大手クレーンメーカー「加藤製作所」とは?主力クレーンも紹介
目次
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加藤製作所とは?
企業の紹介
株式会社加藤製作所は大正時代の機関車をはじめとして、トラッククレーン・油圧ショベル・ラフテレーンクレーン・オールテレーンクレーン・クローラキャリアなど、創業以来のパイオニア精神と独自の技術革新で様々な機種の開発に挑戦し、製品化してきた日本を代表する建設機器・特装車のメーカーです。
ホームページにある加藤社長の言葉で「優秀な製品による社会への貢献」は今の世で提唱されているSDGs(持続可能な社会の実現)そのものです。
時代が希求する必要な建機・特装車を独自の開発と積み上げてきた研鑽で実現してきた加藤製作所は利用者ばかりかステークホルダー(利害関係者)までに多くの満足と幸せを運んできた会社です。
加藤製作所の歴史
株式会社加藤製作所は1895年(明治28年)に加藤鉄工所として創業しています。
1923年内燃機関車および鉄道用モーターカーの制作に成功し鉄道指定工場になりました。
1935年株式会社加藤製作所を設立しました。
1960年代、高度成長期の波とともに大型トラック、ダンプカーの普及で内燃機関車の需要は減ってしまい建設機械や特装車の製造を手掛けていきます。
そして、油圧式トラッククレーン、ラフテレーンクレーン、オールテレーンクレーンを生み出しながら、中国、アジア、ヨーロッパにも進出していきます。
石川島重工業株式会社(現在のIHI)と米国コーリング社との技術・資本提携により設立された石川島コーリング株式会社を2016年に加藤製作所が全株取得し、現在は合併しています。
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加藤製作所の特徴
オリジナリルにこだわる社風
「創業以来のパイオニア精神を抱き新たなものを生み出し挑戦し続ける人材」、「社会の要求を的確に捉え機敏に対応し続ける人材」の育成は加藤製作所の原動力となっています。
そして社会の要求、時代が必要とするものが住みやすい社会を作り上げ、それとともに会社の繁栄もあります。
オリジナルにこだわる社風が加藤製作所を成長させています。
グローバル化と地域貢献の両立
海外に進出し、グローバルブランド「KATO」を広めるとともに、ダイバーシティ(Diversity:多様性)を深く理解して性別、国籍、人種、民族、宗教、社会的身分、障害の有無、性的指向など、あらゆる生き方を受け入れています。
そして、地域貢献も忘れることなく職場見学や工場見学にも力を入れています。
少子化が進む現在、社会全体で子供を大切にするムーブメントを展開する『東京都こどもスマイルムーブメント』にも参画して、毎年中学生を対象に、本社および工場等の事業所見学や製品説明、若手社員との交流会等を通じてロールモデル提供の機会を設けています。
プロバスケットボールチーム 横浜エクセレンスのオフィシャルパートナーを務め、練習用コートの提供を行うなどスポーツの振興にも力を入れています。
主な建機3選
ラフテレーンクレーン
「ラフター」という加藤製作所の愛称で知られるラフテレーンクレーン。
ラフテレーンは英語でRough Terrain、不整地対応という意味です。
ホイールクレーンの仲間であるラフテレーンクレーンは全駆動全操舵で都市部の狭隘敷地内の建設現場で活躍する機動性が高い移動式クレーンです。
ラフテレーンクレーンは一つの運転室で走行の運転とクレーン操作が行えることが特徴です。
移動における大きな特徴として、車輪の操向を状況に応じて自由に変えることができます。
2輪操向(前軸又は後軸)、4輪操向、かに操向を自由に選択できることが可能です。
オールテレーンクレーン
「オルター」という加藤製作所の愛称で知られるオールテレーンクレーンです。
オールテレーンは英語でAll Terrain、「全地対応」という意味になります。
ラフテレーンクレーンとその姿はよく似ていますが、オールテレーンクレーンはキャビン(運転室)とクレーン操作室が分かれており、ラフテレーンクレーンよりも大型の車両が多く、その大きさが理由でクレーン部を解体し別途移動させることもあります。
