車両系建設機械のホイールローダーとは? 活躍の場や免許取得方法などを解説
目次
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はじめに
車両系建設機械であるホイールローダーの活躍場所は建設現場だけではありません。
土木・建設工事のほか、林業、農業、鉱業、畜産業でも活躍し、冬季の除雪作業や最近では頻発する風水害・震災などの災害時の瓦礫撤去作業にも欠かせないものとなっています。
多くの分野で活躍し、人々の暮らしを支えるホイールローダーは、タイヤを装着しているので公道を走ることができます。小回りが利き、さまざまなタイプをラインナップするホイールローダーは、バケットで一度に大量の土砂や木材、たい肥や雪を移動させることが可能です。
今回の『豆知識』では、ホイールローダーの種類や特徴、必要な免許などをお伝えします。
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ホイールローダーとは
ホイールローダーは、舗装路ばかりか不整地の走行も得意な四輪駆動の建設機械です。ローダーは英語の「loader」、積込むという意味で、ホイール=タイヤで自走し、公道を走行することができます。
前輪と後輪の中間、ちょうど運転席の下あたりが左右に折れる中折れ式になっており、内輪差や外輪差がありません。前面に備えるバケットを使い、すくい取った土砂や雪をもちあげたまま自走して離れた場所に移動させることが可能です。また、アタッチメントの種類が豊富なことも特徴の一つで、地面の掘り下げができることも大きな特徴です。
アタッチメントをバケットからフォークに替えればパレットの運搬をフォークリフトのように行えます。さらに、道路の積雪を両端に押しのけ除雪するスノーブラウをはじめ、マルチブラウやスノーバケットなど除雪用アタッチメントも設定されています。他にも、畜産用として畜舎内作業用の畜産バケットや耐腐食性の亜鉛メッキバケット等があります。
ホイールローダーの用途・得意とする作業
ホイールローダーが得意とするのが積込み作業で、四輪駆動と小回りの良さからさまざまな場面でその能力を発揮しています。ここではその活躍場面を紹介します。
・積み込み作業
ホイールローダーのバケットは0.4㎥の小型サイズから大型の24㎥まであり、車両は小型ホイールローダーから大型ホイールローダーまでラインナップされています。
作業現場の大きさや、作業内容に合わせたサイズのホイールローダーを選ぶことが可能です。ユンボよりも大きいバケットは一度に大量の土砂をすくい上げ、ダンプに積むことが可能です。掘削作業の効率を上げることができます。
・運搬作業
ホイールローダーは掘削し、すくい上げたバケットを上げたまま走行することができます。自走して土砂をダンプに積み込みます。
アタッチメントをフォークに替えることによって固形の重量物やパレットの運搬も可能です。
走行速度は意外と速く、小型のものは15km/h程度、中型から大型は30~50km/h程度の速度が出せるものもあります。
・除雪作業
四輪駆動のホイールローダーはスリップを起こしにくいので、除雪作業に向いています。
除雪用アタッチメントのスノーブラウで押し出した雪は、側道に運び積み上げたり、ダンプに積み入れたりします。重量のあるホイールローダーは安定した除雪作業を行なえます。
・災害時の撤去作業
近年頻発する風水害や地震時の瓦礫等の撤去作業にホイールローダーは活躍しています。四輪駆動のホイールは舗装路でなくても進行、進入が可能です。瓦礫の撤去、ダンプへの積込み作業ばかりではありません。
ホイールローダーは、掘削作業や瓦礫を押しのけることもでき、整地作業も可能のため、災害後の復旧作業には欠かすことのできない建設機械です。
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ホイールローダーの種類
ローダーの名称を持つ3機種の特徴と違いを紹介します。
・ホイールローダー
ホイール式の四輪駆動で公道走行が可能です。車体中央あたりから前後に折れる中折れ式になっており内輪差や外輪差がありません。
そのため、小回りが利き建設作業現場、災害後の瓦礫処理作業現場、積雪後の除雪現場で自在に活躍できます。
・ショベルローダー
ショベルローダーは前輪駆動の後輪操舵式で、フォークリフトと同じ走行方式です。ホイールローダーと同様にバケットを使って建設現場での土砂のすくい上げ、ダンプへの積込み作業や農場でのたい肥の積込み、積雪時の除雪作業を行ないます。
しかし、ホイールローダーのように地表面から下の掘削ができません。あくまでも平地の土砂、たい肥、積雪などを押し進める作業を得意とします。
・スキッドステアローダー
スキッドステアローダーはクローラー式の小型ローダーです。横滑りを意味するスキッド、操舵を意味するステアが表わすとおり、このスキッドステアローダーには操舵を行う機構(ハンドル)がありません。
左右のクローラー(キャタピラー)の回転数(回転速度)や回転方向を変えることによって車両の方向を変えるという大きな特徴を持っています。小型で使い勝手の良さから農作業に使用されています。
