海コンとは?運転手(ドライバー)の仕事内容や給料、求人事情などを解説!

『海コン』とは海上コンテナの略です。

ですから、海上(かいじょう)コンテナ→『かいこん』と読みます。

海コンテナは世界の物流の必須アイテムです。

と、言うのもこのコンテナのサイズはユニバーサルサイズ、国際規格なのです。

20フィート(約6m)と40フィート(約12m)の二種類のコンテナは船で揺られて世界中を行き来し、港で降ろされて着いた国内ではトレーラーによって移送され目的地にまで運ばれます。

今回の『豆知識』では、この海コンのドライバーの仕事や内容、給料、求人情報などを解説いたします。

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海コン(海上コンテナ)とは?

このコンテナは二十世紀における三大発明の一つと称されています。

世界中の物流における規格が一つに定まったことによって、あらゆる無駄が排除されたのです。

コンテナが登場するまでは船での物資の輸送はすべてバラ積み、しかも多くは人間の手によって船積されるしかなかったのです。

もちろん荷降ろしも同様な作業が必要でした。

それを規格の揃ったサイズのコンテナに荷さえ積めば船への積込みはコンテナごとクレーンで行うことができて、港に着いた後も同様にクレーンで降ろすことができます。

そしてコンテナに収まった荷はそのままトレーラーで目的地まで運ぶことができます。

そして荷降ろししたコンテナは何度でも利用できるのです。

20フィート(約6m)と40フィート(約12m)という長いコンテナを積んでトレーラーを走らせるのが海コンドライバーの仕事です。

 

・コンテナの種類一覧

20フィート(約6m)と40フィート(約12m)の規格サイズで運ぶ荷によって最適な機能を持つコンテナの種類が生まれています。

 

〈ドライコンテナ〉

私たちがよく目にする一番普及しているコンテナがドライコンテナです。

コンテナトラックの荷台に積まれている細長い箱型のスチール製のコンテナです。

生活物資から工業製品、産業物資まで幅広く一般貨物の常温での輸送に利用されています。

 

〈冷凍冷蔵コンテナ〉

冷凍品や生鮮食品・材料輸送用のコンテナです。

断熱材の仕込まれたコンテナに冷凍冷蔵機器が設置されています

一般的にはマイナス25℃からプラス25℃までの温度で調節可能で、生鮮食品・材料ばかりではなく、精密機械などの輸送にも利用されています。

 

〈タンクコンテナ〉

規格サイズ内に収められたタンクのコンテナです。

液体や粉末などの粒状体の燃料、原材料の輸送を目的にしています。

積み替えの回数、手間を省くこのタンクコンテナは効率ばかりか、安全にも役だつ有能なコンテナです。

 

〈オーバートップコンテナ〉

コンテナの上部がオープンになった形状のコンテナです。

かさのある機械製品などの輸送に適しています。

コンテナに収まりきらない背の高い貨物などを輸送するのに適しています。

 

・海コンの運行事情について

海コンの運行事情は遠くない将来に変化が起きてくるかも知れません。

運送業界での2024年問題によってドライバーに年間「960時間」の時間外労働の上限規制が適用されるためです。

現在のトラックによる陸上輸送からはみ出てしまう部分をモーダルシフトに振り替えるため、海上輸送が増える予想を海運業界では立てています。

そう考えるとトラック業界自体の仕事は抑えられても、海コンの仕事は上向きなのかも知れません。

このモーダルシフトは化石燃料を使いCO2をばらまくトラックから環境負荷の少ない船舶・鉄道に換えていこうという考えです。

コンテナを積み貨物列車は走り、コンテナ船に貨物コンテナを満載し一度に大量の輸送を環境負荷を少なく行いますが、貨物列車はターミナルに着き、コンテナ船は目的港についてもその先はコンテナを運ぶ海コンドライバーがいなければ仕事を最後まで成就することは出来ないのです。

 

※一番流通しているコンテナの規格サイズです。

10フィートコンテナ
長さ 2.99m
2.43m
高さ 2.43m
最大総重量 10,160㎏
20フィートコンテナ
長さ 6.05m
2.43m
高さ 2.43m
最大総重量 30,480㎏
40フィートコンテナ
長さ 12.19m
2.43m
高さ 2.59m
最大総重量 30,480㎏
40フィートハイキューブコンテナ
長さ 12.19m
2.43m
高さ 2.89m
最大総重量 30,480㎏

