トラックのクラッチ調整は重要！滑りの原因や点検方法を解説
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トラックのクラッチ滑り
予兆
クラッチ滑りとはエンジンの動力がトランスミッションにうまく伝わっていない状態です。
クラッチを踏んでもなかなか切ることができない、上手く変速ができない、回転数を上げているのに速度が上がらないというような状況はすでにクラッチ滑りが起こっている状態です。
クラッチをつないだ時にそれまで感じなかった振動を感じたり、急に回転数が上がったり、変速できなかったりすることが予兆として現れます。
発生原因
クラッチ滑りの原因はクラッチディスクの摩耗であることがほとんどです。
クラッチディスクはブレーキディスクなどと同様に消耗品ですので普通に使用していても摩耗し、放っておくとクラッチ滑りを起こしてしまいます。
フライホイールにクラッチディスクを押し付けてエンジンの動力をトランスミッションに伝えるのでクラッチディスクが摩耗することは仕方のないことだと言えるでしょう。。
事故の可能性
クラッチ滑りを起こしたまま、調整を行うことなく走行を続ければ、当然のことながらクラッチディスクの摩耗は進んでしまいます。
そして、クラッチが切れない、または、うまくつながらない状態となってしまって、シフトチェンジでギアが入らずエンストを起こしてしまい、急減速を起こして追突などの事故につながってしまう可能性があります。
トラックばかりではないクラッチ滑りですが、渋滞した道路状況であるならば玉突き衝突などを起こすこともあり、非常に危険な状態を起こしてしまいます。
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クラッチ滑りにつながる行動
常にクラッチペダルを踏んだ状態
ドライバーの癖で常にクラッチに足をのせる方がいらっしゃいます。
この場合、意識しなくとも半クラッチの状態になっていることがあります。
このことがクラッチ滑りを起こしてしまう大きな原因となってしまっています。
必要以上の半クラッチがクラッチに悪影響を与えてしまうことはトラックドライバーの常識として気をつけていただきたいです。
必要以上のギアチェンジ
必要以上のギアチェンジもクラッチに負担をかけてしまいます。
ギアチェンジの際にどうしても半クラッチの状態が起きてしまいます。
そのたびにクラッチディスクはフライホイールと擦れ合って必要以上の摩耗をひき起こしてしまいます。
クラッチディスクを常に良い状態に保つために不必要なギアチェンジは避けましょう。
ディーゼルエンジンは回転数が落ちても乗用車のように簡単にエンストを起こすことはありません。
トラックの特性を知って必要以上のギアチェンジを行わない運転操作になれることが大切です。
半クラッチでの走行
トラックは乗用車と較べて重い自重のためにクラッチに負荷がかかりやすいです。
クラッチペダルはエンジンの動力をトランスミッションに伝えるもの、いわば調整弁（※1）のような役割を果たしています。
半クラッチでの走行はクラッチディスクがフライホイールとしっかり噛み合ってない状態であり、クラッチディスクを必要以上に摩耗させて寿命を縮めてしまっているのです。
クラッチディスクの平均寿命は走行距離10万㎞と言われています。
トラックのクラッチ操作になれることは、トラックのドライバーにとって早い段階での重要な関門かも知れません。
クラッチの点検
点検の頻度
クラッチの点検時期ですが、目安の一つは道路運送車両法で定められた3ヶ月毎の定期点検です。
トラックの安全運行と環境保全のために義務付けられた定期点検でクラッチの健康状態も確認してもらってください。
クラッチの寿命はあるものの、それは走行距離数、道路の状態、ドライバーの操作方法によって変わってきます。
そのために、もう一つの点検の時期は業務中の運転で異常を
感じたときです。
早ければ早いほど調整・修理費用は安価に済み、安全走行が可能になります。
点検方法
一番の検査基準は、日常の運転中に感じるドライバーの違和感でしょう。
クラッチは消耗品です。
急激な異変ではなく、徐々に劣化・変化は起こりますので、少しでもぎこちなさを感じたら確認してください。
意識的に行う点検は、アイドリング状態でクラッチを踏み込んで普段の踏み込み状態や異音等の確認です。
また、クラッチフルードの確認も行ってください。適正量かの確認を行い異常がないかを確かめてください。
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クラッチの調整方法
交換時期
消耗品であるクラッチは交換時期が来たら交換しなければなりません。
その時期の目安は走行距離で10万㎞、年数では6年～７年前後を目安に交換するように推奨されています。
しかしながら、ドライバーの運転の癖や走行時の環境（積載量、発進・停車の頻度、道路状況など）で交換時期は変わりますので、それを確認するためにも定期点検が重要になります。
調整頻度
安全走行、業務遂行のために健全なクラッチの状態を保つことはドライバーの重要かつ当然のミッションです。
調整を行う目安としてはクラッチ操作時に違和感を覚えるようになったタイミングです。
クラッチペダルの遊びが無くなる時や、つながりが悪くなった時です。
3ヶ月毎の定期点検はもちろんのこと、走行距離が多い場合には1ヶ月毎の点検が推奨されます。
調節方法
クラッチの踏みしろ（遊びの間隔）はトランスミッションに横にある「クラッチレリーズシリンダー（※2）」の調整が必要になります。
知識と経験があればドライバーでも調整は可能ですが、踏みしろではなくクラッチの不良状態かも知れません。
できれば整備工場での点検を含めての調整をされることをお勧めします。
日野レンジャー（中型トラック）などのクラッチ調整はプロに依頼
費用目安
クラッチは消耗品であることをよく認識していただき、必ず交換が必要な時期がくるので忘れないように覚えておきましょう。
そしてその時期は、トラックの使用状況やドライバーの運転方法によって変わってきます。
さらにはトラックの大きさによってエンジンの力は違い、クラッチの大きさや能力も変わってきます。
トラックの大きさによって費用が変わってくるということです。
中型トラック（4tトラック）の場合、クラッチ交換費用の目安は15万円～20万円ほどです。
プロへ調整・交換を依頼する場合には、前もって費用確認を行ってください。
依頼先
プロへのクラッチの調整・交換を依頼する場合には、ディーラーもしくは整備工場を選択することが可能です。
新車で購入したディーラーであれば保証を考慮し、長年の付き合いや整備期間の融通をきかせてもらえることなどを基準に選定したらよいでしょう。
どちらの費用が高くてどちらの費用が安いかは、見積りを取って比較していただくと間違いないです。
見積もり手順
まずはディーラーから見積もりを取ってください。
そして、それを目安として整備工場に見積依頼してください。可能であれば複数見積りを取って比較してください。
合計金額だけではなく見積り項目も比較して、項目の有無があればその都度確認をしてください。
金額が一番かも知れませんが、その業者の評判・口コミも参考にしてください。
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まとめ
クラッチは消耗品であるために調整・交換が必要であることを認識していただき、正しい運転操作がクラッチの寿命を延ばすということもよく認識してください。
多少知識があったとしても、トラックに重要なクラッチの調整・交換は整備工場に依頼していただくことが望ましいです。
整備が行き届いたトラックで日々、安全走行をしていただけることを祈念しています。
トラックファイブは『豆知識』でこれからもさまざまな情報を皆さまにお届けします。
※1：温度・圧力・水位などを調整するための弁。
※2：油圧式クラッチ回路の一種。エンジン及びミッションの間に備えられているものを指す。
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