UDトラックスのコンドルはどんなトラック?特徴や年式を解説
目次
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UDトラックスとは
UDトラックスとは?
UDトラックスとは、埼玉県上尾市に本社を置く日本を代表するトラックメーカーです。
UD(ユーディー)の愛称・呼称は、日産ディーゼル時代から続くものです。
このUDはかつてUDトラックスが製造していたGM式の単流掃気方式2サイクルディーゼルエンジン”Uniflow Scavenging Diesel Engine”の頭文字のUDを商標としていたことに由来、もしくは”Ultimate Dependability”(究極の信頼)の頭文字に由来するとされています。
トラック業界の世界地図を塗り替える国内外トラックメーカーの戦略に巻き込まれながらも、UDトラックスはその経験と知識を自らの血肉として成長を続けています。
UDトラックスは日本ならびに世界のドライバーからいつまでも愛され続けています。
UDトラックスの歴史
日本のトラックメーカーのなかでもUDトラックスは長い歴史を持っています。
1935年:日本デイゼル工業として設立されました。
1938年:ディーゼルエンジン「ND1型エンジン」誕生。
1955年:自社開発エンジン「UDエンジン」誕生。
1960年:⽇産ディーゼル⼯業(株)に社名変更。
1975年:中型トラック「コンドル」誕⽣。
1990年:⼤型トラック「ビッグサム」誕⽣。
1999年:日産自動車グループ会社となっていた日産ディーゼル工業に、親会社の日産自動車と資本提携したフランスのルノーが乗り込み、リストラを行い経営再建をスタートしました。
2004年:⼤型トラック「クオン」誕⽣。尿素SCRシステムをトラックの排出ガス浄化装置に世界で初めて採⽤。
2007年:日産からボルボに売却。
2010年:UDトラックスに社名変更。
2020年:ボルボからいすゞ自動車が買収。
2022年:いすゞ自動車の完全子会社となっています。
UDトラックスの特徴
UDトラックスの特徴はエンジンの強さ、馬力、そしてクラッチの強さです。
ボルボグループ時代に吸収した知識は多く、ドライバーの視点に立った安全性能・燃費性能・運転性能には高い評価を受けています。
環境対策にも力を入れており、クリーンディーゼルシステムである尿素SCRシステムは、もともと火力発電所などの排気ガス処理に利用されていたものです。
トラックでの利用では世界初の尿素SCRシステムを、UD独自で「FLENDS」として開発し、全車に採用しています。
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UDトラックス「コンドル」の年式
初代(1975年-1983年)
初代コンドルは1975年に発売されています。
日本で1955年頃から続いた高度経済成長期が1973年オイルショックで終焉を迎え、物流業界は燃料消費が少ない中型トラックの登場を待ち望んでいました。
その期待に沿って初代コンドルが登場しました。
この時のエンジンはED6型(渦流室式)でした。
開発が進みパワーステアリング付車が追加されました。
また、直噴ターボエンジン車「コンドルGF」が追加され、エンジンはFD6(T)が搭載されました。そして、パワーステアリングやクーラーが標準装備され、ドライバーの快適性が向上されました。
1979年のマイナーチェンジでNAエンジンをED6型からFD6型に変更しました。それによって昭和54年排出ガス規制に適合しました。
同年には6t積クラス「コンドル6」が追加され、FD6(T)エンジンとOD6速トランスミッションが搭載されました。
1981年のマイナーチェンジでは、フロントホイールのセンター部分に入っていた「UD」の刻印を「NISSAN DIESEL」のロゴに変更しました。
2代目(1983年-1993年)
コンドル2代目は1983年に登場し、昭和58年排出ガス規制適合車となりました。
2代目からキャブの基本骨格がコンドル専用設計になり、大型車との共通ではなくなりました。
1985年に5t積クラス「コンドル5」が追加されました。
1985年に7t積クラス「コンドル7」が追加されました。
1990年にはエンジンを5PSアップするとともに平成元年排出ガス規制に適合しました。
3代目(1993年-2011年)
1993年に登場したこの代は再び大型車と基本骨格が同じになり、大型車ビッグサムとの部品共通化を図ったキャブとなりました。
1994年に4WD登場。
1995年には平成6年排出ガス規制に適合しました。
