イモビライザーとは?仕組みや搭載車の確認方法、紛失時の対処法などを徹底解説!
現代の車のキーは私たちのもともと持つ『鍵』の概念から離れて、大きく進化しています。
そして、ここにもコンピューターを外すことはできません。
今回の『豆知識』ではイモビライザーをよく知っていただき、車両の盗難を未然に防ぐことや搭載車の確認方法、紛失時の対処法まで解説をさせていただきます。
目次
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イモビライザーキーを知る前に…車の鍵のタイプを確認
自動車の鍵の目的はドアのロックとエンジンのスタートです。
万が一、お持ちの鍵を紛失された場合、使われていた鍵のタイプを知ることがその後の対応に非常に重要になります。
トラックでもイモビライザー装備は増えています。
イモビライザー以外にも数種類ある車の鍵のタイプを確認していただきお手元の鍵がどれに当たるかをご認識下さい。
1:リモコンキー
ドアの施錠・開錠をボタン一つで行うキーレスエントリーやワイヤレスキーとも呼ばれる従来のメタルキーの頭に小さなリモコンスイッチの装備されたキーです。
電波の届く範囲以内であれば、開錠の際、わざわざキーをさして回す必要が無く、雨降りの時に非常な便利なリモコンキーです。
このリモコンキーはエンジン始動の際には従来通り一般的なキーをさして回す必要があります。
2000年代の新車にはこのリモコンキーが非常に多く、同時にイモビキーである可能性も高いです。
2:スマートキー
スマートキーには従来の鍵部分はありません。
電波の届く範囲以内であれば車に近づくだけでドアの開錠・施錠やエンジンの始動が自動にできます。
雨の日にはキーのスイッチを押す必要さえありません。
ハンズフリーのスマートキーにはスイッチがついていますが、そのスイッチはトランクの操作と離れた場所からのドアの開閉、エンジン始動のために使います。
その方法はカードキーと同様です。
車内にはもちろん鍵を差し込むイグニッションもありません。
スマートキーを持っていれば反応するスタートボタンがあり、押せばエンジンは始動します。
このプッシュスタート方式であれば、ほぼイモビライザー搭載だということが分かります。
3:刻みキー、メタルキー
最も基本的な初期からある車のキーです。
かつては主流だったこの刻みキー・メタルキーを差した奥にエンジンを動かすイグニッションキーシリンダーがあり、エンジンを始動させる重要な役割を果たしました。
頭部分まで含めてオールメタルの場合、イモビライザーは関係無しと、すぐに識別できますが、頭部分にプラスチック製のキーシェルの付いている場合にはイモビライザー搭載の可能性が出て来ます。
グレードやオプションでイモビキーである場合があります。
4:カードキー
基本的にスマートキーの操作と似ていますがカードキーにはリモコンボタンがありません。
ハンズフリーの操作のなか、ドライバーが接近すればドアを開錠し、離れれば施錠する機能とともにカードサイズと言う利便性から免許証やカードとともに持ち歩くことができていまだに愛用者の多いカードキーです。
エンジン始動は車内のエンジンスタートボタンとなるため、カードキーにはイモビライザー搭載と考えて間違いありません。
5:イモビライザーキー
車が鍵を認識するという従来の発想とは違う車の盗難防止装置であるイモビライザー。
現在のところ盗難防止に100%ではないにしても、AIとの相性の良いイモビライザーキーは自動車キーとしてますます日本でシェアを広げていくことでしょう。
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そもそもイモビライザーとは?
