エレメントとは?オイルフィルターとの違い、交換のタイミング・方法などを解説
オイルエレメントを『エレメント』と簡単に呼ぶことがありますが、実はエレメントはオイルエレメントだけではありません。
今回の『豆知識』ではエレメントのこと、そのエレメントとオイルフィルターとの違い、オイルエレメントの交換のタイミング・方法などを解説いたします。
目次
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そもそもエレメントとは?
エレメントとは何なのでしょうか。
私たちは普段何気なくこのエレメントと言う言葉を使っています。
『Element』は英語で自然界を形成すると考えられた基本要素・構成要素を言っています。
「構成をする要素・成分」という意味です。
英語での科学の文脈では元素を指すことが一般的で、周期表に表わされる化学元素(carbon、hydrogen、ironなど)がこれに当たります。
IT用語、IT(情報技術)の文脈ではエレメントはコンピュータやプログラミングにおいて、特定のデータや要素を指すことがあります。
HTMLやCSSなどのウェブ開発においてはウェブページの構成要素や部品を指す場合に使われます。
アンテナの素子では、エレメントはアンテナの構成要素や放射体を指します。
アンテナは無線通信や電波の受信・送信に使用される装置であり、エレメントは電波を効果的に捕捉したり放射したりする役割を果たします。
木質材料としてのエレメントは、木質材料の一部を指すことがあります。
建築においては、構造や内装に使用される木材の部材やパーツを指す場合に使われます。
このようにエレメントは各分野で全体を構成する要素や部分の一つを指す場合に使用されています。
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オイルエレメントとは
エンジンオイルをフィルタリング(濾過)するためのエレメントであり、その機能と役割を分かりやすく示すために採用された名称がオイルエレメントです。
オイルエレメントは車両に数ある部品の一つのエレメントです。
オイルフィルターばかりか、エアフィルター、燃料フィルターなど、さまざまな種類があります。
それぞれのエレメントは、特定の液体や空気のフィルタリングを担当し、エンジンや車両の正常な動作を保つ役割を果たしています。
オイルエレメントはエンジンオイルのフィルタリング(濾過)をするためのエレメントです。
・オイルエレメントの必要性は?
エンジンという車両の心臓部を健康にいつまでも活躍させるためにエンジンオイルが必要です。
しかしながらこのエンジンは金属で製造されており、そのまま使うわけにはいきません。
金属のシリンダー内を金属のピストンが激しく動きます。
エンジンオイルはエンジン内に入り込み潤滑作用によってこの動きを助け、そればかりか燃料の燃焼による高熱を下げる手伝いをします。
そこにはスラッジ(よごれ)や金属片が生まれ、オイルが洗浄してくれます。
そして、その汚れたエンジンオイルの濾過のためにオイルエレメントが必要なのです。
・オイルフィルターとの違いは?
エレメントは、エンジン内の異物や不純物を除去するために使用されるオイルフィルターの一部です。
オイルフィルターの構造は金属製のカートリッジ内にエレメント、フレーム、リリーフバルブやアンチドレーン弁は度の部品が組み込まれています。
オイルフィルターによってはエレメントだけを取り換えるタイプもあります。
リリーフバルブはいつもは閉じていますがエレメントの目詰まりがひどくなるとエンジンオイルを循環させるために開きます。
ただ、この場合は濾過ができなくなっているのでそのままのエンジンオイルが循環してしまいます。
アンチドレーン弁は車両のエンジンが停止中に閉じてエンジンオイルの逆流を防ぎます。
エレメントは異物や不純物を除去するためのフィルターの総称です。
オイルフィルターはエンジンオイル中の不純物を捕捉するための具体的なフィルターの一種です。
車両のメンテナンスや点検時には、エレメントやオイルフィルターの交換が定期的に行われることが推奨されます。
オイルエレメントを交換するタイミングはいつ?
