タイヤローラーとはどんな建機?役割やロードローラーとの違い、必要な資格などを解説
タイヤローラーは道路建設に欠くことのできない建設機械です。
日本の舗装道路の総延長は約130万㎞(2020年:国交省)あります。
そして、道路は耐久消費財でありながら消耗品であり、アスファルト舗装の耐用年数は10年と定められており、その10年ほどを目安に道路舗装はリニューアルされます。
狭い日本国内での新設道路の件数は減ることはあっても、既設道路のリニューアルはこの先ずっと続くのです。
その道路舗装工事は、このタイヤローラーがなければ完成しないのです。
目次
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タイヤローラーとは
タイヤローラーとは、道路工事における舗装工事で使われる砕石やアスファルトなどを締固めるための建設機械です。
重量があり、接地面積が広くなるように大きな車輪を持ち、その重い自重で路面を締固めるのです。
・タイヤローラーの用途
タイヤローラーの用途は、道路工事における舗装工事の路盤転圧や締固め作業です。
3-4個の空気入りタイヤを左右一列に配置した車軸を前後に置き、機械の重量を利用して路面を締固めるのです。
鉄輪とは違うタイヤの「柔」の特性を活かして締固めを行います。
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タイヤローラーとロードローラーの違い
道路は基本的に最下層部から路体、路床、その上に路盤・基層・表層で構成されており、それぞれを土・砕石・アスファルトを材料として形成されています。
道路の種類には国道・主要幹線・生活道路等があり、その層の厚さや層の数は変わってきますが、大切なのは同じ厚さで各材料を広げて、各種ロードローラーを使用して締め固める作業です。
官公庁内で「締固め用機械」と称されるロードローラーは、この締固め用機械の総称で、タイヤローラーはロードローラーの一種であり、主に道路工事において重要な仕上げ工事である基層・表層の転圧に用いられます。
タイヤローラー以外にも種類がある
舗装工事の各段階における少しずつ差異のある作業に合わせて、タイヤローラー以外にもある数種類のロードローラーが使用されます。
・マカダム式ローラー
19世紀初頭にスコットランドの技術者ジョン・ロウドン・マカダムが考案したロードローラーです。
鉄輪のみの車輪です。
三輪車型に鉄輪が配置され、その自重を最大限に活用します。
主に路床・路盤工事の締固めに利用され、その上層のアスファルトの締固めにも利用されます。
・タンデム式ローラー
このタンデム式ローラーの車輪も鉄輪のみです。
鉄輪が2輪もしくは3輪の種類があります。
駆動は両輪のタンデム式も片輪のタンデム式もあり、片輪の場合は後輪が駆動輪となり前輪が操作輪となります。
アスファルト舗装工事の表層仕上げに向くロードローラーで、マカダム式ローラーよりも自重は軽く、マカダム式が転圧を行なった後に仕上げの締固めをこのタンデム式ローラーで行います。
・ハンドガイド式ローラー
ハンドガイド式ローラーは、乗車方式の大型ローラーではありません。
この名称の通りの手で押して締固めを行うローラーです。
大型のロードローラーが入れない狭小部分や舗装の端など、最後の仕上げ時に登場するロードローラーです。
前後二輪の小型ローラーです。
駆動方式は片輪駆動と両輪駆動の二つがあります。
・コンバインド式ローラー
コンバインド(combined)は「混合された」という意味の英語です。
幅広い転圧用の鉄輪と横並びのゴムタイヤが、前後に配置された異種輪混合のロードローラーです。
道路工事の各層でどの過程にも幅広く利用できるタイプです。
タイヤへのアスファルト混合物などの付着防止のために、アスファルト付着防止剤噴霧装置を備えています。
道路工事用のコンバインド式ローラーは小型に種別されますが、大規模造成地などでは土工事用の10トンを越える大型のコンバインド式ローラーも使用されます。
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タイヤローラーの代表例
日本発祥のタイヤローラーではありませんが、国内で多くの建設機械メーカーが製作・販売しています。
それくらい日本では道路工事が多く、タイヤローラーが必要だということでしょうか。
①酒井重工業株式会社
東証プライム市場の上場企業であり、老舗の道路建設機械を中心に販売も行う建設機器メーカーです。
1927年に機関車の製造を開始したあと、1929年には内燃機関を搭載した国産初のロードローラー(タンデム型)の製造・販売を、1930年には国産初のマカダム式ローラーを販売して道路機械のパイオニアとして今に至ります。
② キャタピラージャパン合同会社
USAにある世界最大手の建設機械製造会社であるキャタピラー社の日本法人です。
大型建設機械を中心にロードローラーの製造・販売も行っています。
タイヤローラーの操縦に必要な免許・資格
タイヤローラーの公道での運転にも作業における操縦にも、それぞれ運転免許と資格が必要です。
交通事故、及び作業災害ゼロを目的とした免許であり資格です。
・タイヤローラーの公道運転に必要な運転免許
道路交通法においてロードローラーは大型特殊自動車に分類されるため、運転免許としては大型特殊免許が必要となります。
教習所での教習受講による取得と、一発試験を受験する方法があります。
保有免許で必要受講数は減ります。
普通自動車免許を保有していれば学科教習は免除され、技能講習の6時間だけで取得ができます。
保有が無ければ学科教習22時間、技能講習12時間となります。
・タイヤローラーの操作に必要な資格
タイヤローラーの操作に必要な資格は「締固め用機械運転者」となります。
締固め用機械特別教育を修了した者に与えられる資格で厚生労働省が主管する国家資格です。
特別教育は各事業所(製造メーカー等)又は都道府県労働局長登録教習機関において行われます。
学科講習6時間、実技講習4時間で取得できます。
※関連記事!是非ご一読を願います。
『重機に必要な免許の種類を徹底解説!取得費用や期間についてもご紹介』
2023.07.13
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まとめ
この先も日本経済の発展には、陸上輸送の9割を占めるトラックが走る道路網の新設・リニューアル・メンテナンスは欠くことができません。
そのために不可欠な建設機械の一つがタイヤローラーです。
非常に重い自重を利用して道路の各層を締固めていくという、とても単純な発想から生まれた機械であり、その作業も丁寧に締固めていくという地味な作業です。
繰り返し行われる道路工事職人たちの作業で私たちの生活が成り立っていると言っても過言ではないでしょう。
普段何気なく走る道路にそのような成り立ちがあることを認識して、「私たちの道路」としていつまでも大切にしたいものです。
トラックファイブはこれからも皆様にさまざまな情報をお届けします。
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