イモビライザーは英語の『Immobilizer』です。
Imは接頭語で「~に反する」などの打ち消す意味があり、mobilizerはmobileの派生です。
mobileはmoveの派生「可動性の」と言う意味ですから、二つの言葉を合わせて「動かないようにするもの」と言う意味です。
キーと車のチップが合わなければ車を「動かないようにするもの」がイモピライザーです。
・車のイモピライザーのしくみ
イモビライザーは、車両のエンジンを始動させる際に必要な「イモビライザーキー」と「イモビライザー制御ユニット(または受信機)」の組み合わせを使用しています。
イモビライザーキーには内部にマイクロチップが埋め込まれており、固有の識別情報が格納されています。
車両にはイモビライザー制御ユニットが搭載されており、キーからの信号を受信します。
イモビライザー制御ユニットは受け取ったキーの識別情報と事前にプログラムされた情報を照合します。
もし正しい情報が一致した場合にはイモビライザー制御ユニットはエンジンの始動を許可し、点火システムを解除します。
しかし、認識できないキーを使用した場合、イモビライザー制御ユニットは識別情報の不一致を検知しエンジンの始動をブロックします。
このように、イモビライザーは正規のキー以外では車両のエンジンを始動させることができないようにすることで、盗難を防止するのです。
・イモビライザーのメリット・デメリットについて
・メリット
正規のキー以外では車両を始動することができないため、盗難リスクを減らすことが出来ます。
セキュリティの強化のために暗号化技術を使用しており、不正なキーからのなりすましを防止します。
・デメリット
一番のデメリットはキーを紛失した場合です。
イモビライザーキーを紛失した場合、車両の始動ができなくなるためさまざまなトラブルが生じます。
その対応方法にはいくつかありますがどの対応にしても簡単・即座にできることではありません。
車両故障の発生した場合には専門業者でなければ対応できません。
イモビライザー制御ユニットやキーシリンダーなどの部品に故障が発生すると、エンジンの始動ができなくなる可能性があります。
これらの電子制御された部分の故障はイモビライザーに限ることなく、技術と知識を持った専門家でなければ対応は難しく大きなデメリットとなります。
イモビライザーを搭載しているのか確認する方法
EU、オーストラリアなどイモビライザー搭載を義務化している国が増えていますが、日本では検討だけで終わり、イモビライザーの搭載はバラツキのある状態です。
そんなイモビライザーの搭載を確認する方法があります。
1:インジケータランプ(イモビランプ)の確認
イモビライザーの搭載を確認する直接的な方法です。
インジケーターパネルのなかやその付近にイモビライザーの搭載車であればセキュリティ・インジケーターランプがあるはずです。
このセキュリティ・インジケーターランプの存在には2つ意味があります。
1つはイモビライザーの搭載と作動を意味しています。
そしてこのセキュリティ・インジケーターランプはエンジンが止まっている間ずっと点灯、もしくは点滅しています。
ここにもう1つの意味があります。
駐車中、日中でも深夜でもずっと点灯、もしくは点滅しています。
このことでイモビライザーの搭載車両であることが簡単に判明でき、そのことが車両窃盗犯たちへの抑止力となり、防犯につながるのです。
セキュリティ・インジケーターランプの点灯・点滅は夜間にも非常に気づきやすく、車両窃盗犯たちへの大きな抑止力になっています。
加えて、イモビライザーの搭載車両には搭載車両だと一目でわかるステッカーが貼られていることがあります。
その事も車両窃盗犯たちへの大きな抑止力となっていることは間違いありません。
2:車検証の確認
車検証には多くの情報が記載されています。
それを読み取ることによってその車両の特定ができ、イモビライザーの搭載車両かを調べることができます。
イモビライザーの搭載車両かどうかを調べるのには『年式』『型式』『グレード』が必要になります。
これらを車検証から読み解くのです。
最初に『年式』を調べるためには車検証の最上段にある「初年度登録年月日」を見ます。
そこで『年式』を確認します。
続いて『型式』は最上段より4段目の「型式」の欄から読み取ってください。
そして、『グレード』を調べるために「型式」の欄の1段上の「車体番号」を読み取ってください。
この「車体番号」でメーカーサイトからグレードを検索できるはずです。
車検証から『年式』『型式』『グレード』を読み取ってイモビライザーの搭載車両であるかを見分けてください。
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イモビライザーキーをなくした場合の対処法
キーが無ければエンジンが動かないイモビライザー搭載車両、無くしてはいけないとどんなに気をつけていてもヒューマンエラーは起きてしまいます。
その際にはどうするべきか、よく頭に入れていただき対処してください。
1:遺失届を警察に出す
防犯性の高いイモビライザー搭載車両ですが、キーを紛失してしまったら、話しは変わってしまいます。
万が一外出先でキーを落としてしまい、それを悪意ある人間に拾われて車両の特定に結びついてしまったらどうすることもできません。
そんな場合にはまずは警察に遺失届を提出してください。
善良な人間にキーが拾われて届出がされていればすぐに手元に返ってくるでしょう。
犯罪につながる可能性もあるのでまずは警察署か派出所まで足を運んでください。
2:スペアキーの有無を確認する
警察に遺失届を出した後にスペアキーの有無を確認してください。
そして、スペアキーがあれば、それを持ってディーラーに行って相談しましょう。
スペアキーが無ければレッカー移動でディーラーまで行くか合鍵屋を呼ぶしかありません。
車を分かりやすい青空駐車場に駐車していれば、万が一悪意を持った人間に拾われた場合には特定されてしまう可能性は高いです。
早急に新たにイモビライザーキーを交換しなければなりません。
しかしながらここまでの説明に目を通していただき、イモビライザーの簡単でない仕組みをご理解いただけたと思います。
イモビライザーキーを交換することは可能ですが、相応な時間(日数)と相応な費用が必要になってしまいます。
イモビライザーのスペアキー(合鍵)をつくる方法は?
