大型トラックの代表的な車種を紹介！ 大型免許の取得条件なども解説
目次
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はじめに
大型トラックは「10トントラック」や、「貨物自動車運送事業法」にもとづき大型貨物自動車とも呼ばれ、日本の物流に欠かせない輸送手段として広く使用されています。
今回の『豆知識』では、大型トラックの種類や特徴、大きさ、荷台寸法について詳しく解説します。
また、大型トラックを運転するために必要な免許や、主要4メーカーの車両についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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大型トラックとは？ 何トン？
10トントラックと呼ばれる大型トラックは、積載量が10トンとよく勘違いされますが、「10トンくらい」の積載が可能なトラックのことです。
道路交通法では車両総重量11トン以上、最大積載量6.5トン以上と定められています。また軸距によっても最大積載量が決められています。
道路法に基づく車両制限の一般的制限値では車両総重量が20トン、重さ指定道路および高速自動車国道においては最大25トンまで認められています。そして、一般的制限値では軸重が最大10トン、輪荷重が5トンと決められています。
さまざまなタイプの大型トラックがその装備等によって変わる車両重量と車両総重量の引き算で最大積載量が算出されます。営利を追求する物流企業で活躍する大型トラックは10トン以上の積載が可能なトラックが多いです。
大型トラックの種類
日本の物流では、さまざまな積み荷に合わせた、さまざまなタイプの大型トラックが活躍しています。ここでは大型トラックの代表的な車種を紹介します。
・平ボディ
トラックの代表選手とも言える平ボディは、誰もがトラックと聞けば思い浮かぶスタイルの車両でしょう。
天井はなく、荷台を囲う左右後方の三方のアオリを下せばフォークリフトやクレーンが近づくこともできて、荷の積込みや積み下ろしが容易です。また、積荷の形状にこだわることなくさまざまな荷を輸送することができます。
強度を求められるアオリには重量のある鋼製のもの、他にもアルミ製や木製のものもあります。
・バンボディ
バンボディタイプのトラックは左右後方、天井をアルミなどのパネルで囲んだ箱型です。天井があるので平ボディのように降雨、降雪によって積荷を痛めてしまう心配がありません。そして後部や側部にある扉には施錠をすることが可能で、防犯にも優れています。
同一、同型の商品を積荷として預かり、隙間なくきれいに積込むことは一番効率の良い作業でしょうが、近年のBtoC事業に合わせた積荷はサイズや形状がさまざまです。バンボディであればそのようなサイズ・形状の違う少品種多量の積荷にも対応できます。
・ウィングボディ
ウイングボディタイプは、バンタイプを進化させた形状のトラックです。バンタイプは荷の積み降ろしを後方または側部の扉から行わなければならず、フォークリフトやクレーンは使用しづらいものでした。
しかし、ウイングボディはその名称どおり、鳥の羽のように箱型ボディの左右が上方に開きます。それまでのカゴ台車はドライバーが出し入れを行っていましたが、フォークリフトやクレーンが行えるようになりました。
・冷凍冷蔵車
戦後、アメリカ進駐軍が駐在する各家庭への食品配達の要望に応えて、日本で開発された冷凍冷蔵装置を備えたトラックです。強力な保温パネルに囲われたバンボディタイプとよく似た形状をしています。
私たちが家庭において遠く離れた地方の海産物や新鮮な野菜を食べることができるのは、世界に誇る日本の冷凍・冷蔵技術が搭載された冷凍冷蔵車のお陰なのです。
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大型トラックの大きさ・荷台寸法・積載量
各サイズの目安は道路法、車両法、道交法により下の表のとおりになります。メーカーや架装により荷台寸法はさまざまです。しかし、表のサイズに収まる荷台寸法になります。また、キャブの大きさ、ユニックやリフターなどの装備品によっても荷台寸法が変わり、オーダーメイドなどもありさまざまです。
大型トラックの荷台幅は2.3m～2.5m、荷台長さは6.5m～10mとなります。
| 小型トラック | 中型トラック | 大型トラック | |
| 全長 |
4.7m以内
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12m以内
|
12m以内
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| 全幅 |
1.7ｍ以内
|
2.5ｍ以内
|
2.5m以内
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| 全高 |
2.0ｍ以内
|
3.8ｍ以内
|
3.8m以内
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| 最大積載量 |
3ｔ未満
|
3ｔ以上6.5ｔ未満
|
6.5ｔ以上
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| 車両総重量 |
5ｔ未満
|
5ｔ以上11ｔ未満
|
11ｔ以上
|
・中型トラックとの比較
中型トラックのサイズ・重量は上の表のようになります。荷台サイズは幅が2m～2.5m、長さは4.5m～7mとなります。
・小型トラックとの比較
小型トラックのサイズ・重量は上の表のようになります。荷台サイズは幅が1.5m～1.7m、長さは3m～4mとなります。
大型トラックの運転には「大型免許」が必要
大型トラックの運転には大型免許が必要です。自動車運転免許の上位免許となる大型免許を持っていれば、けん引車両や、二種免許が必要な車両以外の運転ができます。
・取得条件
【年齢】
大型免許取得の年齢条件は満21歳以上であり、普通免許、準中型免許、中型免許、大型特殊免許を取得した期間が通算で3年以上必要となります。
