トラッククレーンを運転するために必要な免許や資格を解説!
目次
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運転免許
トラッククレーンは、移動のためのトラックにクレーンを搭載もしくは、クレーンが一体となっています。
トラック走行用のディーゼルエンジンからPTOを介して油圧装置によってクレーン操作の作動を行っています。
トラッククレーンは公道を移動できますので、それぞれのトラッククレーンに応じた自動車運転免許がクレーン操作の免許の他に必要です。
普通免許
運転できるトラックは保有免許によって変わります。
過去二回の免許制度改定により限定されていますが、それぞれの普通免許で運転の出来るトラックは「8トン限定中型免許」と「5トン限定準中型免許」に限定されます。
そして現行の免許制度で運転できるトラックは、車両総重量3.5t未満で最大積載量2t未満のものとなります。
慣習的なトラックサイズの呼び方で、1t車・1.5t車になります。
中型免許
中型トラックのサイズは、道路交通法に定められた最大積載荷重は4.5t以上~6.5t未満、車両総重量は7.5t以上~11t未満となっています。
現行の道路交通法では免許制度が下記のように細分化されています。
免許区分 | 最大積載量 | 車両総重量 |
準中型免許(5t限定) | 3t未満 | 5t未満 |
準中型免許 | 4.5t未満 | 7.5t未満 |
中型免許(8t限定) | 5t未満 | 8t未満 |
中型免許 | 6.5t未満 | 11t未満 |
大型免許
道路交通法では中型トラックより大きい車両総重量 11トン以上最大積載量6.5トン以上を大型トラックと定められており、これを運転するためには大型自動車運転免許が必要となります。
このサイズのトラッククレーンの運転には大型免許が必要になります。
そして大型特殊免許や牽引免許を合わせて取得すれば活躍の場は広がります。
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クレーンの操縦に必要な免許
クレーン・デリック運転士(限定なし)
クレーン・デリック運転士免許(限定なし)は労働安全衛生法により定められた免許で、学科試験及び実技試験があります。
運転可能になるクレーンの種類は、天井クレーン、ジブクレーン、橋形クレーン、ガイデリック、スチフレッグデリック、ジンポールなどの各種クレーン、各種デリックの運転を認められます。
このクレーン・デリック運転士免許(限定なし)を取得すればすべてのクレーンとデリックが運転できるようになります。
少し古い資料ですが、2021年のクレーン・デリック運転士免許(限定なし)の合格率は65.9%にのぼります。
受験資格は不要です。
クレーン・デリック運転士免許(クレーン限定)
クレーン・デリック運転士免許(クレーン限定)は労働安全衛生法に定められています。
この免許に合格すれば、天井クレーンや橋形クレーンなどのクレーンの運転が可能になります。
2021年のクレーン・デリック運転士免許(クレーン限定)の合格率は57.7%であり、クレーン・デリック運転士免許(限定なし)よりも低い数値となっています。
受験資格は不要です。
クレーン・デリック運転士免許(床上運転式クレーン限定)
労働安全衛生法に定められた免許であるクレーン・デリック運転士免許(床上運転式限定)に合格すれば、5t以上の荷を床上から吊り上げ操作するクレーンの運転が許可されます。
5t未満の場合は、クレーン運転の特別教育を終了していることが必要です。
2021年のクレーン・デリック運転士免許(床上運転式限定)の合格率は45.5%であり、クレーン・デリック運転士免許の3種のなかで一番低い数値となっています。
受験資格は不要です。
移動式クレーン運転士免許
移動式クレーン運転士の免許も労働安全衛生法に定められた免許です。
移動式クレーン運転士の免許の取得によって吊り上げ荷重5t以上の移動式クレーンの操作・運転ができます。
ちなみに一般道の通行をするのには、当然ですが運転免許が必要になります。
受験資格は不要です。
揚貨装置運転士免許
船舶に取り付けられたクレーンやデリックのことを揚貨装置と言います。
こちらも労働安全衛生法に定められた免許である揚貨装置運転士に合格できれば5t以上の荷を床上から吊り上げ操作する揚貨装置の運転が可能です。
2021年の揚貨装置運転士免許の合格率は80.5%です。
受験資格は不要です。
玉掛け業務に必要な資格
小型移動式クレーン運転の特別教育
クレーン作業には玉掛業務が必須となります。
ユニック車などでは運転者(クレーン操作者)による玉掛業務はセットとなっているので、小型移動式クレーン運転の資格と玉掛業務に必要な資格はセットと考えてください。
吊り上げ荷重0.5t~1t未満のクレーンの運転操作には「小型移動式クレーン運転特別教育」の講習受講が労働安全衛生法により義務付けられています。
事故を起こさず安全に作業を行うための知識を得るための特別教育であり、誰でも受講できます。
小型移動式クレーン技能講習
労働安全衛生法により吊り上げ荷重が1t以上5t未満の場合に「小型移動式クレーン運転技能講習」の修了が必要です。
ちなみに「移動式クレーン運転士免許』の資格があれば、この講習を修了せずとも操縦の業務に従事できます。
玉掛け技能講習
各種クレーンによる揚重作業にこの玉掛けは必ず必要となります。
クレーンによる揚重・移動作業中に事故が起きれば、大事故につながる可能性が非常に高いです。
そんな事故を決して起こさないために、この玉掛け作業の講習はとても重要なものになります。
吊り上げ荷重1t以上のクレーンを使用して玉掛け作業を行う場合に、労働安全衛生法に定められた「玉掛け技能講習」を修了する必要があります。
9時間の学科講習と6時間の実技講習が必要になります。
この玉掛け作業資格も、労働災害を減らすために重要な作業手順を周知してもらうことを目的にしており、試験で落とすための技能講習ではありません。
玉掛け業務の特別教育
吊り上げ荷重が1t未満のクレーンによる玉掛け作業に必要な資格です。
玉掛けの作業に従事する作業員の方は、必ず指定された講習を受講し、資格を取得する必要があります。
この講習の受講は義務化されており、すべての作業員が自身の作業に対応する資格を取得しなければいけません。
5時間の学科講習と4時間の実技講習が必要です。
また、この講習の義務は作業員ばかりではなく、事業者には作業従事者へ受講させる義務があります。
事業者は、玉掛け作業に従事する従業員に対し、適切な講習を受講させなければなりません。
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まとめ
一般社団法人日本クレーン協会は、厚労省による「クレーン等安全規則の解説」によって移動式クレーンに含まれるトラッククレーンを、トラッククレーン、車両積載形トラッククレーン、レッカー形トラッククレーンに分類しています。
各種のトラッククレーンを運転するために必要な免許や資格をよくご理解していただき日々の作業を安心安全に行っていただきたいと思います。
トラックファイブは『豆知識』でこれからも皆様にさまざまな情報をお届けします。
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