トラックのパネルバンとは?種類や特徴を解説

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トラックのパネルバンとは

パネルバンとは?

トラックのパネルバンとは貨物車両として一番のミッションである積荷の輸送機能を高度化させた荷台をパネルで覆ったトラックのことです。

荷台にパネルで囲われた荷室を作ることで積荷は外気から遮断され、降雨・降雪などで濡れて積荷を濡らすことはありません。

夏期の直射日光や冬期の寒気に影響されることも無く、積みの品質維持にも心配をする必要もありません。

そして、施錠をすることによって盗難の心配をする必要がないこともパネルバンの大きな力です。

 

パネルバンの一般的な構造

パネルバンの一般的な構造は、トラックの荷台部分にパネル製のコンテナを搭載した形状と、理解していただければ分かりやすいかと思います。

パネルは耐腐蝕性と最大積載量をあまり減らさない軽量金属という理由でアルミが採用されることが多いです。

アルミ板はコルゲート状に加工して強度を高めたタイプもあれば、平板のままで利用されるタイプもあります。

積荷を輸送中の風雨・日照・極寒から守るために、アルミの外パネルの内側にはベニヤ板を張り、断熱効果を高め、積荷に傷がつかないようにしたタイプが一般的です。

そして開口部は後部に観音開かシャッター式の扉を備えたり、左右にドア式の扉を装備するパネルバンも少なくありません。

 

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パネルバンの代表的車種

アルミバン

パネルバンの外装(外壁)がアルミ板のタイプです。

アルミは軽量金属なのでバンへの架装を行っても最大積載量を減らすことを最小限にとどめることができます。

そしてアルミ板はコルゲート加工されたタイプと平板タイプがあります。

強度的にはコルゲート加工のほうが強く、平板のアルミ板のほうが若干重量は軽くなります。

 

ドライバン

ドライバンとは特殊な機能を備えていない一般的なパネルバンです。

パネル外装(外壁)はアルミのコルゲート加工板かアルミの平版です。

内装(内壁)にはベニヤ板を張り、優しく積荷を受け入れることができます。

一般的なこのドライバンは使い勝手がよく、輸送用トラックの主流になっています。

 

冷凍車

パネルバンの冷凍車は荷室の断熱効果を高めて冷凍機能を装備しています。

低温を維持にすることによって、鮮魚や冷凍食品を産地や工場から品質を落とすことなく日本各地に輸送できるのです。

冷凍車の冷凍方式は、機械式・液体窒素式・蓄冷式などがあります。

 

保冷車

保冷車は、バンボディ部分に冷却機能が付いておらず、バンボディ外装の断熱構造により一定時間積荷の温度を保つことができるトラックです。

クーラーボックスと同じだとイメージしていただければ分かりやすいと思います。

長距離(長時間)の輸送には向きませんが、一定の時間、温度を維持できるタイプのパネルバンです。

 

パネルバンのメリット

積荷を外気から防御

積荷の品質に大きな影響をあたえるのは、気候による暑さ・寒さ、強い直射日光や雨風になります。

これら外気の影響から積み荷を守ることができるのがパネルバンの大きなメリットです。

アルミや強化プラスチックの外装は、断熱材を挟んだサンドイッチ構造になっていて外気と荷室内を遮断します。

箱型の空間は完全な密室になっていて、外気の変化には関係無く温度を維持しながら、雨雪はもとより、ホコリにも影響されることなく積荷は輸送されます。

 

積荷の落下リスク

平ボディタイプのトラックでは、どんなにしっかりロープで固縛していても積荷の落下リスクはゼロとは言い切れません。

パネルバンは荷を積み込んだ荷室をトラックが運ぶのと同じことです。

しっかり後部や側部の開口扉を閉めておけば、積荷の落下リスクは非常に小さなものとなります。

簡単に施錠ができるパネルバンは、市街地での小物積荷の配達業務において落下ばかりか盗難リスクも大きく減らすことができます。

 

側面の活用

パネルバンの側面や後部はかなりの面積があります。

日本全国を走るトラックは「走る広告」として利用することができます。

ペインティングやラッピングで自社の宣伝、連絡先の電話番号を入れ、目を惹く写真や絵画を載せることができます。

そのペインティングやラッピングの方法で、トラックの走行に輸送だけではない付加価値を加えることができます。

 

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パネルバンのデメリット

積み卸しの負担

パネルバンにもデメリットはあります。

メリットがあるがためのデメリットとも言えるかも知れません。

まずは荷物の積み卸し時に、平ボディタイプやウイングボディタイプのトラックのようには、容易にいかない負担があります。

後方部・側面にある扉が、荷物の積み卸し場所に限定されてしまいます。

平ボディタイプやウイングボディタイプのトラックのように、側面のあおりを降ろしてしまい、フォークリフトで荷を積み入れることはできません。

カゴ台車を使っての積み卸しが一番効率よくなるかも知れませんが、別途カゴ台車からの積み卸し作業が発生してしまいます。

 

積載量が少量

パネルバンは平ボディよりも架装したバンの重量分だけ重くなってしまいます。

その重量分だけ積載量が減ってしまいます。

そしてパネルバンは、そのバン内に積荷を納めなければなりません。

平ボディのように荷台からはみ出しの融通が利かないのです。

現行の「積載物の大きさ制限」による制限外積載許可申請が不要である車体長の1.2倍、車体幅の1.2倍、地上高3.8mまで積載可能なルールを利用することもできません。

 

架装の準備時間

パネルバンは架装専業メーカーによって架装されます。

トラックメーカーが製造するのはシャーシ部分です。

架装メーカーでのパネルバンへの加工には時間がかかります。

架装を行う人材不足が一番の理由のようですが、それに反してパネルバンでの安心安全な輸送は、発注者や一般消費者から求められるようになっています。

パネルバンの人気は架装にかかる時間をさらに引き延ばしています。

 

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パネルバンの代表的車種

エルフ(いすゞ)

1916年創業、日本で最古の自動車メーカーいすゞ自動車の小型トラックエルフです。

2023年「グッドデザイン賞」を受賞したエルフは、標準ボディだけではなく、セミロング・ロング・超ロングまでの小型トラックを揃えてさまざまなニーズに対応しています。

そして小型電気トラック「ELF-EV」を新たに投入しています。

エルフのパネルバンは短距離輸送、市街地での小口配送で活躍しています。

小回りが利き、配達時には扉の簡単な施錠で盗難を防止でき、ドライバーの負担を減らすパネルバンです。

 

ハイゼットトラック(ダイハツ)

ダイハツ工業のハイゼットトラックは1960年に発売され、今なお人気の軽トラックです。

ハイゼットトラックのパネルバンは個人商店の仕入れ用トラックであったり、郵便局の各ポストからの取集業務用特装車であったり、さまざまな場面で活躍しています。

機械式冷凍設備を備えた冷凍車は、その荷室の小ささから個人商店の鮮魚店で人気があるパネルバンです。

 

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まとめ

世の中の流れとともに高品質が様々な製品に求められるようになっています。

そのような流れの中での物流も、配送する商品には最大限の配慮を持って輸送を行わなければなりません。

パネルバンは大切な商品を守ります。

非常に有能なパネルバンを最大限にその能力を引き出して高品質な輸送を行っていっていただきたいと思います。

 

トラックファイブは『豆知識』でこれからも皆さまに様々な情報をお届けします。

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