コンテナ専用トラックとは?トラックの種類・必要な資格を解説

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はじめに

 

コンテナトラック、この名称の通りコンテナを運搬するトラックです。

実はこのコンテナが世界の物流の要となっているのをご存じでしたでしょうか。

広大なアメリカ、ヨーロッパ大陸は鉄道・トラックでのコンテナの陸上輸送もありますが、世界の物流の多くは巨大なコンテナ船に大量に積まれたコンテナの海上輸送で成り立っているのです。

あまり知られていませんが、世界のコンテナの約98%は中国で製造されています。

2019年、米中貿易摩擦により世界の荷動き低下を予想して、コンテナ生産量を前年比40%に減産していました。

そして、それはタイミング悪く2019年の年末に中国武漢からスタートした新型コロナウイルス感染によりは全世界が多大な影響受け、物流も大きな打撃を受けました。

新型コロナウイルスはさまざまな原因を引き起こし、世界の流通を支える共通アイテムとなっているコンテナ不足を起こし、世界の物流を停滞させてしまいました。

テレビニュースでコンテナを満載したタンカーが港に停泊している映像を記憶に残されている方もいらっしゃるかと思います。

多くのコンテナは巨大タンカーによって海上輸送されます。

コンテナ貨物は輸入地に到着して14日間以内のコンテナ内の貨物を取り出して空にしたコンテナを輸出地に返さなければなりません。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大のための世界中での都市封鎖や港湾作業員たちの不足によってそれが出来なくなり、コンテナ貨物は停滞し、輸出地では空のコンテナが不足してしまったのです。

この物流で欠くことの出来ないコンテナを港から国内で輸送しているのは鉄道とトラックです。

鉄道はターミナルまでの移動で、その先のエンドユーザーの手に渡るまでの中継基地にコンテナトラックのリレーを受け移動しなければなりません。

物流の要の『コンテナ』と言えども、コンテナトラックの力を借りなければ目的達成を果たすことは出来ないのです。

世界の物流の縁の下の力持ちのコンテナトラックの詳細を皆さんと見ていきたいと思います。

 

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コンテナ専用トラックとは(そもそもコンテナとは)

 

20世紀の三大発明の一つとまで言われる『コンテナ』は世界の物流を変えました。

1950年代、アメリカの陸運業者マルコム・マクリーンはハイウェイの渋滞が大な原因となって、海運会社との輸送競争にトラック輸送業界が負けてしまうのではないかと心配し、その打開策としてコンテナでの輸送を発想したのです。

一度コンテナに詰めた積荷はコンテナごとの移動となります。それまで最終の荷降し場所までかかっていた重なる積み降ろしの手間と時間を省略したのです。

そして規格を統一して同じサイズのコンテナにすればより多くの積荷量を確保できる考えに至りました。マルコムこの発想は世界規模で広まり国際規格となりました。国際統一規格の意義は大きいです。

加えてコンテナという同じサイズの箱に荷を詰め込む行為は、物流における人力という手間を減らして海上貨物、航空貨物と貨物列車で大量輸送を効率的に行うことを可能にしたのです。

しかし、空港・港に着いた飛行機やコンテナ船は空港・港までで役目を終えてしまいます。駅に着いた貨物列車も駅までの輸送です。

空港・港から、駅から最終目的地までの輸送はコンテナトラックに頼らざるを得ません。

ですからコンテナとトラックは非常に密接な関係にあるのです。

 

コンテナトラックの種類

 

コンテナトラックにはセミトレーラーとフルトレーラーとがあり、一度にたくさんの量の輸送を行うにはフルトレーラーの方が勝りますが、それなりのデメリットもあります。

車両総重量の大きくなるフルトレーラーでは運行経路の計画も必要になり、車両荷台を先頭キャビンで運転するにはそれなりの運転技術と経験が必要です。

それぞれの特性とさまざまな用途に合わせた形状のコンテナを上手に組み合わせ利用してください。

 

・セミトレーラー

セミトレーラーは私たちが目にすることの多い日本で一番普及しているコンテナトラックです。

けん引車両(トラクター)にけん引されるコンテナトラックで、後輪だけを持っており前輪を持ちません。

セミトレーラー単独で自立させるには補助足を使う必要があります。

トラクターに連結されて初めて運搬車両としての機能を果たします。

運転時には比較的小回りが利き、バック進行時にも操作性がよく運転操作はしやすいです。

全体の長さは国土交通省車両制限令で16.5m以内と定められています。

国際規格のコンテナのサイズ、その長さは20フィート(約6m)と40フィート(約12m)の二種類です。

40フィート(約12m)のコンテナトラックとそれをけん引するトラクターとで全体の長さがが16.5mほどになります。

この車両制限令の全長規制のため、セミトレーラーのさらにトレーラーを連結して2連結のトレーラーとしての利用は出来ません。

 

・フルトレーラー

より多くの荷物を積むために単体のトラックにトレーラーを連結した前輪と後輪の両方を持つ被けん引車両です。

フルトレーラーのけん引車両であるトラクターは普通のトラックとしても使うことができます。

運転時にはセミトレーラーと違い先頭のキャビンで二台の車両を連行することとなり、運転操作は複雑で難しくなります。

バック運転操作にはかなりの熟練を要します。

けん引部分と合わせた、全体の長さが21m以下と国土交通省車両制限令で定められています。

そして、現在では一部通行区間(新東名高速道路の豊田東IC~海老名ICを中心とする決められた区間)で、一定の要件を満たして申請許可が下りれば全長25mのフルトレーラーのコンテナトラックの通行が認められています。

