日立物流 佐川急便との経営統合を見送り
日立物流は9月24日、SGホールディングスおよび同社傘下の佐川急便との間で予定していた経営統合を見送る、と発表した。両社は2016年3月に資本・業務提携を締結し、将来の経営統合を視野に入れた協議や、物流インフラの共同利用、サービスの共同提供などを進めてきた。しかし最終的には足並みが揃わず、資本関係を一部見直すことになった。
経営統合を見送る理由として、コロナ禍でのEC市場拡大や、グローバルサプライチェーンの維持・最適化への対応を強化していくためには、それぞれが独自の成長戦略を推進すべきだと判断した、と説明。両社が迅速な経営を展開していくため、株式持ち分比率を引き下げることにしたという。
資本提携に伴って日立物流が保有していた佐川急便の株式(1065万5240株、発行済み株式総数の20・0%に相当)はSGホールディングスに譲渡される(譲渡価額875億円)。一方、SGホールディングスが保有する日立物流の株式(3234万9700株、同29・0%に相当)のうち、2767万5000株(同24・8%に相当)は、日立物流が実施する自己株式立会外買付取引に、SGホールディングスが応募するかたちで譲渡が実行される。譲渡日は9月29日に設定している。
日立物流では、今回の資本業務提携見直しで、2021年3月期決算での特別利益として、関係会社株式売却益として206億円を計上する予定だという。
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