トラックのホイールナットが緩むのはなぜ?【原因と対策方法】
トラックや乗用車のタイヤはホイールナットによって車体と一体化しています。
タイヤは摩耗もすればパンクもします。
冬にはスタッドレスタイヤに履き替えるなどホイールごと車軸から取外すことができるのはある意味一番合理的でしょう。
しかし、その取外しや交換は人の手で行われます。
そのためヒューマンエラーによる走行中のホイールナットが緩み外れによる脱輪事故につながる場合も想定されます。
あってはならないそんな不幸を起こさないようにトラックのホイールナットが緩む原因を知り、どう対策したらよいのかを考えてみたいと思います。
目次
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トラックのホイールナットが緩む原因
・締め付けが正しくできていない
絶えず回転し、振動を受けているタイヤはホイールナットによってトラックの車軸に固定されています。
そのホイールナットは正しい締め付けがなされていないと長時間の走行のうちに緩んでくる可能性があります。
一本が緩めば荷重のバランスを失ってホイールと車軸を接合していた残りのホイールナットも緩んで、最悪は破損して脱輪へとつながってしまいます。
そうならないためにトルクレンチを用いてホイールナットを指定のトルク値で締め付けることが重要です。
そして必ず指定されたナットを使わなければなりません
・トルクレンチを使っていない
ホイールを車軸に固定するための定められたトルク値でホイールナットを締め付けることができるようにトルクレンチを使用しなければなりません。
ホイールナットは強く締め付けても、締め付けが足らなくとも熱膨張率の変化によって緩んでしまうことがあり危険につながります。
トルクレンチを使用することによって指定のトルク値での締め付けができます。
・トラックのホイールナットが緩むとどうなる?
トラックのホイールナットが緩むと最悪の場合、脱輪事故につながります。
ニュースで耳にするトラックの脱輪事故、過去には死亡事故に至った大きな事故にまであったのでその恐ろしさは周知のことと思います。
この脱輪事故は2011年(平成23年)から増え続け2020年(令和2年)までに12倍にまで増え続けています。
大型トラックのホイールはタイヤを合わせてその重量は一本100㎏前後あります。
万が一、運悪く市街地で脱輪して人や車両に衝突すれば重大事故になり、高速道路であるならば大惨事を引き起こす可能性のある脱輪事故なのです。
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ホイールナットの緩み防止対策
・ホイールナットの点検
タイヤ交換後やホイールの履き替え後のホイールは特に緩みがちです。
規定されたトルク数をよく確認して点検・締め直しを行うことが必要です。
・増し締めをする
ホイール取り付け後の初期なじみによって、締め付け力が低下してしまう傾向にあるためホイールナットの増し締めを行うことが緩み防止の対策に効果的です。
増し締めは50~100キロ走行後に行ってください。
・日常点検の徹底
走行前の日常点検はホイールナットの緩み防止対策に非常に効果的です。
緩みやサビ、ヒビや亀裂がないかを確認しホイールナットの細かな変化を視覚によって気が付けるようにしてください。
・ハンマーによる打点検
ハンマーによる打点検でのホイールナットの緩み防止対策も効果的です。
ホイールナットをハンマーで打って、指に伝わる振動や音で正常に締まっているホイールナットの音と同じか比較することで緩みの発生に触覚・聴覚で気が付けるようになります。
・タイヤの空気圧をチェックする
タイヤの空気圧を正常に保つこともホイールナットの緩み防止対策に非常に有用です。
各ホイールの空気圧が適正でない場合、均等に各ホイールにトラックの荷重がかからなくなり、特定のホイールナットに荷重がかかり過ぎてしまいます。
そしてタイヤがパンクやバーストを起こしてホイールナットに過度な負荷をかけてしまう場合もあります。
ボルトの折れからタイヤの脱落・脱輪につながる場合もあります
・ホイールナットマーカーを使用する
ホイールナットマーカーは緩むとS字部分が変形するので緩みの発見がしやすくなるアイテムです。
ただし緩みそのものをふせぐことはできないので日常点検での確認が重要です。
特に注意すべき新ISO方式とは
・新ISO方式とは?
新ISO方式は世界中の大型トラック・バスの 95%に採用されている国際標準のホイール取付け方式で、日本では最も新しい基準となっています。
日本には現在3つの規格が存在しています。
従来方式のJIS方式に加えてISO方式、新・ISO方式の三方式が存在しています。
・他の方式とは何が違う?
大型トラックで採用されている新・ISO方式は世界で多く採用されている規格であるため輸出しやすいなどのメリットがある一方で他の規格と互換性がなく、正しい整備ができていないと事故につながりやすいというデメリットもあります。
大型トラックの脱輪事故の多くは左後輪が多く、これをJIS方式と新・ISO方式のホイールナットの締め方である右ネジと左ネジの違いから起こるものであり、日本の左側通行による左折時に大きくかかるトラック荷重が左後輪の新・ISO方式の右ネジを外れやすくしているという意見が多く上がっています。
・方式の見分け方
JIS方式、ISO方式、新・ISO方式の三方式によってホイールナットの種類や閉め方が変わります。
事故につながることですから、よく確認してください。
この方式の見分け方はホイールナット座面の形状の他、ホイール識別ラベルにて記載されています。
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まとめ
トラックの車軸とタイヤをつなぎとめているホイールナットは非常に重要な部品の一つです。
ホイールのJIS規格とISO規格、新・ISO規格の問題、それに付随する脱輪問題は結論の出ていない難しい問題です。
仮に脱輪の無い締め方を採用したとしても、人間が行うことに100%はありません。
脱輪にともなう事故を起こさないようにする最大の手段は人間による点検です。
義務付けされている日常点検を確実に実施して、交通災害ゼロを目指してください。
私たちトラックファイブもトラック業界に携わる一員として交通安全を心から祈っています。
トラックファイブは創業20年、年間1万台をゆうに越えるトラック・重機の買取をしています。
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トラックファイブはこの『豆知識』で皆さまのお役立ち情報をこれからもお伝えします。
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