【視力】
身体的条件の一つとして両眼で0.8以上、片眼で0.5以上の視力があることが必要です。
【色彩識別能力】
色彩識別能力として赤・青・黄の色識別ができることが必要条件です
【深視力】
3回の深視力検査を行い、その平均誤差は2cm以内が必要条件です。
【聴力】
10mの距離で90デシベルの警告音が聞こえなければなりません。
【運動能力】
運転に支障のない運動能力が必要で、障害があったとしてもそれに応じた補助手段を使って運転に支障がないと認められれば大丈夫です。
・運転できる自動車
大型免許で運転できる自動車にはさまざまな種類があります。免許を取得すれば普通自動車以上の大きな車両が運転できます。
「けん引」「第二種免許」を取得すれば、大型バスも含めてすべての自動車の運転ができるようになります。
・取得方法
取得資格さえクリアできれば、大型免許の取得方法は3種類あります。
①運転免許教習所へ通所する。
②合宿免許で実技・座学の講習を受ける。
③免許試験場で一発試験を受ける。
置かれた環境に合った方法を選択することができます。
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大型トラック4大メーカーの特徴・値段
日本国内におけるトラックのシェアは下記の４大メーカーによって占められています。
一般社団法人日本自動車販売協会連合会の統計による、2024年10月時点の累計登録台数は、いすゞ23,637台、日野15,686台、三菱ふそう11,653台、UDトラックス8,167台です。各メーカーの特徴と各社が誇る大型トラックを価格とともに紹介します。
・いすゞ自動車
いすゞ自動車は、日本国内外で長年にわたり商用車を製造してきた信頼性のあるトップメーカーです。品質の高さやアフターサービスの充実などが評価され、多くの企業や個人の業務に利用されています。
大型トラック「ギガ」は、高出力・高トルクの高性能なディーゼルエンジンを搭載しています。エンジンは燃費効率に優れており、パワフルな走行性能と積載能力を実現します。頑丈なフレームやボディ構造を持ち、耐久性と安全性を追求しています。重い荷物や厳しい道路環境にも対応し、長寿命で信頼性の高いトラックとしてギガは知られています。
ギガの新車価格は約2,600万円～2,700万円です。
・日野自動車
日本のトラック業界をけん引してきた日野自動車はトヨタグループの一社で、大型トラック・バスを製造しています。
日野の大型トラック「プロフィア」は最大500Lの燃料タンクの装着が可能です。4キロ／Lという燃費の良さは、東京・厚木～下関間の往復2,000キロを給油なしで走りきることを可能にしました。
このプロフィアのチーフデザイナーは、自身で大型トラックのハンドルを握って日本中を走り回りドライバー目線でプロフィアを生みだしたことは有名な話です。国が定めた「セーフティ・サポートカー（略称：サポカー）」の基準も満たしたAI搭載の優秀なトラックでもあります。
プロフィアの新車価格は約1,900万円～2,400万円です。
・三菱ふそう
三菱ふそうトラック・バス株式会社は1932年三菱重工の前身である三菱造船内でスタートしています。2024年の日野自動車との経営統合予定は無期限延期されています。
三菱ふそうの「スーパーグレート」は、1996年より四半世紀にわたって製造・販売している大型トラックです。安全性・経済性・快適性の高さ、さらに高出力・高トルクのエンジンを搭載しているスーパーグレートは、車両価格が比較的手ごろでドライバーの満足度を高めた大型トラックです。搭載するディーゼルエンジンは、燃費効率とパフォーマンスのバランスを追求して設計されており、長距離輸送や重い積載物の運搬に優れた性能を発揮します。
スーパーグレートの新車価格は約2,100万円～2,200万円です。
・UDトラックス
いすゞの子会社化されたUDトラックスは、過去にボルボグループにも属したことがあり、さまざまな技術を培って今に至り、グローバルな市場で広く評価されています。
UDトラックスの大型トラック「クオン」は、高性能なエンジンとトランスミッションを備えています。燃費効率の向上や低排出ガス性能にも注力しており、経済性と環境への配慮が両立されています。
また、AIを中心に先進的な安全技術である衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報、安定性制御システムなど、運転者の安全性を向上させるための機能が備わっています。クオンは、運転者の快適性と利便性にも配慮された設計がなされています。
クオンの新車価格は約1,800万円～1,900万円です。
大型トラックに関するQ&A
大型トラックに関してよくあるQ&Aです。
優秀な日本のトラックは海外でも人気があります。しかし、新車の高額価格が難点となり、中古大型トラックが引く手あまたの人気です。
・大型トラックの燃費はどのくらい？
大型トラックの燃費は4㎞／L前後。給油のロスタイムをなくすのと、地域によって燃料価格に差があるため、長距離走行が必要な大型トラックは大容量の燃料タンクを備える車両も多いです。
日野の大型トラック「プロフィア」は最大500Lの燃料タンクの装着が可能です。燃費の良さを売り物にしています。
・大型トラックは中古でも購入できる？
大型トラックは中古でも購入できます。平ボディ、ウイング、バンタイプ、ダンプなど各種の大型トラックが中古車市場で新しい引き取り先を待っています。
まとめ
積載量の大きな大型トラックは今後の少子高齢化にともなって、さらに深刻化するドライバー不足解消の一つの方法となるでしょう。
そして、大型トラックドライバーの収入は、小型・中型トラックドライバーの収入を上回ります。2024年問題で就業時間が短くなり、減ってしまった収入を増やす手段にもなりうるかもしれません。この先、大型トラックに注目してみてはいかがでしょうか。
トラックファイブは『豆知識』でこれからも皆様にさまざまな情報をお届けします。
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