原因解明!トラックのエアコンが効かないときの対処法
目次
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トラックのエアコンの仕組み
冷房
トラックのエアコンの仕組みは冷房と暖房では異なります。
冷房はエアコン内部にあるコンプレッサー内に注入されている冷媒ガスが冷房の源となっています。
この冷媒ガスはコンプレッサー内では半液体になっています。
そして、コンデンサーファンで冷やされることによって液体化します。
本来のガスに戻る時に気化熱によって周囲の物資や空気から熱を奪います。
そして冷媒ガスはエバポレーター内を通り冷却します。そのエバポレーターをくぐり抜けた空気は冷やされ、除湿もされてファンによって車内に送り込まれて冷房となっているのです。
暖房
暖房の源は熱の塊であるエンジンです。
その熱いエンジンを冷ますためにラジエターが備わり、エンジンの熱を奪い高熱となったラジエター液はラジエター内で走行時に起きる風で冷やされます。
この高熱のラジエター液はヒーターコアという装置を通過し、ウォーターバルブによって量を調整してヒーターコアが適度な高温になります。そこをファンで送り込まれた空気が通過して温風となりキャビン内に流れ出るのです。
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季節や環境を踏まえて使い分け
外気導入
トラックのカーエアコンも外気導入を行うことができます。
外気導入をすることによって新鮮な外部の空気を取り込むことができ、湿度が高いキャビン内のフロントガラスの曇りを、外部の乾燥した空気を取り入れることで解消するメリットがあります。
しかし、外部の空気を取り入れることは、場合によっては排気ガスや臭気まで取り込んでしまうデメリットもあります。
夏場のクーラー使用時にはエンジンの力も使うので燃費を悪化させる原因になることもあります。
内気循環
内気循環は外部の空気の流入を防ぎ、キャビン内の空気を循環させてヒーターやクーラーに利用します。
外部からの排気ガスも臭気もシャットアウトできて、ヒーターやクーラーを早く効かせるメリットはありますが、キャビン内の空気を再利用し続けることになりますので二酸化炭素濃度が上がったり、こもった空気でガラスが曇ったりするデメリットもあります。
内気循環する時は、時々、外気導入か窓を開けて新鮮な外部の空気を取り入れる必要があります。
故障の原因と対処法【冷房】
エアコンガスの漏れ
万が一、冷房が故障した場合に考えられる原因と対処法です。
冷房の調子が悪い場合の原因で、まず疑うのはエアコンガス(冷媒ガス)の漏れや不足です。
エアコン内のコンプレッサーに注入されているエアコンガス(冷媒ガス)が、何らかの原因で漏れたり不足すればエアコンの効きは悪くなったり、効かなくなってしまいます。
エアコンを作動させてエンジンルームのサイトグラスをのぞけば、液体の流れや気泡の有無でエアコンガスの量を確認できます。
ディーラーや整備工場でガスの補充はしてもらえます。
緊急を要する場合にはガソリンスタンドでも補充可能な場合もあります。
しかし、補充はあくまでも応急処置です。
プロである整備士に必ずガス漏れの原因を突き止めてもらってください。
コンプレッサーの不具合
コンプレッサーが正常に作動していないこともエアコンの故障原因になることがあります。
エアコンのスイッチを入れてもコンプレッサーの音がしない、異音がするなどいつもと違う状態の場合には故障の可能性があります。
エアコンガス(冷媒ガス)の漏れや不足が確認できない場合もコンプレッサーの異常を疑ってください。
整備工場の整備士の判断となりますが、コンプレッサーに異常があるのであればコンプレッサーを取り替えなくてならないこともあります。
多少の費用はかかってしまいますが、コンプレッサーの交換をして快適な運転・業務に当たってください。
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故障の原因と対処法【暖房】
冷却水が不足
続いて暖房の故障原因と対処法です。
暖房の故障原因にはまずは「冷却水が少ない」ことを疑ってみてください。
エンジンを冷やすための冷却水がエンジンまで回っていない可能性があります。
これは暖房の故障のみならず、エンジン故障のような重大故障の疑いがありますので早急な対応が必要になります。
エンジンがオーバーヒートを起こしてしまう可能性があります。
冷却水であるラジエター液を補充する必要がありますが、減少してしまった原因をチェックすることの方が重要事項となります。
ラジエター液の補充はガソリンスタンドでもできますが、ディーラーや整備工場でしっかりした点検を受けて冷却水が少なくなってしまった原因を追究し、修理・整備を行ってください。
サーモスタットの不具合
冷却水が十分あるのに暖房が効かない場合には、サーモスタットが正常に作動していない可能性もあります。
サーモスタットは温度を調整するための装置です。
暖房として設定された温度付近に保つ働きをサーモスタットは行っています。
温度が下がればスイッチは「ON」状態になり、温度が高くなればスイッチを「OFF」状態にする役目をサーモスタットは担っています。
サーモスタットの不調や故障は整備工場での修理が必要です。
プロである整備士に任せてください。
冷暖房に共通する「汚れ」
汚れの原因
冷房・暖房に共通する「汚れ」があります。冷房・暖房ともにエバポレーターを通過してキャビン内に空気を送り込むのですが、エバポレーターとその手前にあるフィルターに汚れが溜まってしまいます。
汚れの原因は外部から取り込む空気で、ホコリもあれば排気ガスもあり、これらの汚れは避けることができないものなのでフィルターが装備されているのです。
そしてこのホコリとエバポレーターが除去する湿度が原因となってエバポレーターやフィルターにカビが発生することがあります。
対策
汚れに対する対策は、ドライバーのエアコン使用方法と、定期的な点検とそれに伴う清掃になります。
冬場はエアコンのスイッチ「A/C」を入れない方もいらっしゃると思いますが、時々「A/C」のスイッチを入れて除湿することを心がけてください。
フィルターやエバポレーターを湿った状態にしておかないことがカビへの対策になるでしょう。
ドライバーが簡単にできる対策方法の一つとして、フィルターの定期的な点検と洗浄もあります。
洗浄や修理
暖房・冷房に共通でエアコンの定期的な点検と洗浄が、心地よくエアコンを使用し、エアコンの寿命を長くする秘訣になります。
エアコン内部の汚れを放置しておくと風力は弱まり、効きも悪くなってしまいます。
挙句の果てにはカビが発生して健康への害も懸念されます。
フィルターやエバポレーターの洗浄は素人には限界があります。
ひどい汚れの場合には整備工場や専門の業者に任せてください。
それでも改善しない場合には、サーモスタットなど機器の不良・不具合が考えられますので、その場合も整備工場に相談してください。
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まとめ
キャビン内で過ごす時間が長いドライバーにとって、キャビン内を心地よい空間とするためにはエアコンは非常に大切なものになります。
日々の使用方法と定期的な点検が、いつまでも気持ちよくエアコンを使っていただくために必要です。
またキャビン内はドライバーだけのものではありません。
誰かを同乗させる際に、自身では気付かない臭いや滞った空気で不快な思いをさせないようにするのはドライバーのエチケットです。
ちょっとした気遣いをしてみませんか。
トラックファイブは『豆知識』でこれからも皆さまにさまざまな情報をお届けします。
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