ウイングボディとは?ウイングトラックの特徴を徹底解説
目次
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はじめに
輸送業においての最大のミッションはお預かりした荷物を事故無く目的地まで運ぶことであることは言うまでもありません。
そして輸送業におけるこの事故は交通事故ばかりではありません。
お預かりした荷物を雨で濡らしてしまう、荷崩れで製品を損なってしまうことすべてが事故です。
この事故を最小限にし、お預かりした荷物を積み降ろしする手間を最大限に小さく効率的に行うのがこの『ウイングトラック』です。
輸送を目的とするトラックの安全に物を移動させるという機能を最大限に高める『ウイングトラック』です。
一般社団法人 日本自動車工業会(会長:豊田章男)が2020年度に実施した『普通トラック市場動向調査』の結果によると運送業における『保有車両の特性』の項目で普通トラックの荷台形状40%近くをウイングボディが占めています。
数ある種類のトラックの中でウイングトラックの利用が一番でした。
平ボディ、バンボディ、冷凍・冷蔵車、コンテナ車、特殊車等のトラックの中で一番人気のウイングトラックです。
このことはウイングトラックの持つ安全性と効率性の高さの証明と言えるでしょう。
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ウイングトラックとは
この名称の通り、バンタイプのトラックの両側面(左右)が鳥の翼のように開くのがウイングトラックです。
下図の『トラック各部の名称』をご覧ください。
全ては作業効率向上のためであり、鳥の翼のように左右のウイングを広げ、アオリを降ろせば直接フォークリフトで荷の積み下ろしの作業が可能です。
ウイングを格納すればバンボデータイプのトラックと変わらず、積荷の汚れや濡れを防止し、荷崩れを起こすこともない機能的な荷室です。
気密性が高く、積荷を風雨にさらすことが無いので引越し業や各種製品の輸送、精密機器の輸送にも多く活用されています。
冷凍・冷蔵技術の進歩はこのウイングトラックにも活かされています。
強力な冷凍・冷蔵技術は国内の食料品の輸送範囲を大きく広げました。
スイッチ一つで開閉できる軽いアルミ製のウイングの使い勝手の良さが需要の高さばかりか価格の高さにつながっています。
人気の車種であるウイングトラックはその新車価格の高さから初めから中古車を探す事業主も少なくありません。
※公益社団法人全日本トラック協会 ウェブサイト ボディの各部の名称より参照
ウイングトラックの種類
もともとバンボディでは荷台の後ろに扉があるが、奥までぎっしり積み込まなければ効率が悪い。側面にも扉を設けて車の横からも荷物を積めるようにしたバンボディもあるが、中に荷役作業員や運転手が入ってしまうと荷物に阻まれて外に出られなくなる恐れがある。そのためフォークリフトを用いてパレットに載せた荷物を隙間なく積むためには側面がすべて開くボディが要求されていた。一方で平ボディでは側面と後ろのあおり戸を開いて荷物を隙間なく積むことができるが、走行中の荷物の飛散や水濡れなどに対処するため幌付きにしたり、ゴム引きシートで覆ったりする必要がある。
この二律相反する条件の両立がウィングボディの登場につながる。構想のベースとなったのは1960年代の東京モーターショーに出展されていた「省力化トラック」という車で、これが元になって1970年代にパブコと日本フルハーフから製品化され、積載効率や合理性が評価された結果、日本国内の多くの架装メーカーが追随して普及した。
(Wikipediaより抜粋)
上記のような必要性に迫られてのウイングトラックの原型が生まれました。
そして、積荷によって必要なケースによってウイングトラックはアルミウイングトラックと幌ウイングトラックが利用されています。
≪アルミウイングトラック≫
アルミ板のウイングが開閉するトラックです。
トラック輸送の使命である安心安全を一番に考えるとこのアルミウイングトラックの利用が一番多くなります。
しかしながら重量のある車体は総重量を増やしてしまい、積載量を減らしてしまうマイナス面もあります。
アルミ製ウイングの開閉には相応の動力が必要になり、モーターと油圧シリンダーで開閉をさせています。
そのため定期的なメンテナンスは必要となります。
そして、日本の架装メーカーの高度な技術力によってアルミウイングの気密性は高まり、冷凍・冷蔵車両としての利用も可能となっています。
短時間の温度の変化が鮮度に影響を与える生鮮品にとっては積み降ろしの時間が非常に重要となり、フォークリフトで短時間に積み降ろしの出来るこのアルミウイングトラックは冷凍・冷蔵車両としても活躍をするようになっています。
このアルミウイングトラックは側面からフォークリフトで直積みを行える大きな利点がありますが、側面の開閉のための積み降ろしのための移動空間が必要であったり、積荷をクレーンで降ろし積込む対応が難しい弱点があったりしました。
それらに対応するために大きく3つの開閉方式で分けられています。
・フレキシブルオープンタイプ
ウイングの開く角度を細かく調整できるアルミウイングトラックです。
ちょうど良い調整が可能なため、トラックバースや倉庫の屋根の高さなどに制限がある時にその能力を発揮します。
・ターンオーバータイプ
片側のウイングが天井の中心を越えて開くのでクレーンによる積み降ろしに対応することができます。
フォークリフトでの積み降ろしだけではなく平ボディでの自在な積み降ろしに近づけたアルミウイングトラックです。
・上昇開閉タイプ
この名称通り、天井を上昇させることが出来るアルミウイングトラックです。
天井を上げることによってトラックに室内一杯に荷の積み込みをし易くします。
≪幌ウイングトラック≫
