トラックロープを安全に、しかも簡単に結ぶ方法は?
目次
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はじめに
時代の変化に伴い世の中の要望は変わり、トラックの積荷も変わってきました。
荷物を平ボディの荷台に積載し、ロープを使ってさまざまな結び方で固定させるだけでは限界があります。
そして、必要に応じたさまざまな形状のボディを架装したトラックが誕生しました。
トラックロープを使っての固縛(こばく:かたくしばること)はトラック運送業に携わる者にとっては基本中の基本であり、安全作業、交通安全のためにもしっかり身に付けなければならない重要な知識です。
トラックロープの結び方は慣れるまで難しく感じますが、一度覚えてしまえば簡単な作業です。輸送時の作業のみならず、引っ越しの荷物整理やキャンプなどプライベートでも意外に役立つスキルとして使えます。
本記事では、トラックロープによく使われる素材を解説しながら、代表的な結び方をご紹介します。
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トラックロープの素材
トラックロープに求められるのは、強さと雨風に負けない耐久性です。
トラック用の荷台ロープの歴史は非常に長く、私たち人間とともに進化してきました。
現在では、もともとあった天然素材のものから大量生産が可能な化学繊維で作られたロープまであります。
ロープの素材は、主に以下の4種類が使われています。
・ビニロンロープ
ビニロンロープは数ある合繊ロープ(合成繊維ロープの略です)の一つです。
合繊ロープは工場で大量生産できるため、安価に製造ができます。
そして、高い強度が特徴です。
このビニロンロープはビニロン(原料はポリビニルアルコール)にポリエステルを混ぜているので、水に濡れて乾いた後でも縮んで硬くなることはありません。
様々な用途で使用できるため、どの素材のロープを使用するか迷っていたら、このビニロンロープを選択することをおすすめします。
そして、合繊ロープのなかでこのビニロンロープだけ水に沈みます。
・マニラロープ
マニラ麻のアバカという硬質天然繊維から作られている天然素材のロープです。
麻ロープとも呼ばれています。
トラックの荷締め・幌掛け用・固縛に古くから使われています。
マニラロープはトラックロープやカーロープとも呼ばれています。
マニラロープは天然素材なので、土中や水中で腐食し土に還っていきます。
合繊ロープにはない、この地球への優しさはSDGsに大きく貢献します。
そして麻を使っているので、水分を吸収しやすく伸びにくい特徴を持っています。
熱・摩擦・紫外線等に強く静電気を抑えてくれます。
・リキロンロープ
ポリエチレン素材の特性を生かした化学繊維のロープです。
作業効率を良くするために、ポリエチレンの糸(赤い糸)とポリエステルの糸(白い糸) を混ぜて作られた化学繊維混紡ロープです。
薄いオレンジ色が特徴です。
特徴はその軽さから作業性の良いロープであることです。また、縄梯子にも使われるほどの強靭な強度を持ち、結ぶ・ほどくことを繰り返してもロープが損耗しにくい特徴を持ちます。
どのような荷にも対応できるロープです。
・ポリプロピレンロープ
安価であり、軽量・強度に優れた、プラスチック素材の一つであるポリプロピレン製の合繊ロープです。
ポリプロピレン(PP)からPP(ピーピー)ロープとも呼ばれています。
このポリプロピレンロープは紫外線の影響を受けやすい特性を持っていますが、その欠点はロープの着色で解決しています。
水に濡れても硬くならないというドライバーに優しい特徴を持っているロープです。
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トラックロープの結(ゆ)い方
ロープは細い糸が数多く結(ゆ)われて1本のロープとなっています。
その束ね方、結い方によってロープの強度や、使用時における特性が変わります。
ロープ作りはまず1本の細い糸からスタートです。
一番細い原糸は複数本で撚(よ)られて撚糸(ねんし)となります。
そして撚糸はさらに数本で撚られてストランドとなり、最後の撚りの過程を経て1本のロープとなります。
ロープは細い糸が束(たば)ねられ、さまざまな結(ゆ)われ方で高い強度を保つことができます。
4種の結い方を以下でご紹介します。
・3打ち
3打ちロープ(または三つ撚りロープ)は、3本のストランド(撚り合わせた糸)で構成されています。
引張強度や耐久性が高いので、トラックの積荷の固縛に向いています。
他にもトラックロープとして向いている特徴として、耐候性の高さがあります。
紫外線や海水にも強く、トラック外部にさらされた状態での走行にも十分耐える強さを持っています。
・8打ち
2本のストランドを1組に組み合わせて、その4組を編んだものが8打ちです。
悪路やデコボコした道での運搬時の揺れや衝撃を吸収する能力が高いです。
これにより、積荷がダメージを受けるリスクは減少します。
そして、柔軟性があり、取り扱いやすいです。
結びやすく、ほどきやすいので、荷の積み降ろしが頻繁な場合にも便利です。
耐摩耗性にも優れており、長期間使用しても劣化しにくく、コストパフォーマンスが高いロープです。
・12打ち
12本のストランドで編まれているため、非常に柔軟で手触りも良いロープです。
積荷を傷つけにくく、高価な家具や表面の柔らかい荷の固縛に適しており、よじれにくさ、耐摩耗性、ショック吸収性に優れます。
デリケートな積荷の固縛に適していますが、強度に難があり、3打ちロープに比べると強度は約40%ダウンしてしまいます。
・16打ち
16本のストランドで編まれたロープであるため、よじれにくいのが特徴です。
ロープ表面がデコボコしていないので積荷にダメージを与えにくいです。
結びやすくほどきやすいので、頻繁な荷物の積み下ろしにも便利です。
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まとめ
トラックロープの誤った結び方は、荷崩れを起こして事故に繋がります。
荷崩れを決して起こさず、トラックドライバーの一番のミッションである交通安全を目指してください。
そのためには、ロープの特性を含めた知識を必ず習得してください。
そして、積荷と走行路に最適なロープを選んで快適な走行を心がけましょう。
トラックファイブは『豆知識』でこれからも皆様にさまざまな情報をお届けします。
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