トラックのエアブレーキは操作が難しい?踏み方のコツを覚えよう
日本経済を支える縁の下の力持ちであるトラック事業者の最大のミッションは交通安全と無事にお預かりした積荷をお届けすることです。
一方では営利企業として最大積載量を守りながらなるべく無駄なく積荷の輸送を計画しなければなりません。
その両方のミッションを果たすために重量のあるトラックを危険無く自在に運転するにはブレーキが非常に重要です。
重量物を運ぶトラックの特性に合わせて作られたエアブレーキを知り、エアブレーキの正しい操作方法、ブレーキペダルの踏み方のコツをご紹介いたします。
目次
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エアブレーキとは
・エアブレーキとは?
エアブレーキとは高圧な圧縮空気でブレーキシリンダを動かす作用を使ったとても制動力の高いブレーキです。
多数の人員や重量物を運ぶ制動力に強い力を必要とする電車やバス、中型・大型のトラックなどに利用されているブレーキシステムです。
トラックの場合、最大積載した時の車両総重量の制動可能能力に設定されているために、空車や積載量の少ない場合には効き過ぎてしまうこともあり、このエアブレーキの使用方法にはなれるまで注意が必要でブレーキペダルの踏み方にはコツを覚えることが必要です。
・エアブレーキにも種類がある
<フルエアブレーキ>
油圧を使用せず空気圧のみで制御されているブレーキです。
そしてこのフルエアブレーキが大型トラックの標準設定のブレーキになっています。
理由は制動力の強さです。
その強い制動力を持つ反面、ブレーキをかける方法であるブレーキペダルの踏み方にコツをつかむことが必要で、空気油圧複合式ブレーキが主流の時期もありました。
しかしながら、フルエアブレーキのメンテナンス性が非常に高いことから改良され、空気油圧複合式ブレーキでの踏み方程度までに改造され誰にでも使いやすいブレーキになりました。
<空気油圧複合式ブレーキ>
空気油圧複合式ブレーキ(エアオーバーハイドロリック、AOHとも呼ばれます。)は空気圧で油圧式のマスターシリンダーのピストンを押すシステムを言います。
改良前のフルエアブレーキよりも扱いがやさしかったのですが、ブレーキを踏み続けてしまうと加熱によって油圧システム内に気泡を生じてブレーキ機能に不調をきたすペーパーロック現象を起こしてしまう可能性があります。
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エアブレーキの踏み方のコツ
・エンジンブレーキと組み合わせて使う
エアブレーキには圧縮した空気が必要ですが、踏み方を間違えその回数が多すぎると圧縮空気が無くなってしまい、制動力不足に陥ってしまいます。
そうならないために必要に応じてエンジンブレーキと適切なブレーキペダルの踏み方による制動力を組み合わせることが大切です。
・足はかかとを支点にする
エアブレーキは油圧ブレーキと比べると数倍もの制動力があるため、踏み方を注意しないと急ブレーキになってしまいます。
トラックのブレーキペダルは踏み込み方式のオルガン式なので、かかとを支点にして足首で強さを調整しながらブレーキのかかり具合を確かめてください。
シートの位置を自分の身体に合わせて調整してブレーキを踏みやすくしてください。
そうすることでブレーキを調整しやすくなります。
・積載量に気を配る
積載量をいつも意識してください。
当然満車の場合と空車の場合では車両総重量が違いブレーキの効きかたは変わってきます。
積載量をいつも意識することでどれくらいの力でブレーキを踏めばどの程度ブレーキが効くかを体得することができます。
そうすることによって積載量をブレーキの力を判断する基準として考えることができます。
・荷物の積み方に気を付ける
積荷はできるだけ一か所に集中させるのではなく、重さが分散できるよう、荷台に対して重量が均等になるような積み方を意識することが大切です。
それによってブレーキのかかり方が均等になるよう心がけたいものです。
なおこの積荷の均等は急ブレーキや急カーブで積荷を崩さぬことにもつながり非常に大切です。
エアブレーキの注意点
・ばた踏みしない
ばたばたとブレーキペダルを踏む踏み方は避けてください。圧縮してためられた空気がコンプレッサーから抜けてしまいます。
ブレーキを動かすのに必要な空気が無くなってしまうばかりか、タイヤや車体へも悪影響があります。
・スピードを出しすぎない
当然のことではありますが、スピードを出すとブレーキに必要な力も大きくなるので、できるだけスピードを出しすぎず安全運転を心がけることが大切です。
・エアブレーキを使いすぎない
エアブレーキも多用しすぎるとブレーキに必要な空気が減るため、ブレーキが利かなくなってしまうリスクがあります。
エンジンブレーキやリターダー等を上手に併用してください。
・コネクト技術の利用
AIを活用した自動運転による先読みなどができる車種の場合、目的地までの道路状況、渋滞状況、運転手の休憩自慢まで計算したうえで速度コントロールをしてくれるので安全かつ運転しやすいです。
しかもトラックにも必要以上の負担がかからず燃料費、整備費用も抑えられることになります。
・エアの残量に注意する
エアコンプレッサー内の圧縮空気はブレーキ以外にも使用されています。
パーキングブレーキやクラクション、トランスミッション、サスペンション、クラッチなどにも使われています。
こまめに残量を確認しておくことが大切です。
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まとめ
現在のトラックのエアブレーキは改良され非常に使いやすい優秀なブレーキになっています。
トラックに関わり仕事をする私たちは日本の優秀なトラックメーカーの作り出すトラックたちを100%過信して、ただ運転するだけではいけないでしょう。
エアブレーキに限らずその技術や仕組みを知り、適切な使用方法を知ることでトラックの寿命を伸ばし、一番のミッションである交通安全とお客様の満足・安心につなげていただきたいと思います。
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