タイヤの適正な空気圧はどれくらい？ 点検・調整方法も併せて解説

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タイヤの空気圧が適正でないとどうなる？

タイヤの空気圧が適正でない場合とは、空気圧が低すぎる時もあれば、高すぎる時もあります。それぞれの不適正な空気圧が起こす、悪い作用を確認したいと思います。

・空気圧が低過ぎる場合

タイヤの空気圧は、接地部分のたわみの状態を目視することで確認できます。空気圧が低く、たわんだ状態は道路面に接するタイヤトレッド面が必要以上に広くなってしまい、余計な負荷がタイヤにかかってしまいます。そのため、必要以上の動力がかかり燃費が落ちてしまいます。そして、タイヤが長持ちしません。本来ならば常時道路面に接することのないショルダー部が偏摩耗してしまいます。

本来あるべきはずのないたわみは、スタンディングウェーブ現象を引き起こす恐れがあり、最悪の場合にはバーストを起こしてしまう危険性があります。降雨時にはハイドロプレーニング現象も起きやすくなり、低すぎるタイヤの空気圧はトラックに悪影響ばかりをもたらします。

・空気圧が高すぎる場合

高すぎる空気圧もタイヤに悪影響をもたらします。空気圧の高すぎるタイヤはトレッド面の中央部分が盛り上がり、その状態は目視で確認することができます。正常にトレッド面が道路面に接点を持ち走行するように設計されているタイヤは、空気圧の高さが原因となって、まずは乗り心地が悪くなります。そして偏摩耗を起こします。

空気圧が低すぎた場合はショルダー部の偏摩耗、高すぎる場合にはトレッドのセンター面が偏摩耗を起こしてしまいます。正常な走行を想定して設計されたタイヤは、高い空気圧で走行中のショックの力が加わってコード切れを起こしてしまったり、バーストを起こしてしまうなど、アクシデントが起きやすい状態になってしまいます。

空気圧の点検・調整のやり方

タイヤはゴムという天然素材で製造されているために、トラックに乗らずにただ置いていても、空気は自然に減少してしまいます。そのために定期的な空気圧の点検や調整が必要です。燃料給油時にスタンドの店員さんにやってもらうのも一つの方法ですが、相棒であるトラックの健康状態を知るために、時にはご自身での点検も必要です。ここでは空気圧の点検・調整の方法を紹介します。

・空気圧の点検方法

空気圧の点検方法で大切なのは、ご自身のトラックの適正な空気圧を知ることです。メーカー推奨の空気圧は取扱説明書に載っていますが、運転席ドア付近に推奨空気圧を記載したシールが貼られていますのでそれで確認できます。各トラックの目安の空気圧は以下のとおりです。

比較のために乗用車の空気圧も記載しました。積雪時や積荷の量で空気圧を意図的に変えるケースもありますので、あくまでも一般的な目安の空気圧として理解してください。

普通乗用車　：　2.0kg/ cm² ～2.4kg/ cm²
小型トラック：　5.0kg/ cm²～6.0kg/ cm²
中型トラック：　7.0kg/ cm² ～8.0kg/ cm²
大型トラック：　8.5kg/ cm² ～10.0kg/ cm²

タイヤのエアバルブに押し当てて空気圧の測定は簡単に行えます。エアバルブに正しく押し当てないと空気が抜けてしまうので注意してください。一般的なタイヤの空気圧の測定は、1カ月に1度を推奨されますが、長距離を走るトラックは2週間に1度くらいの点検が安心につながります。燃料給油所によっては、エアー充填機が使えますので同時に点検もできて便利です。

・空気の充填方法

タイヤへの空気の充填方法はいたって簡単です。エアー充填機を利用すればだれでも簡単に充填できますが、注意点があります。まずは、走行直後のタイヤが高温になった状態では、膨張によって空気圧が高くなっているために正しい空気圧で充填ができません。走行前のタイヤが冷めている状態で充填を行ってください。

