バイアスタイヤとは?機能・種類を解説

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バイアスタイヤとは

バイアスタイヤとは?

空気入りタイヤが初めてこの世に出た時の構造が、このバイアスタイヤが持つバイアス構造です。

バイアス構造には長い歴史があります。

タイヤの構造の一部であるカーカスの配列を斜め(BIAS)に配置し、斜めのカーカス1枚では走行中にねじれてしまうので、複数枚カーカスを逆方向に互い違いに重ねてそれを防いでいます。

そしてそれをブレーカーで締め付けて、ねじれないようにさらに固定しているのがバイアス構造です。

バイアスタイヤのこれまでの長い経験と研究の積み重ねで、上質のラジアルタイヤが生まれました。

そして現在では乗用車や多くのトラックではラジアルタイヤの使用が主流となっています。

しかしながら、バイアスタイヤは比較的製造方法が簡単なこともあり、産業車両用タイヤや建設車両タイヤとしての使用は続いています。

 

ラジアルタイヤとは?

車両の重量をタイヤで受け、回転させてエンジンの駆動力を受けて路面に力を伝えて走行し、ブレーキの衝撃や地面との摩擦にも耐えているのがタイヤです。

タイヤのパーツであるカーカスが衝撃・荷重・空気圧に耐えるために、ラジアルタイヤではタイヤの中心から放射状(RADIAL)に配置されています。

ラジアルタイヤの構造を作り上げているカーカスはタイヤ全体の形を決定するタイヤの骨組みと言っても過言ではありません。

そしてカーカスをベルトで締め付けてラジアル構造を構成しています。

重いトラックやバスに使われるラジアルタイヤの構成材料となるカーカスの素材はスチールであり、それを締め付けるベルトも主にスチールで作られています。

そして、その周りをゴムでコーティングしてラジアルタイヤは構成されています。

 

ラジアルタイヤとバイアスタイヤの違い

ラジアルタイヤとバイアスタイヤの違いはこれまでの説明のようにその構造にあります。

タイヤの主構造材となるカーカスを、その繊維方向の重ね方を変えてタイヤの強度を生みだしています。

このカーカスの配置方法の違いが、ラジアルタイヤとバイアスタイヤの一番大きな差異になります。

このカーカスの素材は、一般車両ではナイロンから、より強いポリエステルなどの繊維素材に変わっています。

トラック・バス等大型車両では、さらに強いスチールが材料となっています。

 

バイアスタイヤの「バイアス構造」は空気入りタイヤが初めてできた時の構造です。

それから60年という長い期間を通して、研究・開発され登場した「ラジアル構造」のラジアルタイヤが現在の主流になっていますが、バイアスタイヤの存在が無ければラジアルタイヤはこの世に登場しなかったのです。

主材料は同じでもその使い方を研究して、バイアスタイヤよりも強いラジアルタイヤを生み出したのです。

 

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バイアスタイヤの機能

バイアスタイヤの特徴

バイアスタイヤの特徴として、「バイアス構造」は「ラジアル構造」と比べると構造がシンプルなために比較的製造が容易であるという特徴があります。

そしてバイアスタイヤは、積荷・車両の荷重への耐性が強いことが大きな特徴でもあります。

そのため建設車両用タイヤや農業機械用車両に用いられることが多いです。

トラックのタイヤもラジアルが主流になった現在でも、大きな荷重に耐え得る特性を持つので、20tトラックのような超重量級の大型トラックなどでは現在もバイアスタイヤが使われています。

低速や悪路走行での乗り心地が良いという特徴を持ち、高速度を必要としない建設車両・農業機械車両・産業用車両に向くタイヤです。

そして一番大きな特徴でありメリットは、リーズナブルな価格になります。

構造がシンプルなことが製造方法を比較的容易にし、価格のリーズナブルさを導き出しているのです。

 

使われている車種

荷重への耐性の強さと悪路に強い特徴を活かし、高速度を必要としない産業用車両・建設車両・農業機械用車両に使われています。

具体的には、重ダンプ・ラフタークレーン・ホイールローダー・ホイール式油圧ショベル・フォークリフト・トラクター・耕運機などがあります。

 