まずはトラックの定期点検時のメンテナンススケジュールに沿ってください。
そうでない場合、目安としてのオイルエレメントを交換するタイミングは通常、走行距離で20,000㎞と言われています。
そして、エンジンオイルとともの交換が経済的にもよいタイミングとなります。
エンジンオイル交換を20,000㎞程度で推奨されていますから、エンジンオイル交換を行う際にオイルエレメント交換を行うのが一番効率的です。
理想はオイル交換ごとに新しいオイルエレメントに交換することです。
毎回のエンジンオイルととものオイルエレメント交換は、エンジンオイルの効果的なフィルタリングを行うことにつながります。
環境や使用条件によってもオイルエレメントの交換時期は異なる場合があります。
たとえば、過酷な条件下での運転や頻繁な長距離走行があれば、より頻繁な交換が必要になる場合があります。
・オイルエレメントを交換する効果、メリット
オイルエレメントを交換することによって得ることのできる一番大きなメリットはエンジンオイルをきれいな状態で維持できるということです。
きれいなエンジンオイルでシリンダー内のピストンの動きはスムーズになり、密閉作用によって出力は上がります。
エンジン内の冷却作用は高まり、防錆作用は持続します。
オイルのスラッジ(汚れ)や金属片を取り除き、エンジンの焼き付け防止になります。
そして何よりも最終的には燃費の向上につながっていきます。
・オイルエレメントを交換しない場合のリスク、デメリット
オイルエレメントを交換しない場合のリスクやデメリットは大きなものかも知れません。
オイルエレメントを交換しない場合そのままでいるとやがてフィルターが目詰まりしてしまいます。
フィルターが目詰まりを起こすことによってエンジンオイルが循環しなくなってしまいます。
それによってフィルターの緊急時のバイパスであるリリーフバルブが開栓します。
このリリーフバルブが開栓してしまうと汚れたままのエンジンオイルが循環してしまうことになります。
汚れたエンジンオイルはエンジンの不調や燃費の悪化をひき起こすばかりか、最終的にはエンジンの寿命を短くしてしまいます。
エンジンオイル交換とともに行えば、オイルフィルターであるオイルエレメントの交換はカセット式になっているため難しい作業ではありません。
しかも部品としてのオイルエレメント自体は高価な金額ではありません。
そんなオイルエレメントですが重要な役割を果たし、大切なトラックのエンジンに大きく良い影響を与えています。
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オイルエレメントを自分で交換する方法について
オイルエレメントを自分で交換することは安全性や費用対効果を考えれば整備士に依頼することをお勧めしますが、経験のため、トラックの機能をよく理解するために行うことも時にはありかも知れません。
・オイルエレメント交換で事前に準備するもの
必要になるのは交換のための道具・器具、オイルエレメント(カセットタイプ)、エンジンオイルです。
・道具、器具(オイルエレメント用トレンチ、廃油受け皿など)はこの作業ために購入するのは経済的ではありませんので借用されるのが望ましいです。
・油ふき取り用ウェス、古新聞
・効果用オイルエレメント(カセットタイプ):2,000円程度~
・エンジンオイル:500円程度/Lを必要容量
・オイルエレメント交換の手順
- エンジン底のドレンボルトを外してエンジンオイルを抜きます。上手に廃油受け皿に流してください。
時間はかかりますが流し切ってください。
- 古いオイルを抜き終えてから専用のトレンチで古いオイルエレメント(カセットタイプ)を外してください。
この際カセット内にもオイルが残っているので気をつけて外して下さい。
- 新しいオイルエレメントを、外した逆の要領で締めればオイルエレメントの取付けは完了です。
この際に漏油防止機能のOリングも取り付けられているか確認を忘れないでください。
- 同時にエンジン底のドレンボルトもしっかり締め付けてください。
小さなボルトですが、エンジンオイルの栓となりますからしっかり締めてください。
- 用意した新しいエンジンオイルを入れてください。
これでオイルエレメントの交換は完了です。
・オイルエレメント交換の注意点
エンジンのサポートシステムの交換だということを十分認識して慎重に作業は行ってください。
作業中は適時、用意したウェス、古新聞を使って廃油のふき取りをして下さい。
廃油は産業廃棄物です。
ガソリンスタンドなどで処分してもらってください。