複数の車軸と車輪は全駆動全操舵となっていて、最高速度も70㎞くらいまで出る車体もあり、不整地の走行も可能な大型車両中心のトラッククレーンです。
油圧ショベル
多くの油圧ショベルはクローラー(キャタピラー)で自走しますが、タイヤでの自走が可能なホイール式油圧ショベルもあります。
エンジンの力を油圧に変えてブームの先に取り付けられたバケットを操作し、運転席前方の掘削や掘削土の移動やダンプなどへの積込みを行います。
一度に大量の土砂の掘削を行うことができ、その土砂を一度に移動・積み込みが可能であることが油圧ショベルの大きな特徴です。
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クレーンの免許
クレーン・デリック運転士免許(限定なし)
クレーン・デリック運転士免許(限定なし)は労働安全衛生法により定められた免許です。
学科試験及び実技試験があります。
これらに合格できると運転可能になるクレーンの種類は天井クレーン、ジブクレーン、橋形クレーン、ガイデリック、スチフレッグデリック、ジンポールなどの各種クレーン、各種デリックの運転を認められます。
このクレーン・デリック運転士免許(限定なし)を取得すればすべてのクレーンとデリックが運転できるようになります。
クレーン・デリック運転士免許(限定なし)の合格率は50~60%台です。
この数値が示す難易度は決して高くはないのではないでしょうか。
クレーン・デリック運転士免許 (クレーン限定)
労働安全衛生法に定められた免許であるクレーン・デリック運転士免許(クレーン限定)に合格できれば天井クレーン、橋形クレーンなどのクレーンの運転が可能になります。
2021年のクレーン・デリック運転士免許(クレーン限定)の合格率は57.7%であり、クレーン・デリック運転士免許(限定なし)よりも低い数値となっています。
全てのクレーンの運転が可能になるクレーン・デリック運転士免許(限定なし)の合格率が、クレーン限定の合格率より高いのは不思議な気がしますが、受験者の心構えが違うということなのでしょうか。
クレーン・デリック運転士免許(床上運転式クレーン限定)
こちらも労働安全衛生法に定められた免許であるクレーン・デリック運転士免許(床上運転式限定)に合格できれば5t以上の荷を床上から操作するクレーンの運転が許可されます。
5t未満の場合はクレーン運転の特別教育を終了すれば操作することが許可されます。
2021年のクレーン・デリック運転士免許(床上運転式限定)の合格率は45.5%であり、クレーン・デリック運転士免許の3種のなかで一番低い合格率になっています。
移動式クレーン運転士免許
移動式クレーン運転士の免許も労働安全衛生法に定められた免許です。
移動式クレーン運転士の免許の取得によって吊り上げ荷重5t以上の移動式クレーンの操作・運転ができます。
ちなみに一般道の通行をするのには、当然ですが運転免許が必要になります。
揚貨装置運転士
揚貨装置とは船舶に取り付けられたクレーンやデリックのことを言います。
こちらも労働安全衛生法に定められた免許である揚貨装置運転士に合格できれば5t以上の荷を床上から操作する揚貨装置の運転が可能になります。
まとめ
クレーンで名の知られる加藤製作所は社会の要請に応えてさまざまな建設機器を生みだしてきました。
全ては世の中が必要とするものであり、それによって助かり、よろこぶ多くの方がいるから開発しています。
2024年1月1日に発生した能登半島地震に際し、2月1日より「災害復旧活動用建設機械の派遣」として不整地万能吸引車「IC75MV」を無償派遣しました。
金沢市にあるレンタル会社の株式会社ヨシカワへ輸送され復旧作業にとりかかっています。
コンクリート片やアスファルト片などを含む砂・砂利・汚水・土泥などの吸引が可能で、インフラ再整備における幅広い作業を得意とします。
まさに夢の万能復旧作業車であるこの「IC75MV」がいずれは日本中、世界中の各行政の防災備品の一つになる時代が来るかも知れません。
そのように世の中を変えていく潜在力を加藤製作所は持っているのかも知れません。
トラックファイブは『豆知識』でこれからも皆様にさまざまな情報をお届けします。
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