1997年はショートキャブ(コンドルZ)が登場しました。コンドルSSも並行して2004年まで生産されます。
2000年は全車にABSと運転席SRSエアバッグが標準装備されました。
2002年にはモーターの駆動方式にパラレル式を採用した世界初となるキャパシターハイブリッドトラックを追加しました。
このトラックは翌年度の年度省エネ大賞においては最高賞となる経済産業大臣賞を受賞しました。
そして、大型車に利用されてきた機械式オートマチックトランスミッションが採用されました。
4代目(2010年-2017年)
2010年登場の4代目は9tクラスのPKと12tクラスのPWがフルモデルチェンジしています。
大型トラックであるクオンとキャブの大部分を共用されました。
自社開発・生産であるGH7エンジンを搭載しています。
クオンに採用された尿素SCRシステム「FLENDS(フレンズ)」をコンドルに採用し、NOxを低減し、ポスト新長期排出ガス規制に適合しています。
2017年に42年間続いたコンドル自社生産は終了しました。
5代目(2017年-現在)
いすゞ自動車からフォワードのOEM供給を受けてフルモデルチェンジを果たし現在に至っています。
UDトラックス「コンドル」のモデルについて
コンドルS/コンドルSS
初代はコンドル初のベッドレス車として1988年に登場しています。
他メーカーにおいても同様車種が登場し、いすゞ・フォワードジャストン、日野・デーキャブレンジャー、三菱ふそう・ファイターミニヨンが競合する車両でした。
2代目は1922年、アトラスのモデルチェンジに伴って登場しています。
1994年には超軽量仕様4.6t車のコンドルSSを追加し販売に力を入れました。
2004年に生産終了しています。
1tトラック
後継車であるカゼットの前身となる1tトラックですが、初代F23型はアトラスF23型車のマイナーチェンジと同時に設定されました。
「コンドル次郎」の愛称を持って日産ブランドで登場しました。
2代目は2007年に日産自動車との合弁会社である日産ライトトラックの開発で1.5tおよび2t車が用意されました。
2009年には平成27年度重量車燃費基準達成車を設定し、環境対応車普及促進税制に適応しました。
2012年に全車でシートベルトアンカーの新法規への対応を実施し、シートベルト取り付け位置を移設しました。
ヘッドレストの高さ変更などもあわせて行い、ドライバーと同乗者の安全性と走行性を高めました。
2013年に生産終了し、ガゼットが後継車両となりました
2tトラック
初代は1981年、日産アトラス200/300の兄弟車、バイソンの後継車種として発売されています。
1982年、昭和57年排出ガス規制に対応しています。
2代目のS41型2トン車は、1991年に「敏感2トン」のキャッチコピーで発売されました。
3代目は、1995年に5代目いすゞ・エルフのOEM車として登場しました。
積載量2t車は「コンドル20」、3t車は「コンドル30」、3.5t車は「コンドル35」としての登場でした。
4代目は2007年にフルモデルチェンジして登場、引き続きエルフのOEM車でした。
そして2012年に一部改良が実施されました。
平成21年基準低排出ガス車の認定取得に加えて、平成27年度重量車燃費基準を達成し、適応車はエコカー減税による自動車重量税の減税の対象となりました。
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まとめ
トラック業界の各メーカーは独自の思想と歴史を持ち、心血を注いで作り上げたトラックを世に送り出してきました。
しかしながら世の中は大きく変わり、ドライバーの要望を受け入れるために世界のトラックメーカーは横のつながりを持ちだしました。
新車の開発や環境負荷が少ないエンジンシステムの研究などには莫大な費用が必要です。
現在繰り広げられているトラック業界における企業の吸収合併、業務提携、経営統合、OEM供給などのすべては莫大な費用の無駄を削る効率化のためです。
また、トラックの開発ばかりではなく、来たる2024年問題への対策など働く人間のためにも費用は使わなければならないのです。
UDトラックスはその流れのなか、いすゞ自動車グループとなりましたがその名前が消えることがないことが、これまでのUDトラックスの実績とそれによって培った信頼の証しであると言えます。
UDトラックスがいつまでも私たちが親しんできた『UD』として残ってくれることを期待して止むことはありません。
トラックファイブは『豆知識』これからも皆様にさまざまな情報をお届けします。
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