ドレンボルトのワッシャーは新品に交換してください。
オイル漏れを起こさないように慎重に行ってください。
なお、エンジンは鋳物です。
ドレンボルトの締め付けを強く行うとエンジンのオイルパンが壊れてしまう場合があるので要注意です。
繰り返しますがエンジンオイルの栓となりますので慎重にお願いします。
以上の注意点を頭に入れてオイルエレメントの交換を行ってください。
オイルエレメントの交換を依頼する場合について
オイルエレメントの交換は経験のため、知識のために行うのであれば一度や二度の自身での交換もありかも知れません。
しかし、安全を第一に考えるのであれば、プロの整備士に任せるべきです。
専用の作業環境・設備の揃った整備工場での交換を依頼するべきでしょう。
・オイルエレメントの交換ができるお店、施設
トラックという車両の大きさの特性からオイルエレメントの交換が可能な場所は厳選して探さなければならないかも知れません。
- ディーラー
新車で購入したトラックであるならば安心して任せることができるでしょう。
- 整備工場
中古車両であるならばまずはこの整備工場でしょうか。
- ガソリンスタンド
全てのガソリンスタンドに整備施設が整っているわけではありません。
- カー用品店
探せば案外低価格での交換が可能かもしれません。
・オイルエレメント交換にかかる平均費用
オイルエレメント交換にかかる平均費用です。
オイルエレメント本体(カセット)が平均すれば2,000円/個、ほどです。
エンジンオイル代は平均して500円/Lを必要容量となります。
そして工賃が必要となりますが、交換をする場所が、上記のような整備工場、ガソリンスタンド、カー用品店かで変わってくるでしょう。
地域性もあり、この工賃はお近くで直接調べていただくとよいでしょう。
・オイルエレメント交換を依頼する場合の注意点
ディーラーや整備工場でオイルエレメントの交換を依頼するとガソリンスタンドやカー用品店での交換よりも若干高い交換代金を請求されるかも知れません。
しかし、安全を第一と考えるのであれば、自動車整備士という責任ある国家資格を持った整備士にご自身のトラックは預けるべきです。
ガソリンスタンドやカー用品店では整備士資格を持った人間がいない可能性もあるのです。
特に小規模のガソリンスタンドなどではオイルエレメントの交換が可能な設備を備えていないこともあります。
金額だけにとらわれずにオイルエレメント交換の依頼先の選択を行ってください。
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オイルエレメントの選び方と注意点
トラックのオイルエレメントを選ぶ際には、以下の要素に注意しながら選択することが重要です。
- 車両の適合表を確認する
トラックメーカーの適合表には、使用すべきオイルエレメントの仕様や適合する製品が記載されています。
適合表を確認し、トラックメーカーが推奨するオイルエレメントを選ぶことが重要です。
- 性能性と品質を考慮する
性能性に関しては、フィルタリング効率や寿命などが考慮されます。
品質に関しては、信頼性の高いメーカーや認定を持つ製品を選ぶことが望ましいです。オイルエレメントはエンジンの保護と燃費に直結するため、品質の高い製品を選ぶことが重要です。
- 適合した製品を選ぶ
オイルエレメントは車種やエンジンの仕様によって異なる場合があります。
適合した製品を選ぶために、車両の年式、エンジンの排気量、型式などの情報を確認し、製品の仕様と一致することを確認しましょう。
- 走行環境を考慮する
走行環境によってもオイルエレメントの選択が異なる場合があります。
たとえば、過酷な条件や環境では、より高いフィルタリング能力を持つ製品が適しています。
走行環境や使用条件に応じて、耐久性や効率性などを考慮して選択しましょう。
まとめ
エンジンオイルのフィルターであるオイルエレメントは非常に重要な役割を持ち、その機能を果たしています。
トラックの心臓部であるエンジン、このエンジンに最大の力を発揮させてしかもその力を長く持続させなければなりません。
そのためのサポートを行うオイルエレメントに人類の叡智を感じないわけにはいきません。
今回の『豆知識』ではそんなオイルエレメントのご紹介でした。
このオイルエレメントと縁の深いエンジンオイルの過去記事も是非ご覧ください。
TRUCK BIZは皆さまのお役に立つ情報をこれからも『豆知識』でお届けしていきます。
※2022年10月『豆知識』の過去記事です。
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