リビルト品とは？ 中古品や新品との違いやメリット・デメリットを解説
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リビルト品の定義
リビルト品のリビルトは英語の「rebuild」です。再生、再構築などを意味します。使用済み部品を分解・洗浄し、磨耗・劣化した部品を新品と交換したものがリビルト品です。劣化していない部品は交換せずに、再利用して組み立てます。新品パーツと同等の性能があり、検査基準を満たしており、さらには品質保証期間が設けられている場合もあります。
エンジンやドライブシャフト、トランスミッション、ラジエター、エアコンコンプレッサーなど機能性部品を中心に多くのリビルト品が用意されています。そして、リビルト品の使用にはコア返却がもとめられます。コア返却とは取り換えた部品を返却することです。リビルト品は、同じ部品の返却を条件とすることによって、仕入れ価格を落とすため、手間をかけて整備しても安い価格での販売が可能になるのです。
・リビルト品と中古品の違い
中古品は経年劣化や事故などの理由で、廃車されたトラックのパーツの再利用です。廃車されたトラックでまだ使えるパーツや損傷していないパーツを取り外し、中古パーツとして利用して、市場に出回っているものを中古品と言います。
「リビルト品」や「リンク品」とは違い、中古品は解体して取り外したそのままのパーツです。中古品を扱う業者によっては取り外したパーツを洗浄して商品にすることもありますが、多くは分解・洗浄は行うことなく、取り外したそのままを商品としています。中古品を使用する際には、継続使用の信頼性・安全性を考えて、トラックの駆動部（エンジンや足回りなど）ではなく、外装部であるミラー、バンパー、ライトなどの使用を中心に考えてください。
・リビルト品とリンク品の違い
リンク品は解体後、損傷・消耗した部品の交換・修理を行った中古パーツであったり、メーカーや販売会社の交換用として予め準備している予備部品です。保証期間内での故障時の交換用であるため、行き届いた品質管理のなか性能面に加えて見た目も美しく保たれています。
リンク品を使用する場合、故障していない部品は分解・調整をしないため、交換された部分以外は修理前の状態になっています。中古品よりも価格は高額になりますが、パーツとしての寿命は比較的長くない可能性もあります。目的が一般的な故障や修理に向けての在庫とは違うので、利用できるタイミングがいつもあるとは限りません。カーナビ、オーディオ類、エアコンなどがリンク品で使用されます。
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リビルト品のメリット・デメリットは？
リビルト品のメリットとデメリットを知り、上手に中古パーツを使い分けてください。ただ安ければ良いというものばかりではないでしょう。その時の状況に一番合ったパーツを使用してください。
・メリット
リビルト品を使用するメリットは安心と価格でしょう。長年乗ってきたトラックの修理にどれだけの費用をかけるのか、頭の痛い問題ですが、費用対効果を考え十分意義のある中古パーツとなるのが、リビルト品となるでしょう。
・新品程度の品質が期待できる
リビルト品は、リビルト品専門メーカーによる品質検査が行われ、独自の保証があったり、オーバーホール後に実施される完成検査の証明書が付くこともあります。リビルト品には新品程度の品質が期待できるため、オルタネーターやエアコンコンプレッサーなどの補機類ばかりか、パワートレインとなるエンジンやトランスミッションなどのトラックの命とも言える主要部品にも安心して使用することができます。
・新品よりも価格が安い
安心して使用できる中古パーツでありながら、優れものであるリビルド品。加えて、その優れた特徴は価格です。新品と変わらぬ性能を持ちながら、価格は物にもよりますが、新品パーツの半額やそれ以上安くなっているものもあります。
リビルト品には『コア返却制度』というルールがあって、交換した古いパーツをメーカーに返却しなければなりません。その返却部品をオーバーホールして次の需要に回すので安価で提供できるのです。
・廃棄物の削減になる
この『コア返却制度』というルールによって、資源の無駄使いを減らし、廃棄物の削減にもつながっているのです。輸送業界のCO₂削減はこんな場面でも実現されています。最後まで使い切り、廃棄物を減らさなければなりません。人任せではなく、皆でできることをやっていく。輸送業界でも前向きに考えていかなければならない大きな問題です。