 

 

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海コンの運転手(ドライバー)の平均給料

 

さて、気になる海コンドライバーの給料です。

国土交通省の発表している資料を参考にすると年収400~450万円くらい、30~40万円くらいの月収になるようです。

バブル時期には50万円/月以上の収入を得るドライバーもいたようですが、当時は労働環境が整っておらず、身体に鞭打って働けば働くだけ収入を得ることのできる時代でした。

しかし、今はもうそんなことはできません。

そして雇用契約によりますが、固定給制か、歩合給制かでも給与差は出るでしょうが、多少その金額が多くなる歩合給制も、その時々の景気によって左右があるので一概にどちらが得であるかは言えないでしょう。

一般的には30万円/月を下回ることはないようです。

 

海コンの運転手(ドライバー)の仕事内容とは?

海コンドライバーの主たる仕事内容はコンテナを積んだトレーラーの運転です。

大型車両であるトレーラーの運転業務が主体の海コンドライバーの仕事内容は一見非常に厳しくきついように思えます。

しかし、一般の運送業のドライバーの仕事内容と積み込み積み降ろしが違ってきます。

コンテナ一つを積み降ろす、しかもそれは当然人力ではなく、クレーンの仕事なのです。

海コンドライバーの仕事はひたすらトレーラーを運転することなのです。

 

・海コンの運転手(ドライバー)の1日の流れ 

ここでざっくり海コンドライバーの仕事の1日の流れをみてみましょう。

・まずは出勤、そして点呼、アルコ―ルチェックなどがあります。

・そして、会社によってはラジオ体操。

・それからその日の社内打合せ・確認を運行管理者などと行います。

・トレーラーの日常点検実施。

・港に行き、貨物の荷降ろしの待機をします。

・指示に従い移動、クレーンでトレーラーにコンテナが積み込まれます。

・配送先への輸送業務。

・到着後、荷主・配送先がコンテナから荷を降ろします。

もしくはコンテナを降ろして別の空のコンテナを回収して埠頭に戻りコンテナを返却し

ます。

このように海コンドライバーの1日の仕事はほとんどが運転業務です。

 

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海コンの運転手(ドライバー)のメリットは?

 

海コンドライバーのメリットの一つは荷役作業が無いことでしょう。

ひと昔前とは違い、リフトでの積み込みや、カゴ台車での荷の積込みが中心になってきたのでバラの荷の積み下ろしは少なくなってきていますが、積込み、降しの荷役作業が無く、クーラーの効いたキャビンに待機できることはメリットと言えるでしょう。

2024年問題も今後の人口減少の問題も経営を行う運送会社には頭の痛い問題でしょうが、海コンドライバーや一般運送に関わるドライバーにとってはメリットとなることでしょう。

労働力の不足は仕事を見つけやすくし、転職を助けてくれます。

年齢は関係なく、特に海コンドライバーは高齢の熟練の経験を持つドライバーに働きやすい世界のようです。

そして、ドライバーによってはその先に別の目標を持って、生きるためにハンドルを握っている方も少なくないでしょう。

次の目標に向けてトレーラーキャビン内で資格取得の勉強をする時間を取ることも可能な大きなメリットもあります。

海コンドライバーの業務の特殊性をメリットにつなげて利用してください。

 

海コンの運転手(ドライバー)のデメリットは?

 

海コンドライバーのデメリットは、それを受け取るドライバーによって変わると思います。

その人によってメリットともなり得るデメリットです。

まずは長時間のトレーラー内での拘束があること。

そして、大型車両であるトレーラーの運転は簡単ではなく、熟練のドライバーでも万が一の交通事故という危険を絶えず意識して運転をしなければならないかも知れません。

一般的にはデメリットとなり得る拘束時間は将来の目的を持つドライバーにとっては仕事中に利用できる勉強時間となります。

難しいトレーラーの運転も、運転が好きでドライバーを続けている方にとってはデメリットではないかも知れません。

どなたにもトレーラーの車長の長さと重量にある特性をよく理解して難しい運転を克服してもらいたいものです。

この『豆知識』の過去記事をご参照いただきデメリットをメリットに変えていってください。

 

