あおりのないトレーラーで荷物を支える「スタンション」とは

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スタンショントレーラーとは?

スタンションは棒の意味

スタンションは主にトレーラー側部などに立っている積荷の落下を防ぐ支柱のことです。

スタンションは英語でstanchion、柱や支柱という意味です。

トレーラーは重量物、長尺物などの通常のトラックでは運ぶことが困難な積荷を輸送します。

左右のカーブでは遠心力によって重量物や長尺物などの積荷は落下する危険性が出てきます。

材木・鉄管・土管のような積荷はその形から支えが無ければ簡単に荷崩れを起こしてしまいます。

ロープやワイヤーでの固縛だけでは支えきれない積荷を、鋼鉄製の棒であるスタンションが支えてくれます。

 

安全性

どんな積荷でも運ぶことが運送業のミッションですが、それには決められた時間を守ること、そして事故無く安全に届けるという大前提があります。

重い積荷が架台内で揺れ動くことはドライバーの安全運転を妨げてしまいます。

長尺物で揺れ動く可能性がある円柱型の木材・鉄管・土管などを、スタンションはしっかり固定して落下を防ぎ、ドライバーに安全と安心を与えてくれます。

 

取り外し可能

スタンションは架台に常時固定されているわけではありません。

架台上側部・最端部・中央付近にスタンションを取り付ける穴があり、積荷の量や形状によってスタンションを立てる位置を変えることができます。

また、応じて取り外したままの状態での走行も可能です。

 

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スタンションの役割

荷物の落下防止

スタンションの重要な役割の一つに積荷の落下防止があります。

トレーラーが輸送しなければならない積荷には、さまざまな形状・大きさ・重さのものがあります。

安全性を重視すればバンタイプの車両での運搬が理想ですが、どんな形状の積荷もバンボディに積込むことができるわけではありません。

長尺物で、しかも重量がある木材・鉄管・土管は、天井がないトレーラーのフラットな架台にクレーンやフォークリフトで積み込むことが一般的です。

そこで重要なのが積荷の固縛です。

スタンションで左右は固定され、転がり落ちたり、動いたりすることなく荷物の落下防止を約束してくれます。

 

貨物の保護

運送業における貨物の保護は非常に大きなミッションの一つです。

お預かりした積荷が固定できず、架台内で揺れ動くことは大事な積荷に損傷を与える危険性があります。

しっかり固定して、落下防止を行うこともスタンションは約束してくれます。

木材・鉄管・土管のような円柱形の積荷ばかりでなく、建築や土木大型構造物に使う鉄骨などを、落下や損傷することなく保護して輸送するためにスタンションは必要不可欠なものです。

 

荷降ろしの利便性

スタンション型セミトレーラーには当然屋根はありません。

青空天井の架台に積んだ重い積荷や長尺物の積荷は、クレーンを利用することで積載時や荷降ろし時に不便なくスムーズに作業を行うことができます。

積荷によっては荷降ろしの途中にスタンションを取り外すことで、なお荷降ろしが行いやすくなります。

取り外しが可能なスタンションは荷降ろしの利便性を高くしてくれます。

 

スタンション型はセミトレーラーの1種

車両制限令(※1)における特殊車両には「車両の構造が特殊」なものと「積載する貨物が特殊」なものがあります。

その中でも「車両の構造が特殊」なものの中で「特例8車種」と呼ばれるセミトレーラー連結車とフルトレーラー連結車があります。

これは物流を効率化しつつ安全性を確保するために設けられた制度であり、スタンション型はこのセミトレーラーの中の1種です。

スタンション型以外の7種は以下のセミトレーラーです。

 

あおり型

貨物の落下を防ぐ十分強度を有するあおり型トレーラーです。

固縛を前提したタイプのあおり型は雑貨など、固縛を前提としないタイプはスクラップなどの運搬を行います。

 

船底型

船底型は「船底」のように架台の底がへこんだ形をしています。

貨物の落下を防止するために十分な深さと、強度のある貨物の支え台及び固縛装置があり、鋼鉄のコイルなどの運搬を行います。

 

コンテナ型

海上コンテナ輸送の専用セミトレーラーです。

海上コンテナのサイズはトレーラーの成り立ちと関連しています。

海上コンテナの寸法と重量に合わせて設計されており、20フィート(6m)と40フィート(12m)のコンテナ及び45フィート(13.5m)サイズに対応しています。

 

バン型

一般のトラックのバンボディと同様です。

バン型、ウィング型、冷凍冷蔵型などが一般のトラックと同じようにあります。

 

タンク型

燃料、化学薬品など液体の原材料や製品の輸送に使用されます。

粉粒体に対応するバルク車タイプもあり、タンク型は2種類に分けられます。

 

自動車運搬型

セミトレーラーのキャリアカー版である自動車運搬型です。

一台でも多くの車両を運搬するために、トラクター上部にまで自動車を載せることができる自動車運搬型セミトレーラーもあります。

 

幌型

幌型セミトレーラーは屋根である幌が軽量であるため、積載量を大きく減らすことがありません。

幌を外すか、ずらして運搬物をクレーンやリフトを使用して積み込むことが可能な優れものです。

 

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トレーラー以外のスタンション利用

スタンションの取り付け穴があれば可能

スタンションは取り外しが可能な鋼製の支柱です。

架台床に取り付け穴さえ設置できればスタンションの利用は可能です。

この便利なスタンションがあるトラックはトレーラーばかりではないです。

事業主やドライバーの考え方次第ですが、積荷の形状や積み込み・荷下ろしの利便性を考慮したうえで必要に応じてスタンションを利用できます。

新車発注時にメーカーとよく打合せして、オプションでスタンションが使用出来る取り付け穴の設置が可能です。

 

どんなトラックで利用できる?

ウィング車や平ボディ車での取り付けも可能で、スタンションを利用することで荷台を仕切ることが可能となり、一つの荷台を分割して使えるようにすることもできます。

転がりやすい積荷を固定するためや、荷台の左右バランスを平均化するために利用も可能です。

考え方ひとつで効率性と安全性の双方を高めることが可能になります。

 

まとめ

あおりのないセミトレーラーで荷物を支えるスタンションは、安全はもとより仕事の効率を高めてくれる優れものです。

必要時だけ使用するスタンションは最大積載量に大きく影響することなく、積荷によって使用方法を変えることもできます。

この先も課題である「働き方改革」にも一役買ってくれることでしょう。

このスタンションの利用をぜひ検討してみたいものですね。

 

トラックファイブは『豆知識』でこれからも皆様にさまざまな情報をお届けします。

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※1:道路の構造を保全し、交通の危険を防止するため、道路を通行する車両の大きさや重さの最高限度(一般的制限値)(参考:NEXCO中日本)

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