・デメリット
リビルト品には、残念ながら良いことばかりではなく、デメリットもあります。このデメリットも考え合わせて上手にリビルト品を使用してください。
・劣化が残っているケースがある
リビルト品メーカー独自の保証があっても、やはり中古パーツです。外見はきれいに見えても、見えない部分に劣化が残っているケースもあります。保証があったとしてもリビルト品は現品修理しかしません。部品によってはなかなか手に入らない物もあり、やっと見つけて手に入ったリビルト品に不具合が見つかるケースもあるのです。劣化が残っているケースがあること、当たり外れがあることが、デメリットといえるかもしれません。
・壊れても現品修理しかしてもらえない
リビルド品を使い始めて運悪く不具合が出ても、メーカーには『現品修理』しかしてもらえないというデメリットがあります。現品修理とは、問題の起きた部品の修理を行うことで、不具合があったからと言って交換してもらえないのです。様々な手法で修理を行い、それでも修理不能であれば、交換しなければなりません。このような場合には新品パーツよりも高くなってしまう可能性もあります。
・品質や価格は部品により異なる
もう一つのデメリットは、リビルト品メーカーによって品質や価格、保証に差がある点です。リビルト品の品質基準があるわけではなく、リビルト品メーカーの良し悪しによって品質が片寄ってしまいます。運悪く交換直後に部品がダメになるといったトラブルのリスクは避けたいものです。
各リビルト品メーカーのネットでの口コミや、実際に交渉してみた時の対応で判断する必要もあるかと思われます。
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リビルト品を利用したいシーン
多少の不安を抱えながらもリビルト品を利用したほうが、コスト面でのプラスばかりではなく、作業時間の短縮や廃棄物の削減、限られた資源使用量の削減などさまざまな良い面もあります。部品メーカーが供給を終了してしまったパーツでもリビルト品で手に入れることができる場合もあります。しっかりしたリビルト品メーカーをつかまえて、ケースによってリビルト品を使用したいものです。
・リビルト品がある主な部品
・パワートレイン部でのエンジン、トランスミッション、デファレンシャルなど、エンジンおよびエンジン関連パーツです。
・補機類である、発電機のオルタネーター、エアコンを動かすエアコンコンプレッサー、パワステの動力となるパワステポンプ。
・吸排気系統のスロットルボデー（エンジンへの空気吸気調整口）、ターボチャージャー(エンジン吸気圧縮装置)など。
・その他、スターター、燃料ポンプ、ドライブシャフト、ラジエター、プロペラシャフト、ステアリングギヤボックス、コンデンサーなど。
以上のように高額な価格帯となるパワートレイン関連のパーツ、経年劣化によって必ず交換の必要が出てくる補機類や吸排気系統など、リビルト品でさまざまなパーツがそろっています。
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リビルト品か中古品かを迷ったら
リビルト品か中古品かを迷うことがあるのでしたら、使用する部品で判断してください。
基本的にはリビルド品の方が質は高く、保証のあるパーツもあります。
パワートレインや足回りなど、トラックばかりかすべての車両において心臓部とも言える重要パーツにはリビルド品を選択してください。
バンパーやミラー、ライト類等の駆動機能に直接関係しないパーツ類に中古品を使用してください。
品質を重視するならばリビルド品、価格をどうしても重視しなければならない場合には中古品を使用する考え方も現実的で捨てがたい考え方とも言えるでしょう。
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まとめ
トラックはたくさんのパーツで構成されています。日々の走行、作業はハードで、経年劣化するパーツもあれば、作業中に損傷するパーツもあるでしょう。修理、交換には費用がかかり、経営者が少しでも費用負担を減らさなければならないのは当然なことです。
交換部位のパーツの重要性やその時の環境に合った費用対効果を考え合わせて、新品のパーツ、品質のリビルト品、安さの中古品と、使い分けることが賢明な経営につながりそうです。
トラックファイブは『豆知識』でこれからも皆さまにさまざまな情報をお届けします。