 

 

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コンテナの種類

 

トレーラーには海上コンテナばかりではなく、その用途によっていろいろな種類のコンテナがあります。

 

・ドライコンテナ

ドライコンテナは一番普及しているコンテナです。私たちが時々見かけるコンテナトラックの荷台に積まれている細長い箱型のスチール製のコンテナです。

世界的に標準化された規格(ISO規格)でサイズは定まっています。

日本国内では10フィート、12フィート(JR貨物)もありますが、道路事情もあり多くはISO規格で定められている20フィート、40フィートが主流です。

一般的にコンテナ後部に観音扉が取り付けられているのですが、側面が観音扉となっているフルオープンサイドコンテナなども20フィートコンテナにはあります。

全長・幅は同じで高さだけが違う30cmほど背高の高いハイキューブコンテナも20フィート、40フィートコンテナにあります。

生活物資から工業製品、産業物資まで幅広く一般貨物の常温での輸送に利用されています。

 

・冷凍冷蔵コンテナ

コンテナの前方(扉の反対側)に冷凍冷蔵機器が付いています。

ドライコンテナのスチールだけの壁面とは違い断熱材が仕込まれており、庫内の温度調節を行えるコンテナです。

マイナス25℃からプラス25℃までの温度で調節可能なのが一般的です。

温度管理の必要な野菜・果物・鮮魚などの生鮮食品から精密機械などの輸送に利用されています。

 

・タンクコンテナ

液体や粉末などの粒状体の燃料、原材料を輸送するためのコンテナです。

通常、海外から輸入されるこの種類の燃料、原材料は船で港に運ばれ貯蔵されます。

そこからなるべく積み替えの回数、手間を省くのにこのタンクコンテナは有能です。

 

・オーバートップコンテナ

コンテナの上部がオープンになった形状のコンテナです。

コンテナに収まりきらない背の高い貨物、もしくはクレーンで吊り下げた方がコンテナに納めやすい形状の貨物を輸送するのに適しています。

かさばる機械製品などの輸送に適するでしょう。

オープン部分には防水布で覆われるタイプが一般的です。

 

コンテナトラックの仕事に必要な資格・届出

 

もちろんトラックの運転ですからコンテナトラックの車両総重量や最大積載量によって区分されている自動車運転免許が必要になります。

そして、その他必要な資格はコンテナの積荷によって変わってきます。

積荷の中には石油やガス、火薬や毒物などの『危険物』も含まれます。

こうした『危険物』の輸送の途中に交通事故などで重大な二次、三次災害を引き起こす可能性があります。

危険物輸送に当たっては危険物の管理責任のある諸官庁によって必要な資格や届け出が定められています。

このことをよく理解し、危険物輸送での事故を未然に防がなければなりません。

 

・『消防法』上の危険物輸送

ガソリン・灯油等の燃料から各種危険物(消防法上で甲種から丙種まで区分されています。)の移送には「危険物取扱者免状」が必要です。

この資格を持った人間が乗務することが規則で定められております。

ただし、運転者がこの「危険物取扱者免状」を有する場合には運転者一人で乗務することが出来ます。

 

・『高圧ガス保安法』上の高圧ガスの輸送

可燃性ガス・酸素、毒性ガス、液化石油ガス、特殊高圧ガスの輸送時に「高圧ガス移動監視者」の資格を有する者の乗務が必要となります。

この資格は高圧ガス移動監視者講習で取得できます。

 

・『火薬類取締法』上の火薬類の輸送

規定量の火薬類を輸送する場合に火薬類の出発地を管轄する都道府県公安委員会に届け出て『運搬証明書』の交付を受ける必要があります。

18歳未満の者は火薬類の取り扱いは出来ないのでご注意下さい。

『運搬証明書』は必ずトラック内の常備してください。

 

・『毒物及び劇物取締法』上の毒物・劇物の輸送

同法で定められた品目の毒物・劇物を一定数量以上取り扱うばあいには、『毒物劇物業務上取扱者』を設置して、その事業場の所在する都道府県知事に届け出る必要があります。

 

 

・危険物輸送に必要なイエローカード

こうした危険有害性を有する化学物質の輸送時の事故に備えて、車内の運転席などの目に付きやすい場所にイエローカードの用意が必要です。

黄色の紙に輸送品目、種類、事故発生時に行う運転者の応急措置、災害拡大防止措置などを記載した用紙です。

ドライバーは輸送物の特性をよく理解して緊急事態が発生した場合にはこのイエローカードの内容に基づいて適切な処置を行います。

 

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おわりに

 

2022年現在、新型コロナウイルス感染はまだ収束を迎えることは無く、東欧では先の見えない戦争が続き、世界物流の停滞は世界経済の行く先を非常に分かりづらくしています。

世界中が他国との輸出入で成り立つ現在、物流がストップすれば世界経済は成り立ちません。

世界中を動き回っているコンテナは私たちにとって必要不可欠なものでコンテナトラック無しでは私たちの生活は成り立たないのです。

今回の豆知識ではそのコンテナトラックの重要性をご理解いただき、今後の皆さまの業務にお役立ていただければ幸いです。

【参考】中古トラックの買取相場はこちら

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