トラックのDPF(排ガス浄化装置)を原因と対策も併せて解説
目次
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トラックのDPFとは?
排気ガス浄化装置DPFとは?
排気ガス浄化装置DPFとは「ディーゼル微粒子捕集フィルター」のことです。
DPF はDiesel Particulate Filter(ディーゼルパティキュレートフィルター)の略語です。
現行の自動車NOx・PM法にもとづき自動車から排出される窒素酸化物「NOx」及び粒子状物質「PM」(*以下PM)をフィルターに捕集して燃焼除去し、自動再生する装置です。
故障時の症状
DPFが故障するとNOx及びPMの捕集ができなくなり毒性がある排気ガスをそのまま大気に放出してしまいます。
そして排気ガスの有害成分の捕集ができなくなるばかりか、フィルターの自動再生も行われなくなってしまいます。
インジケータランプが点灯したら、DPFが故障しているということです。
メーカーによって呼び名が異なる
メーカーによって採用する排ガス浄化装置の種類が異なり、国内トラックメーカーの排ガス浄化装置は呼び名が異なっています。
一般的なDPFは定期的にPM捕集を行うフィルターを交換する必要があります。
メーカーによっては捕集フィルターに溜まったPMを燃焼させ再生させるタイプも存在します。
DPR(Diesel Particulate Active Reduction System)やDPD(Diesel Particulate Defuser)と呼ばれています。
各メーカーの排ガス浄化装置は下記のようになっています。
・三菱ふそうトラック・バス DPF(ディーゼルパティキュレートフィルター)
・いすゞ自動車 DPD(ディーゼルパティキュレートディフューザー)
・日野自動車 DPR(ディーゼルパティキュレートアクティブリダクションシステム)
・UDトラックス DPF(ユーディーパティキュレートクリーニング)
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トラックのDPF故障の原因と対策
原因①エンジンの回転数
トラックのDPFが故障する原因は捕集フィルターに溜まったPMを燃焼処分して自動再生させることができなくなることです。
自動再生はエンジンから出てくる排ガス熱を利用して行うためにエンジンの回転数が低いと捕集フィルターに溜まったPMを燃焼できずにDPFのつまりを起こしてしまい故障となってしまいます。
エンジンの回転数を上げることが難しい渋滞の多い地域などを普段走行していると捕集フィルターの自動再生ができなくなり故障の原因になってしまいます。
そのような場合には、意識的にエンジンの回転数を上げることができる道路をたまには選ぶことをお勧めします。
原因②排ガスの温度
排ガスの温度が十分に上がり切ることがない低速走行や、短距離の走行が多いとDPFの故障につながってしまいます。
自動再生であるセルフクリーニングが十分行われないことにつながってしまい、PMがフィルターに残り故障の原因となってしまいます。
走行方法や走行距離に注意することはDPFの健康状態を保つための対策となります。
原因③エンジンの始動停止・アイドリング
DPFにPMをためやすくしてしまう要因は、エンジンの回転数や排ガスの温度だけではありません。
エンジンの始動停止を頻繁に行うことやアイドリングの長さも関係してきます。
頻回にエンジンの始動停止を行うことは、排出されたPMが溜まり続けてDPFの故障の原因となります。
アイドリング中に自動再生であるセルフクリーニングは行えないのでPMが溜まってしまいます。
このこともDPFの故障の原因となります。
原因④経年劣化
どのような部品も経年劣化に打ち勝つことはできません。
このDPFに関しても同様のことが言えます。
高温でPMを燃焼させるDPFは経年劣化を避けることはできません。
長期間使用したDPFは高熱の影響で経年劣化してしまいます。
予防対策
高温の排ガス熱でPMを燃焼させる仕組みのDPFです。
DPF故障の予防のためには高熱が必要になります。
自動再生であるセルフクリーニングを上手に活用させるためには、定期的に高速道路を走って高熱の排ガスを通して予防対策としましょう。
DPFの故障は処罰の対象
道路交通法違反
DPF故障が発生したままのトラックでの走行は、整備不良として道路交通法で取締りの対象になります。
現行の自動車NOx・PM法は、もともと大気汚染防止法の特別措置法でのあった自動車NOx法からの流れで現在に続いています。
環境保全を避けて通ることのできない世の中となった現在、国交省は陸運支局に「迷惑黒煙相談窓口(黒煙110番)」を設けて黒煙対策に取り組んでいます。
車検に通らない
そしてDPFが故障したトラックは車検に通りません。
国交省の環境対策最前線基地でもある陸運支局は、トラックの車検を行う機関としての役割も持っています。
DPF故障が発生したままのトラックはPMを取り除くことはできません。
陸運支局は車検時に排ガス濃度測定を行って基準を満たしていないトラックを車検に通すことはありません。
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DPFのランプが点灯・点滅した場合
インジケータランプ
車両の状況や使用状態を知らせるための表示灯であるインジケータランプが点灯もしくは点滅した際には、すみやかにトラックを停めて、対処を行う必要があります。
点滅や点灯など光り方によって対処法が異なるので注意が必要です。
インジケータランプが点滅した場合、すみやかにトラックを停車させて対処することが望ましいのですが、公道を走っていてすぐに対応ができない場合の方が多いでしょう。
一般的にはどのメーカーの車種でも点滅してからから50km程度までは走行しても問題ないと言われています。
安全な場所にトラックを停車させてDPFを手動で再生作業を行う必要があります。
点滅したまま放置して走行続けDPFの手動再生作業を行わないと、インジケータランプは点灯に変わってしまいます。
その場合、メーカーによってはエンジン制御がかかり、走行速度が40~50㎞に落ちてしまいます。
そして手動での再生作業はできず、整備工場やディーラーへ持ち込んで修理が必要になります。
エンジンチェックランプ
エンジンチェックランプはエンジン制御系で何らかの異常を検知した際に点灯して知らせてくれるランプです。
エンジンチェックランプが点灯する主な原因は、O2センサーやエアフローセンサーなどのセンサー類の異常を検知した場合ですが、インジケータランプが同時に点灯している場合は、DPFの詰まりでガスの排気に異常をきたしてエンジンが警告をしている場合が多いです。
エンジンチェックランプが点灯した時には安全な場所にトラックを停車して整備工場やディーラーへ連絡しましょう。
修理費用の目安
トラックのDPF修理費用の目安を紹介します。
点滅したまま放置して走行続けDPFの手動での再生作業を行わないと、インジケータランプは点灯に変わってしまい、手動再生ができなくなると説明させていただきましたが、その際の修理費用は高額になる場合が多いので、以下を参考にしてください。
- 小型トラック DPF部品代(約40万円)及び工賃
- 中型トラック DPF部品代(約60万円)及び工賃
- 大型トラック DPF部品代(約100万円)及び工賃
まとめ
NOx・PM法という法で定められたルールに則ってDPFを常に健康な状態に保つことに必須です。
しかし経年劣化により、定期点検を続けて乗ってきたトラックに高額な費用がかかるDPFの修理や交換というタイミングがやってきてしまったら、乗り換えを考える時期なのかも知れません。
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