンベルトの交換費用は1万円前後(工賃込み)。メーカーや車種によって部品代は違ってきます。工賃も交換場所や地域によって違いがありますので確認が必要です。 

 

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車のファンベルトの点検・メンテナンス方法

ファンベルトの点検・メンテナンスは非常に大切です。ファンベルト1本の不具合がさまざまな故障を引き起こし、最後にはエンジンの始動できなくなります。それらを防ぐためには日頃の点検しかなく、異常を見つけたら十分なメンテナンスを行ってください。 

 

点検方法

   まずは目視点検です。エンジンルームをのぞいてベルトにヒビや摩耗がないかの確認をします。続いて指でベルトのたわみを確認してください。慣れていなければ張り具合の点検は難しいですが、指で押さえて12mm程度たわむのが理想的ですので、それを目安としてください。 

 

メンテナンス方法  

目視点検を行い、指で張り具合の緩さを感じたのなら、まずは張りの調整が必要です。ファンベルトは消耗品のために、経年劣化を起こしている可能性があります。そして、交換を前提にプロの整備士に相談してください。ベルトのヒビも経年劣化によるものです。耐久性能が落ちていますので、この場合も交換してください。

 

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まとめ

昔からの名残でその名称が残っているファンベルトは、非常に重要な役割を担っています。トラック業界においてもこの先EV化や新燃料の開発でエンジンのスタイルは変わり、ファンベルト、伝動ベルトは淘汰されていくのかもしれません。それでもブレーキシステムなどにファンベルトは残っていくだろうと囁かれてもいます。 

ファンベルトが鳴いたら、早めの交換をおすすめします。自分で交換するのはリスクもありますので、プロへの依頼をおすすめします。  

 

トラックファイブは『豆知識』でこれからも皆さまにさまざまな情報をお届けします。 

 

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