ホイールローダーとブルドーザーの違い
一見よく似た形状のホイールローダーとブルドーザーですが、両者には大きな違いがあります。その違いによって得意作業が違っています。
まず一番の違いは足回りです。ホイールローダーは大きく頑丈なホイール(タイヤ)で足もとを固め、公道を走行することができます。ブルドーザーはクローラー(キャタピラー)を装着しています。
中折れ式の車体は操縦者のハンドル捌きで小気味よく作業現場内を自在に移動します。ブルドーザーは鋼鉄もしくは鋼鉄をゴムで覆ったクローラー(キャタピラー)を使って移動します。操舵機構を持たず(ハンドルがない)、左右のクローラーの回転速度と回転方向の差を利用して移動します。
そしてもう一つの違いはホイールローダーのバケットとブルドーザーのブレード(排土板)です。ホイールローダーは大きなバケットで土砂や堆積物をすくって移動、積込み作業が得意です。
ブルドーザーは力強いキャタピラーの動力を使い、ブレード(排土板)で土砂を押し出すことができ、整地作業が得意なのです
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ホイールローダーに必要な免許・資格
ホイールローダーを運転操作するために必要な資格は『車両系建設機械運転者』という資格になります。
公道走行が可能なホイールローダーにはそれぞれ小型特殊自動車免許、大型特殊自動車免許が必要になります。車両重量3tを境に変わります。
・3t以上の場合
3t以上のホイールローダーの運転操作には『車両系建設機械運転者』という資格が必要になります。
車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)とはブルドーザー、トラクターショベル、油圧ショベルなどの、動力を用いてかつ不特定の場所に自走できるものをいいます。
3t以上であれば「車両系建設機械(整地・運搬・積み込用及び掘削用)の運転に係る技能講習の受講が必要です。取得条件は年齢18歳以上。普通免許がなく、運転経験が6ヶ月以上ない場合、最長の受講時間は38時間になります。最短取得日数は5日間必要で、指定された日程での5日間連続での受講が求められます。自動車教習所のように空いた時間に講習の受けるというわけにはいきません。
大型・中型もしくは普通自動車免許を持ち、小型車両系建設機械運転特別教育を修了し、その運転業務経験が3ヶ月以上ある場合、最短の14時間、2日間で取得できます。
3t以上のホイールローダーの公道運転には大型特殊免許が必要になります。
・3t未満の場合
車両重量3t未満のホイールローダーを運転・操作するためには「車両系建設機械(整地・運搬・積み込用及び掘削用)の運転に係る特別教育」の受講が必要になります。この特別教育も都道府県の労働局長登録機関、または企業の事業所で実施されます。
「車両系建設機械(整地・運搬・積み込用及び掘削用)の走行に関する装置の構造及び取り扱いの方法に関する知識」という学科講習と実技実習があります。
それを合計12時間(2日間)以上の講習を受けることで、車両重量3t未満のホイールローダーを運転操作するための資格を取得できます。
加えて、この3t未満のホイールローダーの公道運転には小型特殊免許が必要になります。
ホイールローダーに関するよくある質問
下記はホイールローダーに関するよくある質問です。参考にご覧ください。
・ホイールローダーは中古でも購入できる?
もちろんホイールローダーの中古での購入は可能です。新車で数百万円代から一千万円代のホイールローダーを購入するなら、まずは中古という考え方があってもいいのかもしれません。
土砂や堆肥、雪などによる錆びやキズから逃れることのできないホイールローダーは中古を手に入れて、十分慣れた後に新車購入を検討することも一つの方法です。
・ホイールローダーの耐用年数は?
ホイールローダーの法定耐用年数は8年です。固定資産の減価償却の基準となる国税庁の定めた「耐用年数基準表」に基づいた年数になります。
実際の耐用年数(使用可能年数)はホイールローダーの働く作業環境や日々のメンテナンスによって変わってきます。
丁寧な管理を行い、日常や定期のメンテナンスを行なえば法定耐用年数である8年以上使用することは十分可能です。
・ホイールローダーはレンタルできる?
他の建設機械のレンタルが可能なように各種ホイールローダーもレンタルすることができます。
まとめ
ホイールローダーは油圧ショベルより大きな容量の土砂等を運搬することが可能です。重いものを積み込み、災害現場も含め、いろんな場面で活躍しています。
トラックファイブでは高価買取も行い、完成度の高い日本のホイールローダーを必要としている世界各地に送り出しています。
長年活躍したホイールローダーに第二の人生を歩ませてあげてください。
トラックファイブは『豆知識』でこれからも皆様にさまざまな情報をお届けします。
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