災害と商用車両-災害時における商用車両の真価を知ってもらいたい- 前編
地球誕生から46億年、その長い時間のなかでのこの数年間に起きている異常気象や地震は単なるバランス調整なのでしょうか。
いずれにしても私たちの関係する『商用車両』はこの災害時において人命救助や緊急搬送、そして復興に際してなくてはならないものであることは誰もが周知のことです。
鉄道網や航空機、船舶の輸送では決して成しえない単体でフレキシブルに行動可能な輸送車両であるトラック、そして災害復旧ばかりではなく都市を再生するために不可欠な建設車両の真価の再確認と、いざという時に備えておかねばならないことは何かを考えてみたいと思います。
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◎災害とトラック
災害と物流と置き換えたほうがいいかも知れません。
物流は人々の生活を支える『インフラストラクチャー』、しかも道路や鉄道、発電所、電力網、通信網、上下水道、などの公共的・公益的な設備や施設などの構造物ではなく、『動くインフラストラクチャー』です。
災害が一たび起きればこの『動かぬインフラストラクチャー』は破壊され、分断されて停止してしまいます。
その復旧には物資を運ぶトラックであり、単体で力強く撤去、構築を行っていく建設機械たちの『動くインフラストラクチャー』が不可欠です。
二つの『インフラストラクチャー』その違いは何でしょう。
それは『人』ではないでしょうか。
想定外であった災害への対応を破壊された『動かぬインフラストラクチャー』はしてはくれません。
生きた道路を探して時間がかかろうが迂回して、道なき道を走るような苦労をして輸送を行うには『人』の知恵と、永年の経験や勘が活かされてきます。
『人』が運転するからこそトラックや建設機械たちが『動くインフラストラクチャー』となり得るのです。
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◎過去の想定外とされた大きな災害
震災では
1995年 | 阪神・淡路大震災 震度7死者行方不明者戦後最多の大都市直下震源の大地震 |
2004年 | 新潟県中越地震 阪神・淡路大震災以来、当時観測史上2回目の最大震度7を記録した。 |
2011年 | 東日本大震災 死者・行方不明者約2万2000人の戦後最悪の震災。 |
2016年 | 熊本県地震 熊本と大分を相次いで襲い熊本では震度7が2回襲った。 |
豪雨・台風においてはここ数年毎年『想定外』だった事態が起きています。
2018年 | 台風21号 関西国際空港を閉鎖。 |
2019年 | 令和元年台風15号が関東地方、千葉県を中心に大きな被害をもたらした。 |
2020年 | 令和2年7月豪雨 熊本県を中心に大きな被害をもたらし、「中国地方」から「東海地方」、「東北地方」まで多大な被害をもたらした。 |
どれも記憶に新しい災害ばかりだと思います。豪雨・台風はほんの一部をあげていますがその特徴は巨大化と広範囲化です。交通至便な地域ばかりが被害地ではありません。被災地への救助・救援、復旧はどこでも自走できる商用車両、特にトラックがその力を発揮します。
◎事業主が日常で備えたいこと
当たり前のことですが未来を予知することはAIの力を借りようともまだまだ先のことでしょう。しかし、直近の気象状況や災害を予測することは可能なことです。一たび起きた災害での被災状況を把握することもICT(情報通信技術)によって可能です。『想定外』クラスの災害を当たり前のことと考えて『想定できる想定外』と考えればよいでしょう。そのための準備さえ行っておけばいざという時も慌てることも憂えることも無いでしょう。最大のローコストな災害への対応策は災害に対する『心構え』です。
ソフト面である『心構え』を社内で育てたいものです危険予知を作業だけに限らないで走行中の地震・台風・豪雨に被災することを想定して、その際の対応パターンを考えてみましょう。一般道、高速道路を走っている場合、積み込みの最中。得意先によって違う積荷によってもその対応は変わるでしょう。BCP(事業継続計画)は組織として被災し、継続を組織で進めるための方策です。単独で走らせるトラックで被災してしまったらそれどころではありません。
会社に連絡を入れることはもちろん大切でしょうが、まずは自身の身の安全です。東日本大震災で有名になった言葉『地震てんでんこ』、海岸で大きな揺れを感じたときは津波が来るから肉親にもかまわず、各自てんでんばらばらに一刻も早く高台に逃げて自分の命を守れ、です。
会社は財産である社員の命を守ることが最大の使命であり、社員は自身の身を守ることが家族のためでもあり、最終的には会社の利益につながっていくのです。
そのための社員への教育は大切です。多少の費用であれば惜しまないことです。社員一人一人が経営者としての考えを持つ、社員全員が経営者とともに同じ方向を見ることの出来る会社が本当に強い会社となることが出来るでしょう。
費用のかからない対応策を考えても多少の費用はどうしても必要となってきます。この費用や、災害時の非常物資の備蓄費用の捻出のためにも必要車両の見直しを行ってみてはどうでしょうか。不要な車両を保管するだけでも維持経費は必要です。万が一被災することがあっても被害を最小限にし、災害に強い会社作りのために費用を充当してください。そもためにトラックファイブは誠心誠意でご協力させていただきます。
そして、一つ忘れないでください。『困ったときはお互い様』、被災時に周りに困った人がいたら、できる範囲で手を差し伸べてあげてください。あなたが身につけている会社のユニホームがそれを目にする周りに好印象を与えることは間違いありません。そこに社内が一枚岩となった物流、運送業のミッションでもある社会貢献の意識があれば決して偽善であったり、作為行為ではありません。
2005年JR西日本の起こした尼崎での悲惨な事故の直後、日本スピンドル製造という会社は社長が陣頭に立ち、即座に対応し出来る範囲での、救急・救命の手助けをしました。その善意からの行動で日本スピンドル製造は日本中で評判をあげたのは言うまでもありません。
善意はその名を揚げ最後は利となって回ってきます。トラックファイブも誠心誠意皆様のお役に立ちたいと考えております。
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