バルク車とは？特徴・種類・免許や用途を詳しく解説
目次
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バルク車とは
バルク車とは？
バルク車とは道路運送車両法で定められた特殊用途自動車の一つです。
産業界ではさまざまな材料を必要とし、それらを使って工場や作業現場でさまざまな製品を作り出します。
その時に必要な材料である粉粒体等の運搬に使われる貨物自動車がバルク車です。
バルク車のバルク：Bulkは、嵩（かさ）や容量を表す英語です。
バルク車とは、大量の粉粒体を運搬するために開発された特殊車両です。
私たちの日常生活において必要不可欠なさまざまな粉粒体運搬に使われる貨物自動車です。
バルク車の用途
バルク車の用途は、大量の粉粒体を輸送することです。
タンクローリーがこのバルク車に似た貨物車両となりますが、タンクローリーは液体や気体の輸送を主たる目的としています。
バルク車が運ぶ乾いた粉粒体には粒の大きさや重さに違いがあります。
それによってバルク車のタンクには、積込みの方法や排出の方法がいくつかあります。
人力のみで粉粒体の輸送を行っていた時には粉粒体は袋詰めでした。
それを一つずつ手作業で積み、そして降ろすという手間も時間もかかる方法しかなかったのです。
それを解決したのがバルク車でした。
バルク車の構造
バルク車の構造は、粉粒体の形状・自重・用途に合わせて考え出されています。
基本的には地球の重力を利用してタンク内上部のマンホールから粉粒体を運び入れ、下部の排出口から降ろし出します。
輸送先にある粉粒体の保管場所に合わせて、コンプレッサーを使って空気圧送を行なったり、タンクを傾斜して自重を利用して流し出したりとさまざまです。
また、ダンプ併用式、セミトレーラー、エアスライド式、1室傾胴式、3槽重力落下式などの形状があります。
バルク車の別称
バルク車の正式名称は粉粒体運搬車です。
道路運送車両法で定められた特殊用途自動車の一つで、道路運送車両法の通達で「特種な目的に専ら使用するための自動車」として設けられた運搬区分のなかでそう定められています。
粉粒体運搬車とは、その文字を目にすればなんとなく想像はつくものの、硬く難しいイメージがあります。
通称としてホッパー車、バルクローリーなどと呼ばれています。
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バルク車の種類
セミトレーラー
バルク車の種類はさまざまです。
セミトレーラーのタイプは、粉粒体の積載量を増やすためにトレーラーに搭載した大型タンクをトラクターで牽引するタイプのバルク車です。
バルク車の利便性である無梱包の粉粒体を大量運送することが目的であり、フルトレーラーの形状もあります。
運転には牽引免許が必要になりますが、一番のミッションである一度に大量輸送が可能となるバルク車の種類の一つです。
エアスライド式
液体と異なる粉粒体は、その物質特性から自然排出は非常に難しいです。
エアスライド式はそれを解決するために生みだされました。
エアスライド式のタンクは、真横から見ると底に緩いV字型の傾斜が付いた構造をしています。
このタイプは空気圧を利用しての排出します。タンク底に設置された布から空気を吹き込んでタンク内の粉粒体を流動化させて、動きやすくすることによって粉粒体を排出します。
フライアッシュなどの微粉末がこのエアスライド式に向いています。
飼料運搬車
農業事業者向けの飼料運搬車であり、バルクトラックとも呼ばれています。
飼料運搬車のタンクは内部が2室以上に分けられており、多種の飼料運搬が可能です。
養鶏・養豚などの家畜飼育に必要な配合飼料を、製造工場から酪農を営む事業者のもとへ直接運搬を行います。
このバルク車にはタンク上部に折りたたみ式のブームがあり、そのブームによって農場にあるサイロの飼料投入口へ直接タンク内の飼料を投入できるのです。
ダンプ併用式
ダンプ併用式とはダンプ車と同様に油圧でタンクを傾斜させて、粉粒体の自重で排出を行うバルク車です。
すべては効率を上げるための構造で、タンクの後方に流れた粉粒体はコンプレッサーによって吸引され、タンクにつながれたホースでサイロなどに排出されるのです。
粉粒体の性質でどうしてもタンク内壁に少量の粉粒体が貼り付き残ってしまいます。
そんな時には傾斜したタンクをゴムハンマーなどで叩き、人の手で排出を手伝ったりします。
エアレーションブロー式
底部が漏斗状になっているホッパー型タンクを複数備えているのがエアレーションブロー式バルク車です。
エアスライド式と同様に空気を利用してのバルク車ですが、エアレーションブロー式はタンク内の傾斜と空気圧を利用して排出を行う仕組みになっています。
そして、空気圧でホースを通じて長距離・高所への排出を可能にしたバルク車です。
バルク車の運転に必要な免許
運転免許
バルク車の運転免許は大型免許がお薦めになります。
粉粒体を一度に大量に運ぶバルク車は商業目的の車両であり、最大積載量が6.5ｔ以上の大型車が多いからです。
中型トラックを増トンしたバルク車も多く、バルク車を運転するためには大型第一種免許の取得をお薦めします。
牽引免許
750kgを超える自走しない車両を牽引するには牽引免許が必要となります。
トラック型のバルク車であるならば大型免許だけで運転が可能ですが、粉粒体を大量に輸送可能なセミトレーラー、フルトレーラーを牽引するには牽引免許も必要になります。
プロパンガス配送に関する資格
粉粒体運搬専用のバルク車が液化されたプロパンガスも輸送します。
一般家庭や事業所に向けて液化石油ガス（LPガス）を輸送するためには必要な資格があります。
バルク車で可燃性ガスを3,000kg以上配送するのであれば、高圧ガス移動監視者の国家資格が必要となります。
そしてこの輸送作業はワンマン作業になる場合があり、バルク供給設備への充てん作業を行いたい場合には充填作業者の資格も必要となります。
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まとめ
多様多種の輸送物を運ぶトラック事業者に、輸送不可能という文字はありません。
要望があればそれに応え、運ぶ方法を考えます。
大量の粉粒体輸送を一度に行うことができるようになるまでは、人力の手作業しかなく大変な仕事であったに違いありません。
それを解決させるべく人間の知恵によって生み出されたのがバルク車でした。
そして私たちの社会は今後も発展を続け、この先も多くの新しい要望が出てきては、それを解決していくのでしょう。
新しい味方であるAIの力も借りて、この先の新たな特殊車両が生まれ出て来るのは楽しみでもありますね。
トラックファイブは『豆知識』でこれからも皆様にさまざまな情報をお届けします。
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