ヤマト運輸　八幡観光バスと貨客混載をスタート

ヤマト運輸は７月１３日、八幡観光バス（岐阜県郡上市）と組んで「宅急便」と路線バスの乗客を同時に運ぶ貨客混載事業をスタートする、と発表した。郡上市民病院〜下呂市祖師野間（和良線）を運行する路線バスの車内空きスペースに「宅急便」に載せることで、ヤマトは非効率なトラック輸送を減らす一方、八幡観光バスは宅配便の輸送を引き受けて新たな収益を確保する。

従来、ヤマトでは郡上支店〜和良エリア間（往復約２４キロメートル）について、集配車が午後に配達する分の荷物を引き取るため、約９０分かけて行き来していた。これに対して、貨客混載事業では路線バスがヤマトの郡上支店に立ち寄って荷物をピックアップした後、「郡上市民病院前」バス停留所から乗客を乗せる運行をスタート。ヤマトのドライバーは「美山」バス停留所で荷物を受け取り、和良エリアで配達する。新体制によってヤマトはトラックの走行時間・距離や燃料費の削減、CO2など環境負荷の軽減を実現できる。

八幡観光バスの和良線は、地域の過疎化を背景とした利用減が大きな課題となっていた。同社では、貨客混載によるヤマトからの運賃で運行バスの収益力を高めて、路線の維持につなげたいとしている。