バイアスタイヤに向いていないこと

重い重量に耐えられるように重ねたカーカスは、タイヤが持った熱を放出しにくく熱を持ちやすい性質があります。

そのような性質がバイアスタイヤが高速走行に適さない理由になります。

また、グリップ力の高さに欠け、寿命の短さがデメリットとして指摘されることもあります。

ラジアルタイヤと較べると耐久性能に劣ってしまうこともデメリットとされます。

放熱性の問題、高速走行に適さない特性、グリップ力、寿命の問題などをバイアスタイヤのデメリットと考えることもできますが、ラジアルタイヤが登場したからできる比較です。

バイアスタイヤがこの世に登場し、そのデメリットを克服するために時間をかけて改良を重ねて来たからこそラジアルタイヤが登場したと考えてみてはいかがでしょうか。

 

トラックに使用されている他のタイヤとは

チューブレスタイヤ

名称通りタイヤ内部にチューブが無いタイプのタイヤです。

チューブの替わりにタイヤ内面にインナーライナーというゴムシートが貼られています。

従来型のチューブタイヤとの大きな違いは、パンクをしてもすぐに空気が抜けない安全性の高さと、タイヤ内部に溜まる熱が直接リムに触れることによる放熱性の高さです。

 

チューブタイヤ

従来型のタイヤ構造タイプがこのチューブタイヤです。

タイヤ内にチューブがあり、その力で重量を支えることができるので超大型トラックでも使用が可能です。

タイヤやホイールに多少の破損があっても走行が可能なのはこのチューブタイヤの強みです。

チューブの空気圧を下げれば悪路の走行がしやすくなります。

 

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タイヤはトレッドパターンにも注目

タイヤと道路面が接する部分をトレッドと呼び、そのトレッドに刻まれた模様を「トレッドパターン」と言います。

タイヤの駆動力・制動力・牽引力を増加し、操縦性の安定やタイヤの放熱・排水に効果を発揮します。

 

リブ型

良路(舗装路・高速道路)の走行に適したパターンで、タイヤの円周方向に並行した縦溝が刻まれています。

操縦性・安定性に優れ、乗用車・小型トラック・トラック・バスなどで使用されています。

 

ラグ型

悪路(非舗装路)走行に適したパターンで、タイヤ左右方向に横溝が刻まれています。

駆動力・制動力に優れ、特に非舗装路での牽引力に威力を発揮します。

トラック・バス・建設車両・農耕車両などで使用されています。

 

リブラグ型

良路・悪路の両方の走行に適したパターンです。

名称通りに、リブ型とラグ型両方の模様溝を持ち、両方の性能を持ちます。

トラック・バス・産業車両・建設車両などで使用されています。

 

ブロック型

氷雪路や未舗装などの悪路走行に適したパターンです。

ブロックパターンの模様に溝は刻まれ、優れた駆動力・制動力を発揮します。

氷雪路に適したパターンですが、夏道・雪道の両方で使用できるオールシーズン活躍のタイヤパターンです。

 

スタッドレス型

寒冷地などのアイスバーンに適したパターンです。

細かい切り込み模様がタイヤに刻まれており、非常に強いグリップ力と排水力を持ちます。

アイスバーンでのブレーキ効果が高く、スリップ防止に威力を発揮します。

 

まとめ

バイアスタイヤとラジアルタイヤのうち、トラックで使用されるタイヤはラジアルタイヤが主流となっていますが、バイアスタイヤのメリットもよくご理解いただき、今後の仕事で生かしていただければ幸いです。

先人たちが経験で得た知恵を積み重ねて生みだした新しい構造のタイヤは、この先AIと一緒になって、走行のためだけのパーツから脱却する日も遠くはないようです。

この先、走行時の安全やドライバーの労務管理に役立っていってくれるでしょう。

 

トラックファイブは『豆知識』でこれからもさまざまな情報を皆さまにお届けします。

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