大型特殊免許の費用や試験内容、条件などを徹底解説!
道路交通法に定められた「特殊自動車」を公道で運転する際に必要となる大型特殊免許を再び『豆知識』では取り上げました。
前回では足りなかった試験内容、条件などを今回の『豆知識』では解説します。
前回記事『大型特殊免許とは?運転できる車両や取得方法・費用など徹底解説!』もあわせて目を通していただければ、なお大型特殊免許取得に関してのご理解は深まると思います。
皆様の現在の生活に合わせての大型特殊免許取得に役立てていただければ幸いです。
目次
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大型特殊免許とは?
大型特殊免許の所有で大型特殊自動車及び、上位免許となるため小型特殊自動車、原動機付き自転車(原付)の運転が認められます。
大型特殊自動車を公道で走らせる際に必要になる大型特殊免許は、各大型特殊車両(重機・建機)を操作し、作業するために必要な免許・資格と併有することで本当の意味で資格が活きてくるでしょう。
・大型特殊免許の取得で運転できる自動車の種類
大型特殊免許で運転できる自動車の種類は大型特殊自動車、小型特殊自動車、原動機付き自転車(原付)の3種類です。
大型特殊免許の取得で、大型特殊自動車ばかりか、小型特殊自動車と原動機付き自転車の行動運転も認められます。
具体的には下記のように条件付けされています。
(大型特殊免許で運転できる特殊自動車の条件)
・車体の長さ 12m以下
・車体の幅 2.5m以下
・車体の高さ 3.8m以下
・排気量 制限なし
・最高時速 制限なし
(時速49㎞以下の自主規制あり)
・大型特殊自動車に該当する車種
① ラフタークレーン
建設現場まで自走できるクレーン車です。
回送車両を必要とせず、建設現場の不整地も走行可能な優れものです。
② ホイールローダー
ブルドーザーのホイール(タイヤ)版です。
建設現場や資材置き場で重量のある運搬物の移動やダンプなどへの積込みに大きな力を発揮します。
③ ショベルローダー
前輪2輪が駆動し、後輪で操舵を行います。
不整地は苦手な重機で、工場や畜舎などで作業します。
④ フォークリフト
物流業・小売業・製造業などに必須の、パレットに積んだ荷を移動させる特殊車両です。
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大型特殊自動車には作業資格も必要
これまで説明させていただいたように大型特殊免許は「公道を走るための免許」です。
公道を走ることが一番の目的ではないでしょう。
走った先に本来の仕事が待っているに違いありません。
建設作業であったり、農作業であったり本来の仕事がそこには待っていてその作業のためには重機・建機の作業資格が必要になります。
・必要な作業資格の例
作業資格は『安全』のために国が定めた重機・建機の免許です。
そして、労働安全衛生法に当該業務に従事する際に作業資格の免許証または資格証明書類の携帯を義務付けられています。
作業資格は以下の7項目に分類されています。
① 車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転者
該当機械はブルドーザー、トラクターショベル、油圧ショベルなどです。
② 車両系建設機械(解体用)運転者
該当機械はアームの先に解体用のブレーカーなどの解体用アタッチメントを取り付けた油圧ショベルです。
③ 車両系建設機械(基礎工事用)運転者
該当機械は基礎工事用機械であるくい打機、くい抜機などです。
④ 不整地運搬車運転者
クローラキャリアやホイールキャリアなどの不整地専用の運搬車両です。
⑤ 高所作業車運転者
トラック式高所作業車やクローラ式高所作業車などの高所作業専用車両です。
⑥ 小型移動式クレーン運転士
搭載型トラッククレーンであるユニック車です。
⑦ フォークリフト運転者
カウンターバランスフォークリフト、リーチフォークリフト、サイドフォークリフトなどさまざまな種類のフォークリフトです。
それぞれが車両総重量、最大荷重、作業範囲などの大きさによって技能講習もしくは特別教育を受講することによって必要な作業資格が認められます。
※過去記事『重機に必要な免許の種類を徹底解説!取得費用や期間についてもご紹介』もご参照ください。
