クレーン車とは?種類と代表的な5社を紹介

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クレーン車について

主な使用用途

クレーン車の主な使用目的はさまざまです。

クレーン車は重い荷の移動というミッションがあれば、どこにでも移動してそのミッションを果たします。

建築・土木の建設現場においては、固定式のクレーンを据えて荷を吊上げて水平移動を行い、人力の何十倍・何百倍にも作業効率を上げることができますが、どうしてもその固定式クレーンが届かない場合やスポットで必要な場合にはクレーン車に出動要請をかけます。

建設現場で使用されることが多いですが、引っ越し時の重量物(ピアノなど)の移動や、港湾での船からの荷降ろしや荷積で埠頭に据え付けられたクレーンで作業ができない場合に使用されることもあります。

 

基本的な構造

一般社団法人日本クレーン協会ではクレーン車を含む移動式クレーンの定義を「荷を、動力を用いて吊り上げ、これを水平に運搬することを目的とする機械装置で、原動機を内蔵し、かつ、不特定の場所に移動させることができるもの」としています。

基本的な構造は移動のためのホイール、クローラー(キャタピラー)、もしくはトラック機能を下部に備えます。

その上部に、ワイヤーを使って動力で吊り上げを行うクレーン装置と、油圧で伸び縮みして水平移動を可能にするジブが備わっています。

 

クレーン車の歴史

世界最古のクレーンは、紀元前3000年頃メソポタミアで発明され灌漑に用いられた「はね釣瓶」と言われています。

日本でも井戸水を汲むために、はね釣瓶をはじめとしてさまざまな釣瓶が使われてきました。

クレーン車はアメリカで19世紀末に開発された自走式パワーショベルからスタートしており、フロントアタッチメントとしてクレーンを装着したものがクレーン車の始まりとされています。

日本では第二次世界大戦後、進駐軍からの払い下げなどアメリカ製のクレーンが中心でしたが、昭和30年代に多田野鉄工所(現タダノ)が広島日産を通じて日通の依頼で、2t吊り油圧トラッククレーンを開発したことが日本のクレーン車の歴史のスタートとなりました。

【参考】クレーン車の買取相場・実績はこちら

【参考】トラック・重機の買取相場・実績一覧はこちら

 

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クレーン車の種類

トラッククレーン

クレーン用キャリアにクレーン装置をのせ、アウトリガーを設置し、公道自走時の運転用キャビンとは別にクレーン操作用運転室を装備したものがトラッククレーンです。

そして、クレーン操作の動力と走行用の原動力は別になっています。

トラッククレーンは建設作業現場で吊り荷作業を行なうことや、流通基地での大型重量貨物の積込み・降ろしなど幅広い作業を行うことができます。

そしてトラッククレーンにはいくつかの種類があります。

走行性と機動性を兼ね備えたトラッククレーンは小型から大型まで揃っています。

ちなみに、オールテレーンクレーンは大型のトラッククレーンです。大型でも走行能力が高い作業場所を選ばない有能なトラッククレーンです。

 

積載型トラッククレーン

車両積載形トラッククレーンは、その名称の通りトラックのキャビンと荷台の間や荷台にクレーンを積載したトラッククレーンのことです。

一人でクレーンを使って荷の積み降ろし作業ができ、運送業や建設業でよく使用されています。

走行用のエンジンからPTOを利用して動力を取り出しクレーン装置の作動を行うもので、吊り上げ荷重が3トン未満の機種が多いです。

一般的にユニック車と呼ばれることが多いのですが、ユニックは古河ユニック株式会社の登録商標です。

ちなみにユニックの名の由来は、ユニバーサルとクレーンの合成語です。

そして、積載型トラッククレーンにはキャブバック型、ハイアウトリガー型、荷台内架装型の3種類があります。

 

レッカー形トラッククレーン

トラックのシャーシをサブフレームで補強したうえに、架装してトラッククレーンとして仕上げられたものです。

交通事故や故障で自走出来なくなった車両のけん引搬送を主に行います。

主目的作業がクレーン作業ではなく、レッカー作業なのでジブは長くはありません。

事故車けん引用のピントルフック、ウインチが装備されています。

 

ラフテレーンクレーン

ラフテレーンは英語でrough terrain、「不整地対応」という意味になります。

ラフテレーンクレーンは全駆動全操舵で都市部の狭隘敷地内の建設現場で活躍します。

ホイールで移動ができる機動性が高い移動式クレーンです。

ラフタークレーンとも呼ばれるラフテレーンクレーンは建機メーカーの加藤製作所が取得した商標名です。

ラフテレーンクレーンは一つの運転室で走行の運転とクレーン操作が行えることが特徴です。

移動における大きな特徴は車輪の操向を状況に応じて自由に変えることができることです。

2輪操向(前軸又は後軸)、4輪操向、かに操向を自由に選択できることが可能です。

 