イモビライザーのスペアキーを作ることは可能です。
ディーラーで作ることがもちろん一番安心な方法ですが、緊急の場合はそうもいきません。
そんな場合には合鍵屋に依頼することになります。
1:ディーラーでスペアを作製
ディーラーでスペアキーを作ることが一番間違いない方法でしょう。
もとを作っているわけですからスペアキーの追加発注となり費用も一番安く済むでしょう。
ただし、ディーラーへの発注が納品まで一番時間がかかります。
特に海外のメーカーの場合、スペアキーの発注を海外にある本社まで行う場合もあり、製作元へはインターネットでデータがすぐに届くでしょうが、製作されて日本に届くのにかなりの日数を要してしまいます。
前項のような鍵を落としてしまい、盗難の危険性がある場合には単なる鍵の追加だけとはいかず、キーに付いているIDと車のイモビライザー制御ユニットのIDを一致させるため、イモビライザー制御ユニット自体の交換の必要性も出て来ます。
そうなると、かなりの高額な費用になることがあります。
いずれにしても、乗用車とトラックなど車両の大きさの違いやや、メーカーによって価格
は変わります。
直接確認し、見積書を取ってから発注することが望ましいと思われます。
2:イモビライザーキー対応の鍵屋で作製
鍵専門業者のすべてがイモビライザーに対応できるわけではありません。
トランスポンダというICチップに対応した機械やイモビライザーキーの登録装置などのスペアキー作成機械などの専用機材が必要です。
各自動車メーカーの最新の新車情報も早く得て新しいICチップにも対応できるイモビライザーキーをよく理解した対応可能な鍵専門業者ならばスペアキーの作成は可能です。
その価格は調べてみるとスペアキーの作成費用は1万円~、鍵の交換だけでは済まずにコンピューターの交換まで行うと数十万円、24時間対応の「救急対応」であれば出張費まで含めて8万円~と、かなり幅広い価格となっています。
実際に必要な際には直接確認していただくことが望ましいです。
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イモビライザーキーの後付けは可能?
イモビライザーの後付けは可能です。
メーカー純正のイモビライザーは取り付けてある車種の詳細を調べればそのシステムはすぐに判明してしまいますので、後付けした方がかえってシステムの判別が難しくなって防犯を考えるとより有効です。
車両の窃盗も集団化し、ITを駆使して車両の情報から忍び寄ってくるならば、あえてこのトリックのような後付け方法が好ましいのかも知れません。
イタチごっこを続ける頭脳同志の勝負のような車両窃盗に有効な『後付け』と言えるかも知れません。
イモビライザーは万全な盗難防止装置ではありません
世界中で取り入れられているこのイモビライザーは万全な車両盗難防止装置ではありません。
このイモビライザーで出来ることはエンジンの始動をさせないことだけなのです。
窓ガラスを破れば目的を達成できる車上荒らしにこのイモビライザーは関係ないのです。
そしてコンピューター制御の防犯システムはイタチごっこです。
日進月歩のコンピューターの世界に最新と言う言葉はありません。
『イモビカッター』というIDを書き換えるツールでの車両窃盗も増えています。
『リレーアタック』という2,3人のグループで行う車両窃盗もあります。
ドライバーの所持するキーや自宅玄関に置いたキーから出る電波を1人が拾い、2人目、3人目と特殊な増幅器でその電波を増幅させて車両に反応させて車両を窃盗するのです。
『CANインベーダー』という車両窃盗の手口はまるで映画の世界同様です。
車両のCAN (Controller Area Network)配線に直接アクセスするのです。
そしてエンジンをかけて車両を窃盗するのです。
イモビライザーだけでは車両の盗難防止はすでに不可能になっているのです。
まとめ
万全とは言えないまでも、車両の盗難防止には大きな力を発揮するイモビライザーです。
このイモビライザーの取り扱いで一番大切なのは『無くさないこと』でしょう。
紛失してしまうことで起きる心労に加え、合鍵作りだけでは済まない二次的とも言える車両盗難に対しての鍵の取換えには時間の浪費ばかりか想定外の費用まで発生します。
慎重に、そして大切にイモビライザーを取り扱ってください。
TRUCK BIZは皆さまのお役に立つ情報をこれからも『豆知識』でお届けしていきます。
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