※TRUCK BIZ 2023年4月の過去記事です。

『トラックの安全運転は内輪差に注意!計算方法や運転のコツを公開』

※TRUCK BIZ 2022年8月の過去記事です。

『オーバーハングを解説 トラックの事故を起こさないためのポイントとは』

 

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海コンの運転手(ドライバー)の求人事情

海コンドライバーの求人事情です。

海コンドライバーに限ることなく、運送業界の求人倍率は3倍に近い数字で推移しています。

全産業の約2倍の倍率なのです。

これは仕事のキツさと、決して高額所得とは言い難い収入から生まれている結果です。

そんな現状に加えて2024年問題、この先の人口減少問題でどの経営者も求人には頭を悩ませています。

でもこれは、買い手市場の海コンドライバーの求人事情なのです。

少しでも条件の良い会社を見つけて、将来にわたって無くなることのない海コンドライバーとして腕を磨くのには今はいいチャンスかも知れません。

 

・海コンの会社選びのポイント

買い手市場の海コンドライバーの求人事情のなかで、ご自身の条件や希望に合った会社を選んでください。

大型免許をお持ちでない、初心者の方は資格取得の支援を行う会社を選んでください。

この人材不足のなか、大型免許、牽引免許を持たないドライバーに資格取得の支援を行い海コンドライバーに育てようとしている会社もあります。

その期間は若干の給料が安くなろうとも資格は個人の持ち物になり、一生物です。

人よりも多く稼ぎたく、稼ぐ自信のある方は歩合制のシステムの会社を選んでください。

そして、安定と待遇の良さを求めるのならば大手運送会社を選んでください。

経験や資格は必要になりますが、高い給料や安定した福利厚生などを求めるのであれば大手の海コンの会社を選んでください。

 

海コンでよくあるQ&A

なかなか馴染みの無い海コン業界でよく聞く疑問、そのQ&Aをご紹介します。

 

①:海コンへ転職・就職するのに必要な資格はあるの?

はい。必要な資格はあります。

大型免許、牽引免許が必要となります。

しかしながら、先ほど説明しましたようにこれらの免許取得を支援する制度を持った会社があります。

人材不足の今だからこそある資格です。

そんな会社で制度を利用して入社してから必要な免許取得を考えるのも一つの方法です。

 

②:海コンの運転は難しいの?

はい。難しいです。

トレーラーヘッドでトレーラーという重く長い車両を牽引して行う運転は簡単ではありません。

内輪差・外輪差、オーバーハング現象などの車長の長い車両特有の現象をよく理解して、十分注意を行って運転をしなければなりません。

この『豆知識』の過去記事をご参照いただき理解を深めてください。

 

※TRUCK BIZ 2023年4月の過去記事です。

『トラックの安全運転は内輪差に注意!計算方法や運転のコツを公開』

※TRUCK BIZ 2022年8月の過去記事です。

『オーバーハングを解説 トラックの事故を起こさないためのポイントとは』

 

③:未経験でも海コンドライバーになれるの?

はい。なれます。

特に現在の人材不足であることは大きなチャンスだと考えてください。

未経験であっても入社後には研修によって必要な知識は座学によって教えてもらえます。

現場での研修もあって海コンドライバーとして独り立ちが出来るように研修・教育制度が整えられている会社を選んでください。

人材不足である現在、未経験でも海コンドライバーになれるチャンスがあるのです。

 

まとめ

 

大型車両のトレーラーヘッドを運転し、長い車両のトレーラーでコンテナを運ぶ海コンドライバーの仕事も、個人の事情によったらとても魅力ある仕事なのかも知れません。

海コントレーラーの運転は決して簡単ではありません。

しかし、それを克服し自分の生活スタイルにあった仕事とすることができれば、その先の将来につなげて行くことができるかも知れません。

一般的な運送業界のドライバーの仕事とは少し違う海コンドライバーの仕事は見方によれば魅力ある仕事かも知れません。

 

『豆知識』でTRUCK BIZはこれからも皆さまのお役に立つ情報をお届けします。

海コンドライバーの仕事に関係する過去記事をご参照ください。

※TRUCK BIZ 2022年7月の過去記事です。

『コンテナ専用トラックとは?トラックの種類・必要な資格を解説』

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