エンジンのオーバーホールで新車時の状態に近づける! メリット・デメリットは?

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はじめに

「エンジンのオーバーホール」を実際に経験された方は多くないでしょう。経年劣化によるさまざまな症状の改善を図り、新車時の状態に近づけるオーバーホールを、今回の『豆知識』では取り上げてみました。

エンジンのトラブルや不具合を未然に防ぐことができるオーバーホールのメリットやデメリット、費用、期間について詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

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エンジンのオーバーホールとは

オーバーホールとはトラックや車両のエンジンだけに使われる言葉ではありません。「機械や装置類を部品単位まで分解して、点検・修理・清掃し、時には新品の部品と交換して再組立てすること」を言います。

車両が動く限りエンジンは止まることがありません。ピストンはシリンダーの中でたえず上下運動を繰り返し、シャフトもギアも止まることなくエンジンオイルとともに動き続けます。当然のことながら金属製のピストンもシリンダーもシャフトもギアも接触部は摩耗してしまいます。そして、樹脂製のガスケットは経年劣化を起こしてその弾力を失っていきます。

そのように、各部品が弱ってきて不調・不具合が生じたエンジンの分解・清掃・不良部品の交換・再組み立てがオーバーホールなのです。

エンジンのオーバーホールが必要な時

トラックや車両が不調を訴えてきたタイミングがオーバーホールを行う時です。エンジン内の部品が経年劣化によって摩耗したり、欠損することでさまざまな症状が現れます。

そのような際にはまずディーラーや整備工場での点検を受けることをお勧めします。そしてオーバーホールが必要かを相談してください。

・異音が生じるケース
異音がする場合には、不良個所を早く見つける必要があります。
オーバーホールで修理可能な段階を過ぎてしまえば、エンジンの載せ替えなど大がかりなものになってしまい、時間も費用もかかってしまうことがあります。

・白い煙が生じるケース
エンジンオイルが燃えてしまい、外に出てくるのが白煙です。ピストンリングとシリンダーの経年劣化によって摩耗してしまい、その間からエンジンオイルが入り込むことによって、燃料と一緒になって燃焼してしまう可能性が高いです。燃費が悪くなるばかりか環境破壊にもつながってしまいます。

・オイル漏れが生じるケース

オイル漏れも経年劣化が原因です。エンジンの部品間にあるガスケットが劣化して弾力性を失ってしまい、隙間ができてそこからオイルが漏れ出してしまいます。オーバーヒートにもつながるので、早急な対応が必要です。

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エンジンのオーバーホールを行うメリット

経年劣化によるエンジンへの影響は避けることができません。不調や故障を回避するオーバーホールによってもたらされるメリットを紹介します。

・エンジンの性能が回復する

エンジンを分解し各部品を点検・洗浄します。そして不具合を修理し、破損や摩耗した部品を新しいものに取り換え、組み立て直します。オーバーホールによって、機能が低下していたエンジンの状態は改善されます。

エンジンの始動は良くなり、性能も全体的に回復します。新品同様に戻ることはありませんが、改良された新部品などと交換できれば、それまで以上の性能が期待できる場合もあります。

・エンジンの寿命が延びる

オーバーホールによって、エンジンはいつも良好な健康状態を保つことができます。

故障が起こり、その部品を交換するためにエンジンの分解を行うよりも費用がかからないばかりか、関連する他の部品に負担をかけることがなく、エンジンの寿命を延ばすことにもつながります。

・不具合やトラブルを防げる

オーバーホールはエンジンを車体から取り外し、分解して徹底的に洗浄・点検・整備を行います。そのため、エンジン内部の汚れは取り除かれて、経年劣化による部品の交換や調整を行いながら組み立て直していきます。

エンジンの不調や故障の原因となるエンジン内部の劣化した部品が取り除かれ、交換されるので不具合やトラブルを防ぐことができます。

 

エンジンのオーバーホールのデメリット

オーバーホールにはもちろんデメリットもあるので紹介します。

・費用がかかる

オーバーホールには大きな手間がかかります。トラックや車両からエンジンを取り外し、部品単位まで分解し、点検・洗浄・整備・修理・交換を行います。すべて整備士の手によって行われる作業ですが、想像するだけでも手間のかかる作業だということがわかると思います。

大きな手間代がかかり、交換する部品代もかかるために、オーバーホールには思いのほか多額な費用がかかります。

・時間がかかる

オーバーホールには時間がかかります。それはエンジンの部品一つまでバラバラに分解することが一つの理由にもなりますが、エンジンを分解して内部の確認をしなければ見つからない不調、故障の原因となる部品等の劣化や不具合が見つかるかもしれないからです。

一つ一つの部品を精査しての作業になるため、流れ作業のような時間が読める工程ではありません。プロの整備士が精査、洗浄、組み立てを行うのでどうしても時間がかかってしまいます。

・整備工場によっては対応できない

オーバーホールには熟練した整備士の知恵や経験、テクニックが必要なため、整備工場によっては対応できない場合があります。ディーラーまたは整備工場に依頼するとしても、まずはオーバーホールができるか、実績はあるのかを確認してください。

オーバーホールができる整備士の有無に加えて、整備可能な設備や広い整備場所があるのかも問題となってきます。
まずは「対応可能か?」を一番にご確認ください。

 

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エンジンのオーバーホールにかかる費用の目安

エンジンのオーバーホールにかかる費用は、トラック・車両の種類、エンジンの状態、さらにオーバーホールを行う整備工場やディーラーによって変わってきます。目安として、最低でも数十万円はかかり、100万円を超えることもあります。エンジン載せ換えの場合は100〜150万円もかかる場合があります。

この金額はケースによって変わってきますので、依頼する整備工場やディーラーからあらかじめ見積りを取り、それに基づいて実際のオーバーホールにかかった費用を交渉しながら決めてください。

 

エンジンのオーバーホールにかかる期間

エンジンのオーバーホールにかかる期間は長めに考えてください。ただでさえ、オーバーホールを行える整備士は少なく、仮に見つかったとしても、先客のオーバーホールに取りかかっている可能性も十分にあります。

実際の作業は時間がかかりますので整備士と相談しなければ行ってください。不確定ですが、1ヶ月はかかると覚悟してください。

 

まとめ

オーバーホールは長く乗っていても必ずしなければならない作業ではありません。しかし、エンジンの明らかな不調を感じた時にはオーバーホールの検討は必要かもしれません。

費用も時間もかかるエンジンのオーバーホールですが、不具合やトラブルの予防に役立ち、エンジン寿命の延長にもつながります。そして、現代の環境保全に役立つ工程と言えるのかもしれません。最後に、エンジンを長く健康に使うためには、オーバーホールした後の慣らし運転が必要なことを記憶してください。

トラックファイブは『豆知識』でこれからも皆さまにさまざまな情報をお届けします。

 

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