トラックが大きくなれば運転手の年収は増える!キャリアアップのためにできることは?

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はじめに

2024年4月1日からトラック運転手の労働時間規制が施行されました。

トラック業界が抱えている働き手不足には、トラック運転手が低賃金、長時間重労働と言う原因があります。

『働き方改革』という国を挙げての動きの中で、物流の2024年問題は始まったばかりです。低賃金、長時間重労働の解決はまだまだこれからの大きな課題です。

一般的にトラック運送事業者の荷主に対する価格交渉力は弱く、その解決がなされないまま4月1日よりスタートしてしまった現実があります。

日本経済を守るために物流の礎でもあるトラック事業を絶えさせるわけにはいきません。

この先、期待されるドライバーの処遇改善を待ちつつ、今回の『豆知識』ではトラック運転手の年収の現状と、キャリアアップに向けてできることを紹介します。

 

 

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トラック運転手の年収

トラック運転手の平均年収は、公益社団法人全日本トラック協会が出した『2023年度版 トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態』を参考にしました。

これは、トラック事業に携わる従業員の賃金や労働時間、福利厚生等の実態を職種別に詳しく把握し、労働環境の改善のための基礎資料とするために編纂されたものです。

調査対象を、特別積合せ貨物業者180社と一般貨物自動車運送事業者4,434社の計4,614社としています。

そのうち有効回答事業者数は特別積合せ33社と一般貨物642社となっています。

協会員でもある事業者の回答は14.7%ではあるものの、結果は信ぴょう性の高いものと言えます。業界の傾向を知ることのできる材料となるでしょう。

ご自身の属性に近いケースに照らし合わせて、およその年収を試算してみてはいかがでしょうか。

 

 

・トラックのサイズ別年収

【特積】2023年度男性運転手平均

種類 年収(円)
けん引 4,809,600
大型 4,945,200
中型 4,362,000
準中型 4,274,400
普通 4,173,600

 

【一般】2023年度男性運転手平均

種類 年収(円)
けん引 5,392,800
大型 4,790,400
中型 4,024,800
準中型 4,131,600
普通 3,861,600

※出典:全日本トラック協会「2023 年度版トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態」より

 

全国のトラック運送業者の事業者数は6万近くあります。

その中で特別積合せ貨物を行う大企業の運送会社は300社ほどしかなく、一般貨物自動車運送事業者である多くの中小・零細の運送会社は、ほんの1%に過ぎない大企業の下請け業者として仕事をしているのです。

特積と一般の賃金差の多くはそのような理由があります。

そして賃金差はトラックのサイズが大きくなるにしたがって上がっていきます。

 

・男女別年収

2023年度男性運転手平均(特積・一般平均)

種類 年収(円) 平均年齢
けん引 5,208,000 49.4
大型 4,838,400 49.8
中型 4,170,000 49.0
準中型 4,220,400 47.6
普通 4,063,200 47.2
男性ドライバー平均 4,545,600 49.0

 

2023年度女性運転手平均(特積・一般平均)

種類 年収(円) 平均年齢
けん引 4,808,400 45.8
大型 4,258,800 46.8
中型 3,637,200 42.6
準中型 3,468,000 41.4
普通 3,194,400 45.7
女性ドライバー平均 3,744,000 44.5

※出典:全日本トラック協会「2023 年度版トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態」より

 

男女別の賃金を比較し、月額賃金に換算すると3万円から6万円ほどの差がありますが、平均年齢は全体的に女性運転手が若く、実は運転経験年数は半分ほどしかありません。

この先さらに経験を積み、業界の男女平等化が進めば男女の格差はなくなるのかもしれません。

国土交通省による「トラガール促進プロジェクト」によって女性運転手の促進が進む中、女性運転手には大きな追い風が吹いています。

 

・年齢別年収

2023年度年齢別年収(特積・一般平均)

年齢 年収(円)
20歳未満 3,465,600
20歳代 3,913,200
30歳代 4,449,600
40歳代 4,724,400
50歳代 4,731,600
60歳代 4,058,400
65歳以上 3,439,200
平均 4,545,600

※出典:全日本トラック協会「2023 年度版トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態」より

 

年齢別年収は他の産業と同じように40歳、50歳代をピークに下降に向かいます。

運転には集中力や体力も必要であるため当然の給与体系かもしれません。

 

・地域別年収

2023年度地域別年収(特積・一般平均)

地域 年収(円)
北海道 4,848,000
東北 3,750,000
関東 4,609,200
北陸信越 4,480,800
中部 4,712,400
近畿 4,815,600
中国 4,512,000
四国 4,531,200
九州 4,429,200
沖縄 3,508,800
全国平均 4,545,600

※出典:全日本トラック協会「2023 年度版トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態」より

 

地域別年収は関東、中部、近畿などの都市部が高くなっています。

地方でも北海道や九州など年収が高い地域があります。

活発な産業を持ち、鉄道網などが希薄でモーダルシフトに頼れない地域は、やはりトラック輸送に頼らざるを得ない現実があるということでしょう。

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他の種類の運転手との年収比較

では、同じ運転手でもトラック運転手以外の年収はどうなっているのでしょうか。

特に運転時間が長い、2つの職種における年収を紹介します。

 

・タクシー運転手との比較

タクシー運転手の平均年収は約360万円です。

月額30万円ほどで、人口の少ない地方では乗客が少なくなるために20万円ほどになってしまいます。

月給制であったり、歩合制であったり、その混合であったりと様々な給与形態があります。

 

・バス運転手との比較

バス運転手には民営と公営があります。

公営の場合は路線バスが多く、民営では路線バスの他に観光バスなどの不定期運行のバスもあり、繫忙期と閑散期が出てしまいます。

全国平均は年収400万円ほどです。

公務員であるバス運転手と、民間企業のバス運転手では年収や待遇に差ができてしまいます。

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トラック運転手が年収を上げる方法

現在の年収を増やすための方法を紹介します。

 

・長距離ドライバーになる

長距離を走ることによって収入を上げることができます。

しかしながら、2024年問題に対応して時間外労働時間が制限されます。

それによって走ることのできる距離が変わってくることも考慮してください。

 

・運転できる車種を増やす

上位の運転免許を取得して、サイズの大きなトラックの運転を目指してください。

前項のデータを見ていただいてわかるように、荷物や車体のサイズが大きいほど収入は上がっていきます。

けん引免許を取得して仕事の幅を広げるのも年収アップの一つの方法です。

 

・深夜手当がつく時間帯に働く

自身の体力や健康に自信があれば、午後10時から午前5時までの深夜手当が支給される時間に働く方法もあります。

日中勤務の25%割り増し賃金になります。

夜勤専従というスタイルもあり、高収入を得ることが可能です。

 

・勤続年数を伸ばす

堅実な会社に就職し、勤続年数を延ばして地道にベースアップしながら働く方法もあります。

 

・より待遇の良い会社に転職する

より待遇の良い会社に転職することも収入を上げる大きな方法です。

どんな大きな会社でも、人手不足の今がチャンスです。

これまでの実績、そして保有免許と自信を持ってチャレンジしてください。

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まとめ

日本経済に不可欠な運送業は現在、働き方改革という大きな節目とともに大きく揺れ動いています。

人間らしく仕事をし、人間らしい家庭生活を送る。そのためには十分な収入がなければなりません。

世の中は徐々に変わり、トラック運転手には明るい未来が待ち受けています。

明日を信じ、自分を信じて前を向いてこれからも仕事を続けていってください。

 

トラックファイブは『豆知識』でこれからも皆様にさまざまな情報をお届けします。

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