オールテレーンクレーン

オールテレーンは英語でAll Terrain、「全地対応」という意味になります。

ラフテレーンクレーンとその姿はよく似ていますが、オールテレーンクレーンはキャビン(運転室)とクレーン操作室が分かれており、ラフテレーンクレーンよりも大型の車両が多く、その大きさが理由でクレーン部を解体し別途移動させることもあります。

複数の車軸と車輪は全駆動全操舵となっていて、一般公道では70㎞くらいで走る車種もあり、不整地の走行も可能な大型車両中心のトラッククレーンです。

 

クローラークレーン

走行部がクローラー(キャタピラー)の台車で、その上にクレーンが設置されたクレーン車です。

クローラーは無限軌道やキャタピラーなどとも呼ばれます。

通常の車輪では地面にめり込み走行不能となる不整地(オフロード)を自在に移動するこのクローラーは土木作業現場、農地や砂漠などの不整地での移動を可能にするために開発されました。

クローラーは舗装道路を傷めてしまうため一般道や高速道路などの公道を走ることができません。

作業を必要とする現場までの移動には回送車両が必要になります。

【参考】クレーン車の買取相場・実績はこちら

【参考】トラック・重機の買取相場・実績一覧はこちら

 

クレーン車のメーカー

加藤製作所

株式会社加藤製作所は創業以来のパイオニア精神と独自の技術革新で様々な機種の開発に挑戦し、製品化してきました。

大正時代の機関車をはじめとして、トラッククレーン・油圧ショベル・ラフテレーンクレーン・オールテレーンクレーン・クローラキャリアなどです。

日本を代表する建設機器・特装車のメーカー加藤製作所のホームページにある「優秀な製品による社会への貢献」という加藤社長の言葉は、今の世で提唱されているSDGs(持続可能な社会の実現)そのものです。

時代が要求する建機・特装車を独自の開発と積み上げてきた研鑽で実現してきた加藤製作所は利用者ばかりかステークホルダー(利益関係者)までに多くの満足と幸せを運んできた会社です。

 

前田製作所

株式会社前田製作所は1960年(昭和35年)ゼネコンの前田建設工業の篠ノ井機械工場として開設されました。

1962年に会社は設立されました。

建設機械・産業機械・鉄構製品の製造・販売・サービス・レンタルを手がけています。

現在は前田建設工業、前田道路、前田製作所の3社でインフロニア・ホールディングス株式会社を設立してプライム市場(旧東証一部)に上場しています。

かにクレーン、ミニクローラクレーン、車両搭載型クレーンや高所作業車などを製造・販売し、コマツ製品を扱う総代理店でもあります。

 

タダノ

株式会社タダノは車両積載型クレーンばかりではなく、建設用クレーン、車両積載型クレーン、高所作業車などを製造・販売する世界最大手級の建設用クレーンメーカーです。

車両積載型クレーンを一般的な通称でユニック車と呼称されていますが、タダノでは「カーゴクレーン」を正式名称としています。

さまざまなクレーン車の開発を行っており、550tのオールテレーンクレーンは世界最大級のクレーン車です。

さまざまなメセナ活動にも力を入れています。

自社のクレーンを使ってチリのモアイ修復プロジェクトに参加、高松塚古墳の石室解体作業にも技術協力を行い、カンボジアのアンコール遺跡群の修復には自社製品を寄贈しています。

 

コベルコ建機

コベルコ建機株式会社は日本の大手建設機械メーカーです。

1930年に国産建設機械第1号機となる電気ショベル50K(1.5m³)を発売しました。

1967年、初めて自社技術によりクローラー式油圧ショベルH208(0.3m³)販売しました。

現在のコベルコ建機は、もとは神戸製鋼所から分社されたクレーン製造部門建設機械カンパニーと販売会社である神鋼コベルコ建機とショベル製造部門の油谷重工を統合して製販一体となって設立されました。

 

古河ユニック

ユニック車はこの古河ユニック株式会社の登録商標です。

1961年に日本初の油圧式トラック架装用クレーン「UNIC100」を開発し今日では「ユニック車」が車両積載型トラッククレーンの代名詞ともなっています。

古河ユニックのクレーンは赤色、ちなみにタダノのクレーンは青色です。

ユニッククレーンの他にはユニックパル、グラップルローダ、ミニクローラクレーンなど多種のクレーン関係の建設機械を製造・販売しています。

 

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まとめ

物流の発達とともに人間の要求は高度化してきました。

しかし、人間の力には限界があり、物流量の増大や高度化にはどうしても機械に頼らなければならず輸送機器や移動手段であるクレーンが発達してきました。

いわば時代の要請とともにクレーンメーカーは技術力を上げ、積み上げた経験によってさまざまなクレーンを生みだしてきたのです。

人力のみに頼って行っていた荷積み・荷降ろし作業はクレーンの登場で一変し、クレーンの進化によって私たちの生活は向上しています。

各クレーンメーカーへ感謝の気持ちを忘れずこの先、日々の生活を送りたいものです。

 

トラックファイブは『豆知識』でこれからも皆様にさまざまな情報をお届けします。

【参考】クレーン車の買取相場・実績はこちら

【参考】トラック・重機の買取相場・実績一覧はこちら

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