エッセンシャルワーカーと商用車両 ~自動運転が変えていく世の中~
2020年9月、菅新内閣が発足しました。
新型コロナウイルスへの対応ばかりではなく、先送りできない多くの難題を抱えての新内閣の船出となりました。
首相が変わり、政府が変わろうと、これまでと同様に淡々と自身のミッションを遂行しなければならないのが『エッセンシャルワーカー』と相棒の『商用車両たち』です。
デジタル庁が創設され、様々な場面でのAI化は加速されることでしょう。
新型コロナウイルスに延期を余儀なくされた東京オリンピック・パラリンピックを来年7月からに控え、100年に一度の大変革と言われる『自動運転』は大きく加速されることでしょう。
この『自動運転』は運送業界にとってもいまだかつてない大きな岐路になると思われます。
国の作るロードマップはあるものの、具体的な先の見える青写真のまだない状況は不安をあおるばかりです。
しかし、前を向いて走り出している事実に新首相は拍車をかけました。
『エッセンシャルワーカー』と相棒の『商用車両』もこの事実を受け入れて新しい時代に乗り遅れることなくこの『100年に一度の大変革』に追いついてけるよう進むべき方向を考えてみたいと思います。
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◎なぜ自動運転が必要か
まずはなぜ自動運転が必要なのか。
自動車各メーカーの売り上げ拡大のための新製品開発ではありません。
社会問題の解決です。
一番は運送業界のマンパワーの不足のです。
ドライバーの高齢化と、ドライバーへのなり手の不足のダブルパンチです。
国内輸送の九割を担い、日本経済をここまで下支えしてきた基幹産業でありながら、3Kで給料が安ければ若者たちが見向きもしないのは当然かも知れません。
消費者は『良い品で安いモノ』と都合のよい事を求め、勝ち残りのためにそのオファーに応える企業が力の弱い場所にまで歪みを押し付けてきたのではないでしょうか。
そして、その結果が今の状態なのでなないでしょうか。
しかし、自動運転はそういった社会の均衡を是正することが目的ではないでしょう。
総人口の減少、生産労働人口の減少と高齢者の増加への対処であり。
お決まりの環境問題解決と、交通事故の撲滅という命題も抱えています。
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◎現在の日本の自動運転の状況
SAE(国際自動車技術会)が機能や技術の水準で定める自動運転をLevel 0~Level 5の6段階に定められています。
Level 0が現在の人間が運転する状態です。
Level 1,2は自動ブレーキや車線維持、自動での追い越しなどをシステムが行いますが、まだ運転の主体は人間です。
新東名で行われていたトラックの隊列走行実験はLevel 2にあたります。
そして、Level 3から運転の主体はシステムになります。
この度、Level 3のシステムを搭載させたホンダの乗用車の「レジェンド」が安全基準を満たし、国土交通省から「型式認証」を取得しました。
作動継続が困難な場合は運転者が行うという条件付運転自動化ながら運転主体がシステムになり文字通りの自動運転に近づいてきました。
世界で初めてのLevel 3の実用化です。
新型コロナウイルスで延期となった東京オリンピック・パラリンピックではMaaS(すべての交通手段(自家用車は除く)を情報通信技術を活用してシームレスにつなぐ)という技術のもとトヨタが世に送り出すLevel 4の電気バスが選手村を中心に走る予定でした。
来年2021年7月から開催予定となった東京オリンピック・パラリンピックに向けてさらに完成度の上がったEVの『e-Palette』が登場することでしょう。
1964年前回の東京オリンピックが起爆剤となり、日本の家庭にテレビが普及したように
今回の東京オリンピック・パラリンピックでは『自動運転』が世の中に広く認知されてその普及に繋がっていくのでしょう。
◎自動運転と『エッセンシャルワーカー』
自動運転の完全自動化であるLevel 5に到達する日はそれほど遠くない未来かも知れません。
残る課題のうち、法的対応は行政の問題ですが国がけん引して行っているこの自動運転化です、民間の技術の進展に遅れをとることはないでしょう。
そして追いついていかねばならないインフラ整備もスケジュールさえ引かれれば遅れることは無いでしょう。
すべてこれらは新しいビジネスとなっていきますから関係する各社がこぞって向かい行くことでしょう。
この『自動運転』の世界で必ず出てくる『CASE』という言葉は、Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(シェアリングとサービス)、Electric(電気化)の頭文字です。
2016年のパリモーターショーにおいて、ダイムラーAG・CEOでメルセデス・ベンツの会長を務めるディエター・チェッチェ氏が発表した中長期戦略の中で使った言葉です。
『自動車』が世の中を動かしていると言っても過言ではないかも知れません。
『CASE』という言葉の中のConnected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(シェアリングとサービス)、Electric(電気化)は世の中がインターネットでつながるIOTそのものであり、トヨタの実証都市であるウーヴンシティにまで派生していきます。
そして、菅首相が宣言した『脱炭素社会』は2050年に向けて確実に進むことでしょう。
『脱炭素社会』イコール『電気』イコール『自動化』です。
社会問題であるもう一つの『2050年問題』の人口、労働人口の減少と高齢化社会への突入などを考えあわせても『エッセンシャルワーカー』にとっても自動運転は避けて通ることの出来ないものです。
この『自動運転』が100年に一度の大変革と言われ、では100年前の大変革は何かと考えれば、日本は大正時代、松下幸之助が「これからは電気の時代が来る」と現在のパナソニックである松下電器産業を興した時期です。
電気は電灯で日本の各家庭を明るくするだけではなく動力を起こし、高度成長期の日本を支えてきました。
これから電気は自動車や商用車両の原動力にもなり、世界中をつなぐITの基ともなり、日本の産業ばかりでなく世界の経済をけん引していくのです。
これからそれくらい大きな変革期であり過渡期を迎えるのです。
『自動運転』や『ロボット』が助けてくれることはあるでしょうが、人の五感による瞬時の判断や未来を考えていく力をAIが身に付けるのはまだまだ先でしょう。
AIの前に立ち、先導しなければならない『エッセンシャルワーカー』の仕事はまだまだ無くなることはないでしょう。
ただ、この過渡期に無くなることのない『エッセンシャルワーカー』と『商用車両』がこの『自動運転』とともにどう変わっていくかを考えることが肝要なことになるでしょう。
TRUCK FIVEを運営するZEALは、これからも『エッセンシャルワーカー』たちとその相棒の『商用車両』の未来を考えていきます。
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