トラックの重要パーツである「アオリ」の劣化原因・修理を徹底解説
目次
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トラックのアオリの役割とは?
積載物の落下防止
貨物自動車であるトラックに必要不可欠な架装部品の一つが「アオリ」です。
アオリの一番重要な役割はお客様から預かった大切な積荷の落下防止です。
重量物である積荷、数ある積荷をいくらロープで固縛しようとも走行中の長時間の振動やカーブで緩まないとは限りません。
アオリの存在は積荷を架台内に固定させて走行中の落下を防ぎます。
キャビン後部は頑丈な鳥居が積荷を支え、左右側部や後部ではアオリが積荷をしっかり支えて固定し、トラックの安定した走行を約束してくれます。
荷役性UP
アオリは左右側部も後部も蝶番(開き戸・開き蓋などの開く金具)によって開閉が可能です。
荷物の積込み時やそれらを降ろす際にはアオリを降ろすことによって、後部もしくは左右側部から積込みも荷降ろしも可能となり荷役性がUPします。
加えて、パレット積みが可能になり、フォークリフトを使用することによってさらに荷役性が向上します。
このことによってドライバーが手積みを強要されることはなくない、運転に専念することができます。
車両のルックス
アオリはトラックの顔です。
トラックのアオリにはさまざまなデザインがあり、構造的に強度を増すばかりではなく、トラックのルックスを変えてくれます。
ここでは4つのタイプをご紹介します。
「板チョコ」はその名称の通り板チョコの形状をしています。格子状のスタイルは軽量化と強度を同時に維持するアオリです。
「額縁(がくぶち)」も名称通りのスタイルのアオリです。
補強材がアオリを縁取って額縁状になっています。
「船底(ふなぞこ)」はアオリの底から荷台の底に向かった傾斜がつけられているタイプ。
砂のような流動体を運び、架台下部が船底のように曲線を描いています。
後方一方開ゲートタイプが多く、ダンプアップ時に搬出物を残しにくい特徴があります。
「面一(つらいち)」はあおりの外面に凹凸が無いフラットなデザインです。
トラックにドレスアップも可能な、車両のルックスを大きく変えることが可能なタイプです。
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アオリが痛む原因
サビ
アオリが痛む原因としてはサビの放置が大きいです。
平ボディ、ダンプトラック、ウイングボディのいずれにしても、アオリは外部と必ず接触しており、風雨やほこりなどにさらされています。
そして、走行中の積載物の振動や積込み時の擦れは塗装を落としてしまいサビを発生させやすい環境を作ってしまいます。
地肌を外部にさらした金属製のアオリはサビやすくなり、アオリを痛める原因になってしまいます。
経年劣化
経年劣化もアオリが痛む原因となります。
長年の使用によって経年劣化が起こります。
それは真面目に仕事をしてくれたアオリのおかげなのです。
走行中に重い荷を支えるなか小刻みな振動で金属製のアオリは、接合部や蝶番部分が擦れて摩耗を起こします。
経年劣化は避けられないことですが、機械油やグリスを注油したり、部品交換を行ったりすることで寿命を延ばすことが可能です。
積み下ろし時や走行による振動
積み下ろし時や走行による振動はアオリに大きな影響を与えます。。
トラックが停車して、エンジンを止めている時間以外、振動はずっとアオリに伝わります。
しっかりした塗装、注油やグリスアップで、結合部分や蝶番部分の摩耗は防ぐことはある程度可能ですが、完全に防ぐことは不可能です。
また荷物の積込みや荷下ろし時にぶつけたり、擦ったりと作業中の微細なトラブルは仕方のないことです。
しかしながら、この「微細」の積み上げがアオリを痛める原因となってしまっています。
アオリの素材で予防
ステンレス
アオリの損傷を少なくして長持ちさせるには、アオリの素材を選ぶことも対策の一つです。
ただ、その際には費用対効果を十分に検討する必要があります。
ステンレスはご存じのようにサビにくく、傷もつきにくい素材です。
ステンレス製のよく洗車された輝くシルバー色は、働くトラックのイメージアップにつながり、お客様に対しての企業イメージも高めてくれます。
ステンレスは、腐食に強いクロムに鉄を含ませた合金ですが、長く良い状態で維持するには日頃の洗車や手入れが必要です。
そして費用は高額になります。
鉄
鉄素材のアオリは平ボディやダンプトラックにおいて一般的だと言えるでしょう。
加工しやすく、塗装も好みで行うことが可能です。
しかしながら、その重量はトラックが大きくなればなるほど大きくなってしまいます。
大型トラックでは男性1名でも側面のあおりの開閉は危険な場合があります。
そのために数々の開閉補助器具が開発されており、女性も一人で楽に開閉が可能になっています。
鉄素材のアオリはサビやすいため、普段からの洗車やメンテナンスなどが必要です。
もちろん、塗装は行いますが、荷物の積み込み・荷下ろし時や運送時の傷から腐食が始まってしまいます。
木
木製アオリは木だけで組み立てられたアオリではありません。
鉄製やステンレス製のアオリ枠とともに製作されたアオリです。
全てが金属製のアオリより重量が軽くなるので、その分だけ最大積載量を稼げるというメリットがあります。
そして、木素材は鉄素材が持つ固さが無く積荷に優しいメリットがあります。
重量は軽く、一番加工しやすい素材であり、当然価格も一番安くなります。
しかしながら、耐久性では一番劣ってしまい、重量物の運搬には不向きです。
農業・牧畜用の飼料や干草などの運搬には向いています。
アルミ
アルミ製アオリは、鉄製アオリが持つサビやすいデメリットを解決し、さらに軽量であるメリットがあります。
アオリの軽量化はトラックで重要な最大積載量を増やすことができます。
事業主にとっては一番気になるところでしょう。
アルミの価格は安くはありませんが、加工しやすい素材なので、事業主の要望にも応えやすい素材です。
軽いアルミ製のアオリは開閉がしやすくドライバーに優しいアオリです。
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修理費用について
アオリ周辺のパーツの場合
荷物の積込み・荷下ろしに注意を払っていても、軽微な接触事故は日常的に起こりうる可能性があります。
またアオリは走行中に常時外気にさらされます。
四季を通しての寒気や強い陽射し、大雨や大風に耐えて荷を運送するトラックのアオリは経年劣化を起こす消耗品として考えて使用する必要があるかも知れません。
その場合、まず傷みが起きてくるのは蝶番等の開閉に関係する可動部品となるでしょう。
蝶番、エビ金ハンドル/バネカン、アオリハンドル、アオリ受け金等の各部品の価格はどれもが数千円台です。
交換が必要な個数の金額と取替工賃が最低必要になる金額です。
そして腐食箇所の補修、タッチアップも必要となりますが、早めに修理することで数万円台の費用見込みにとどまるでしょう。
しかし、個々のケースで金額は変わりますので、必要時に見積りを取って確認することが必要です。
アオリ本体の場合
腐食や損傷が激しい場合にはアオリ本体の交換が必要です。
この場合には高額になり、工賃まで含めて一枚で10万円を超える場合もあります。
やはり見積りを取って価格を確認する必要があります。
まとめ
貨物輸送がミッションのトラックにとって、アオリは部品界のエースです。
もともと丈夫な素材を用い、丈夫に作られています。
日々の使い方、洗車やメンテナンスでその寿命は変わります。
大切な愛車の大切な部品であるアオリです。
万が一、その愛車を手放す時が来た時には買い上げ価格の査定に大きく響く目立つ箇所です。
その時のためにも日常の取り扱いには十分ご注意ください。
そしてその時には是非、トラックファイブにお声かけください。
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