同様の理由から正しく点検するためにもタイヤの冷めた状態で行ってください。事前にメーカー推奨の適正空気圧を確認して充填作業に当たり、作業時には周囲の確認をして安全確保も忘れないでください。ホイールにあるエアバルブを外し、タイヤの空気が抜けてしまわないようにまっすぐ充填口をエアバルブに当てます。適正空気圧に充填できたらエアバルブに栓を取り付けて作業は完了です。

・バルブやホイールの点検方法

タイヤの空気充填時に合わせてバルブやホイールの点検を行ってください。安全走行はしっかりと絞められたバルブとホイールの正常な作動によって成り立っています。バルブはタイヤとともに経年劣化します。劣化によって起きる空気漏れは洗剤を溶かした水をバルブに付けることで、泡ができるかどうかで点検することができます。ホイールの傷や歪み、ナットのゆるみは目視やレンチでチェックして点検できます。

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タイヤの空気圧に関するよくある質問

タイヤの空気圧に関するよくある質問を紹介します。

・空気圧がすぐに減ってしまうのはなぜ？
タイヤが天然素材のゴムでできているからです。ゴムの分子間から空気中の酸素が抜け出てしまう性質を持つため、タイヤの空気圧の減圧が起こります。トラックを走らせていなくても減圧は起きてしまいます。

1カ月に1度の空気圧チェックが推奨されるのにはそんな理由があります。その減圧を防ぐために、費用はかかりますが窒素の充填が行われる場合もあります。しかし、大切な愛車であるトラックです。月に１度の足回りのチェックは大切にしたいものです。

・タイヤのサイズを変えた場合の空気圧は？
タイヤのサイズを変える理由はいくつかあるでしょうが、推奨できることではありません。規定に外れなければタイヤサイズを変えることは不可能ではありませんが、タイヤサイズが変わり、タイヤの外径が変われば不具合も起こり、車検に通らなくなる場合も出てきます。

仮に変えたとしたら、その場合は交換したタイヤメーカーの推奨する空気圧に従ってください。

・高速道路を走るときの適切な空気圧は？
高速道路だからと言って空気圧を変える必要はありません。高速道路を走るときの適切な空気圧は、高めだと言われることが時々ありますが、指定された空気圧で調整してください。
高速道路走行前に適正値の空気圧となっているかのチェックを行うことは非常に大切です。

・スタッドレスタイヤの空気圧は？
スタッドレスタイヤの適正な空気圧は、基本的にメーカーが指定する標準タイヤの空気圧と同じです。スタッドレスタイヤだからと言って空気圧を変える必要はありません。しかし、冬期における低温の続く環境下では、メーカー指定の空気圧より高めに調整することが推奨されています。

低温はタイヤ内の空気圧を自然に低下させてしまうのです。スタッドレスタイヤを装着する冬季には。普段以上に空気圧を気にかけて点検を行う必要があります。

・スペアタイヤの空気圧点検は必要？
スペアタイヤの空気圧点検も必要です。そして、すべてのタイヤを上手に使い切るために、タイヤのローテンションを行なうことが推奨されます。走行輪に装着されたタイヤとスペアタイヤのどれもが同じように減るためローテンションでの交換です。駆動輪と遊輪の交換、左右の交換、回転方向を逆にするなどを考えてローテーションを行います。スペアタイヤも定期的に他のタイヤと同じように空気圧点検を行ってください。

まとめ

トラックに限ることなく、すべての車両が持つ道路面との接点はタイヤのトレッド面のみです。このトレッド面が、タイヤにかかる適正な空気圧によって正しく接地することができ、エンジンの駆動力が路面をしっかりつかまえて、確実な走行ができます。

また、この適正な空気圧がブレーキ作動をしっかり路面に伝え、トラックは確実に停車することができるのです。タイヤの空気圧は快適な走行や安全をドライバーに約束してくれるだけではありません。クッションにもなって、ドライバーの走行時に快適空間を作ってくれます。ドライバーには不可欠なタイヤの空気圧の知識です。この先も定期的な点検・調整を怠ることなく安全で快適な走行を続けてください。

トラックファイブは『豆知識』でこれからもさまざまな情報を皆さまにお届けします。