ウイングトレーラーとは?特徴や種類、必要な免許まで解説
目次
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ウイングトレーラーとは
ウイングトレーラーとは?
ウイングトレーラーとはトラックにおけるウイング車のトレーラー版です。
ウイングの名称はこのウイングボディの構造に由来しています。
ウイングは英語のWing(鳥の翼)です。
荷台の両側面が跳ね上がり、鳥が翼を開いたように見えるから名付けられました。
トラクターに牽引されるトレーラーが、ウイングボディであるウイングトレーラーは、ウイング車とトレーラーの利点をあわせ持ち、多くの可能性を秘めた潜在能力が高いトレーラーです。
ウイングトレーラーの特徴
ウイングボディの大きな特徴はウイング機能です。
鳥が羽根を広げるように荷室の両側面が開き、両側面から荷の積み下ろしができるのです。
両側面が開くことによって、その荷役作業は人力ではなく、フォークリフトを使って行うことができ、荷役効率を格段に向上させます。
そして、ウイングトレーラーはトレーラーの機能を活かして、これから対応していかねばならない2024年問題にも「中継輸送」という対策が可能です。
これまで車中泊を必要としていた長距離輸送の負荷を、中継地点でトラクターの交換をするという方式で軽減することができます。
牽引免許を持っているドライバー同士で交換を行うことが必要になりますが、従来の輸送方式に比べるとドライバーにとっては半分の輸送時間と輸送距離で済ませることも可能になります。
ウイングトレーラーの用途
ウイングトレーラーに求められる用途はさまざまです。
フォークリフトを横付けして作業できるので、作業効率が高いパレット荷役が可能です。
一般的な荷物用だけでなく、冷凍や冷蔵仕様のウイングトレーラーもあります。低温・定温輸送を行い即時の荷降ろし、冷凍・冷蔵倉庫への保管が可能となり、生鮮食料品などの積荷の品質保全が可能となりました。
ウイングトレーラーは、その大きさを活かしての長距離かつ大量の輸送が可能ですが、さまざまな種類の荷を大切に保管しながら運ぶこともできます。
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ウイングトレーラーの種類
幌ウイングトレーラー
一般的なウイングトレーラーのボディはアルミですが、あおり以外のウイング部が金属の骨組みと、布(帆布や強力な化学繊維素材)で構成されたウイングボディを持つトレーラーが幌ウイングトレーラーです。
アルミウイングよりも重量が軽くなり、そのぶん多くの積載量を確保することが可能です。
冷凍ウイングトレーラー
冷凍機能付きのウイングトレーラーは、開閉が一度に出来てしまうので冷凍室には急速な冷凍が可能な冷凍装置を持ち、荷室は-18度から-30度にまで下げることができます。
冷凍ウイングトレーラーは、低温・定温輸送によって遠隔地から魚介類などの食材・冷凍食品・アイスクリームなど食料品を私たちの食卓に運ぶために活躍しています。
セミトレーラー
セミトレーラーは自走できず、牽引するトラクター部分に前部をもたれかけるようにして連結し、牽引されるトラックです。
フルトレーラー
フルトレーラーは、キャビンと荷台が一体化しエンジンを有するフルトラクターに牽引されるトレーラーです。
トラクターと分離したら自走できませんが、前後に2軸4輪以上のタイヤがあり、トレーラー単体で貨物の全重量を支えることができます。
2019年にフルトレーラーの連結全長の規制緩和が行われました。
それによって、牽引車両となるトラクター部分と非牽引車両となる後続のトレーラーまで含めて、最大で全長25mのダブル連結トラックで走行が可能となりました。
ウイングトレーラーのメリット
荷物の積み下ろしを効率化
トラックドライバーの仕事は運転だけではありません。
輸送時の運転が主たる仕事となりますが、荷物の積込み・降ろしと、荷降ろしの時間を指定されての待機も仕事として加わってきます。
ウイングトレーラーは荷物の積み下ろしの効率化が可能です。
開いたウイングの左右からフォークリフトが寄りついて荷降ろし作業を短時間で行えます。
荷降ろしの時間が少なくなることで、待機時間も短くなります。
全体的に作業が効率化されることになります。
高い密閉性
積み込んだ荷は閉じられたウイングによって守られて輸送中の積荷の落下事故は無くなります。
輸送中の悪天候で積荷を濡らしてしまうこともありません。
気密性も高くできることによって、冷凍ウイングトレーラーとしての活用もできるのです。
この密閉性の高さもウイングトレーラーのメリットの一つです。
荷物の運搬以外の用途
想像力を膨らませれば荷物の運搬以外の用途にもウイングトレーラーを活用することができます。
事前にトレーラー内に装備した仮設ステージをトラクターに引かせて移動して、目的地である野外コンサート会場でいきなりウイングをオープンさせて、サプライズの演奏や歌唱を始めるなど音楽イベントの演出として使うことも可能です。
開いたウイングは雨をしのぐことができる屋根ともなり、近年頻発する巨大台風・地震などの災害時に、緊急支援物資の輸送や現地での配給活動の拠点としての活用も可能です。
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ウイングトレーラーの運転に必要な資格や免許
運転免許
ウイングトレーラーを牽引するトラクターを運転するためには車両総重量に合わせた自動車運転免許が必要になります。
車両総重量3.5t以上7.5t未満であれば準中型自動車運転免許、7.5t以上11t未満であれば中型自動車免許が必要になり、11t以上であれば大型自動車運転免許が必要になります。
輸送業で使われるトレーラーのほとんどは大型車両ですので大型自動車運転免許を持つことをお勧めします。
大型自動車運転免許の取得条件は、年齢が満21歳以上であり、普通自動車免許・準中型免許・中型免許・大型特殊免許のいずれかを取得していて、免許停止期間を除くその通算運転経歴が3年以上であることとなります。
あわせて身体条件として、視力が裸眼もしくは眼鏡・コンタクトレンズの使用で、両眼0.8以上・片眼0.5以上あること。
三桿(さんかん)法の奥行知覚検査器により、2.5mの距離で3回検査し、誤差の平均が2cm以下であること。
信号機の色(赤・青・黄)が識別できること。
10mの距離で90dBの警報機の音が聞こえることなどがあります。
牽引免許
牽引車両であるトラクターを運転する際、道路交通法によって総重量750㎏超えるトレーラーを牽引する際には牽引免許が必要となります。
トレーラーを牽引しないトラクターのみの運転には牽引免許は必要ありません。
牽引貨物自動車について
牽引貨物自動車とはトレーラーを牽引するトラクター(トレーラーヘッド、アタマとも呼ばれる)のことを指します。
トレーラーには自走機能が無いために動力を担うトラクターが必要になります。
まとめ
ウイングトレーラーはトレーラーの種類のなかで一番活用されているスタイルのトレーラーです。
二番目はコンテナ、そして平ボディと続きます。
トラック輸送における一番のミッションであるお客様から預かった荷の輸送を確実に行えるのがこのウイングボディです。
しかもトレーラーであることからさまざまな活用方法がこの先考えることが可能です。
やって来た2024年問題には、先に述べた「中継輸送」でウイングトレーラーは活用が可能です。
ウイングトレーラーに関してここまで積み重ねてきた経験と絶え間なく続けられた研究は、ウイングトレーラーをこれからさらに進化させて私たちの未来を明るいものにしてくれる可能性を秘めています。
トラックファイブは『豆知識』でこれからも皆様にさまざまな情報をお届けします。
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