大型特殊免許の取得条件
安全に大型特殊自動車を運転することがこの免許の目的ですから、責任を持って運転ができる成人年齢と、最低限の身体能力(健康な身体)が取得条件となります。
① 年齢 18歳以上であることが取得条件です。
② 身体能力
視力(矯正視力含む)が両眼の合計で0.7以上必要です。
片眼で0.3以上(0.3未満の場合、は他眼で0.7以上、視野150°以上)が必要な取得条件となっています。
色彩識別において赤・青・黄の識別が可能であること。
聴力において90デシベルの警報音が10mの距離で聞こえること。
運動能力において車両運転においてその運転・操作に支障の無い四肢、体幹を持つこと。
(補助手段で運転に支障が無いと認められること。)
以上の普通免許を取得する際と同様な取得条件があります。
そして、必要な免許として「普通MT免許を取得していること」が加わってきます。
特殊車両にはギアチェンジを運転に必要とするものが多いことからこのMT免許が取得条件になっているのでしょう。
普通免許取得時に、MT免許を取得しておくことはATも運転可能でありMT免許の取得をお勧めします。
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大型特殊免許の試験内容
大型特殊免許の試験は学科試験と技能試験の2つに分かれています。
学科試験は文章問題が90問、イラスト問題が5問(1問につき3つの設問)です。
しかしながら、普通自動車免許を取得していれば、この学科試験免除されます。
技能試験はコース内での運転技術を評価する実技試験です。
普通免許の技能検定試験と同様です。
運転する車両が普通自動車から大型特殊自動車に変わっただけです。
車両の形状。特性に合わせての車両の乗り方・運転姿勢、発進と停止時の注意、速度調整、走行位置と進路保持、カーブでの通行方法、坂道の進行、狭路の進行、交差点での進行方法など実際の公道での運転を想定しての技能試験です。
大型特殊免許の取得方法
大型特殊免許の取得方法には教習所利用と一発試験の2つの方法があります。
この2つの取得方法をご説明いたします。
・教習所に通う場合
教習所では学科及び技能講習を受講します。
ただし、普通免許を持っていれば学科講習は免除となります。
技能講習だけの受講で6時間の受講が済めば卒業検定を受けることが出来ます。
仮免許もありませんから6時間の技能講習は順調に進むはずです。
自身のご都合に合わせての教習は時間と費用はかかりますが、確実に取得が出来る安心感があります。
時間が無く少しでも早く免許取得を目指す方には教習所によっては合宿教習の運営をしているところもあります。
それぞれのご都合で判断していただければよいと思いますが、この大型特殊免許の講習を行っていない教習所もありますのでご注意ください。
・一発試験の場合
時間が無い、かける費用の負担が大きすぎると感じる方のなかには一発試験に挑もうというかともいらっしゃることでしょう。
一発試験は教習所に利用せずに、運転試験場で試験を受けることです。
費用は、試験手数料2,600円・貸車手数料1,450円・免許証交付手数料2,050円、合計金額は6,100円だけです。
一般的には何らかの事情や理由で免許を失効した人が再取得のため一発試験を受けることが多いようです。
しかしながら、かかる費用の安さから若く柔軟な頭脳を持って一発試験にチャレンジしてみるのは経験として決して悪い事ではないでしょう。
動画サイトで多くの運転技術の説明もあります。
本当の必要性を思い、独学で身に付ける技術は本当の自分のものになっていくことでしょう。
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大型特殊免許の一発試験における注意点
大型特殊免許の一発試験を受験される方に頭に入れていただく注意点がいくつかあります。
・何度も試験を受け直すケースがある
一発試験は運転免許試験場での免許試験の受験です。
当然ですが簡単ではありません。
最初から何度も受け直す覚悟を持って受験する方もいらっしゃるでしょう。
費用である試験手数料2,600円 ・貸車手数料1,450円 ・免許証交付手数料2,050円、合計金額は6,100円のうち、免許証交付手数料2,050円は試験に合格しなければ取られることはありませんのでかかる費用は試験手数料2,600円 ・貸車手数料1,450円の合計4,045円だけです。
最寄りの運転免許試験場までの交通費、免許取得のその日までの時間を費用に換算しての費用対効果、なかには教習所に行けない事情の方もいると思いますから、何度も試験を受け直すケースがあったとしても個人の価値判断によるところかもしれません。
・試験を受けられるのは平日のみ
試験を受けられる日は限られてきますのでご注意ください。
公官庁である警察が所管の運転免許試験場です。
日曜日や祝日に受験はできません。
試験は、休日を除く月曜日から金曜日に実施しています。
地域ごとの運転免許試験場で試験時間は決まっていますので所管警察のホームページで調べてください。
なお、学科試験業務はオンライン予約システムによる完全予約制になっています。
・練習場所が限られる
大型特殊免許の一発試験を受験される方にとって注意点というよりは重要ポイントともいうべき重機車両運転の練習場所です。
勤務先の奨励などもあって協力体制でもない限りなかなか場所を確保して練習を行うことは難しいです
もちろん公道に出るわけにはいきませんから公道を想定しての練習が中心になるでしょう。
技能試験で減点されるポイントは決まっています。
ネットサイトの「一発試験体験談」や動画サイトでの「解説シリーズ」は参考になると思います。
・操作方法を身に付けるのが難しい
練習場所が限られるということは操作方法を身に付けることが難しいということになります。
勤務先の先輩に教えてもらい、あとはひたすら独学で練習するしかないと思います。
ただ、正しい(運転免許試験場が正しいとする)運転操作方法を身に付けなければなりません。
そのためには、やはりインターネットの動画サイトをよく見ることが運転操作を身に付ける一番の方法かも知れません。
大型特殊免許の取得にかかる費用
では、大型特殊免許取得にどれだけの費用がかかるのか、気になるところです。
普通免許有りの場合7~9万円ほど、普通免許無しの場合16~20万円ほど、合宿教習で普通免許有りの場合、10~13万円ほどかかります。
ただし、地域や教習所によってかかる費用は変わってきますのでご確認ください。
一発試験にかかる費用は、試験手数料2,600円・貸車手数料1,450円・免許証交付手数料2,050円、合計金額は6,100円だけです。
・大型特殊免許の給付金について
大型特殊免許の取得にあたってかかった費用に対しての給付金制度があります。
厚生労働省が行っている「教育訓練給付制度」です。
「働く人たちの主体的な能力開発やキャリア形成を支援し、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的」にしており、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、受講費用の一部が支給されるものです。
大型特殊免許取得もこの教育給付金制度に指定されています。
「一般教育訓練」に指定されていて、受講費用の20%(上限10万円)が訓練修了後に支給されます。
・大型特殊免許の取得にかかる日数
大型特殊免許取得のためにかかる日数は普通免許を持っているかどうかで変わってきます。
普通免許を持っていない場合、学科教習が22時間、技能教習が12時間です。
普通免許を持っていれば技能講習6時間だけです。
日数では通う教習所によってルールが違いますので、かりに2時間/1日であれば3日間で教習所は卒業です。
そして、大型特殊免許の場合、基本的に3か月以内に教習所を卒業する必要がありますので時間の普通免許を持っていない場合には講習スケジュールの調整に注意しましょう。
一発試験の場合は、もちろん1日です。
まとめ
重機・建機の作業にこの大型特殊免許の取得は不可欠でセット物と考えてください。
重機・建機が長時間同じ場所で作業を続けることは非常にレアなことで、必ず公道を走っての移動があります。
大型特殊免許は必要なのです。
今回の『豆知識』を参考にしていただいて今後の業務にお役立てください。
トラックファイブは『豆知識』でこれからも皆さまのお役に立つ情報をお届けします。
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