アルミパネルで構成されたアルミウイングトラックが主流ですが、幌ウイングトラックの需要もあります。
積荷の種類によって使用可能となる幌ウイングトラックは車両総重量が軽くなり、使用燃料も減り、アルミウイングトラックの場合に必要となるウイング開閉の動作をさせる動力モーターや油圧シリンダーも必要なく故障は少なくなり、経費削減に貢献するウイングトラックと言えるかもしれません。
天井・両側面をアルミパネルでおおったアルミウイングトラックとは違いウイングの素材をアルミから化学繊維等に変えたもので、モーターの動力や油圧シリンダーを必要とせず、バネなどを利用して人力で開閉を行います。
当然パネルの重量は軽量化され、車両総重量は減るため積載量を増やすことが出来ます。
小型車(2tトラック)から大型車(10tトラック)まで、バリエーションがあります。
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ウイングトラックの架装メーカー
株式会社パブコ
創業1901年の老舗のトラック架装メーカーです。
荷車、馬車作るからスタートしました。
1924年の関東大震災を契機に、市電等が壊滅状態となったなか、アメリカから大量輸入されたフォードのシャーシを利用しバスがたくさん仕立てられました。
そして、市電が復旧し必要無くなったバスをトラックに改造しました。
技術力を認められ、その第一号の改造、架装を任されたのがパブコだったのです。
『パブコ』の会社名は1990年に変更しています。
Pearl-Line All Brothers Corporation
「真珠は1つでも美しいが、それが輪になるとさらに美しさが増す」が由来です。
架装メーカーでは一番歴史は古く、ウイングトラックも最初の段階から手掛けているパブコです。
現在は資本金1億1千万円、三菱ふそうトラック・バス株式会社100%の子会社です。
日本フルハーフ株式会社
米国におけるトレーラーの老舗企業フルハーフ社の技術を導入し日本軽金属といすゞ自動車の折半出資により1963年に設立されました。
日本で初めてアルミバントラックを量産化させたのがこの日本フルハーフです。
「想いをハコぶその先へ」そして「一歩先を考える”輸送空間の創造”で、笑顔を届けるフルハーフ」を企業のブランドメッセージとして掲げ、地域貢献活動にも力を入れ神奈川県厚木市の本社工場では社員が植えた1,000本以上のバラを地域住民のために毎年開放し鑑賞会を行っています。
ウイングトラックはパブコと同時期に開発・製品化して世に送り出しています。
資本金10億円、日本全国、中国、東南アジア各国で事業展開する日本フルハーフです。
日本トレクス株式会社
1964年創業の極東開発工業の子会社です。
拡大するモーダルシフトに対応し、コンテナ輸送用セミトレーラのウイングトラックを各種製作しています。
安全運行に配慮したROC(横転抑制装置)や、業界トップクラスの防錆性能を誇る粉体塗装仕様で新時代のコンテナ輸送を支える日本トレクスです。
現在社会が直面している少子高齢化などによるドライバー不足問題、脱炭素社会実現に向けたエネルギーの転換、物流DXを始めとした技術進化による産業構造の変化等の大きな変革期を「変えられるものは自分自身である」という信念のもと社員一丸となって取り組んである日本トレクスです。
株式会社トランテックス
1908年創業、資本金11億円の日野自動車の子会社です。
社名の『トランテックス』にはTRANSPORT TECHNOLOGY SPACE&SYSTEM SUPPLIER 英語の「トランスポート(輸送)」、「テクノロジー(技術)」に「スペース(荷室空間)」・「システム(輸送システム)」・「サプライヤー(供給者)」の3つの頭文字Sを加え、『高度な技術力で高品質の車両を提供する』意味を込められています。
ドライから冷蔵・冷凍まであらゆる商品輸送を可能とするためのウイングトラックを開発しており、1200幅パレット2列積みを可能にしたパレット専用大型幌ウイングトラックや中型・小型の手動式幌ウイングトラックを開発・製造しているのが特徴です。
株式会社東洋ボデー
1963年創業、資本金48百万円のトラック用リヤーボデーの設計開発、製造、販売を手がけています。
燃費改善やCO2削減に向けたトラックボディーの軽量化に2007年から取り組んでいます。
女性でも楽に開閉出来る幌シートタイプの手動ウイングや油圧を利用した開閉タイプなど、積荷に合わせたサイズの2t・4tの小型・中型サイズの幌ウイングトラックを開発・製造しています。
いすゞ自動車をはじめ大手トラックメーカー各社と取引しています。
メイダイ
1974年創業、資本金3千万円の本社所在地豊田市に所在する建設業も行うトヨタ・日野自動車のお膝元の会社です。
ユーザーのニーズに合わせた商品提供のために、基本タイプをベースにしたフルオーダーシステムを採用しています。
『ワンタッチ幌』に代表される側面開放車及び全開放型幌『オープンスライダー』を開発製造しています。
『ワンタッチ幌』はスプリングの揚力と紐を使っての幌ウイングトラック、小型トラックからトレーラーにまで対応しており50年近く同社の定番アイテムとして活躍している。
『オープンスライダー』は独自のスライド機能によりサイド・天井・リヤの開閉を実現した作業性・安全性の高い全開放型モデルです。
ウイングトラック利用の際の注意点
ウイングトラックが普通のトラックと大きく違うのは開くウイングです。
作業中には車幅より広がり、車高より高くなることを絶えず意識してください。
そしてその材質がアルミであり、スチール製の鋼板よりも硬度に劣っていることも合わせて意識してください。
注意していただきたいのは、
・荷の緊締をすることなく走行しないこと
・ウイングルーフやアオリを解放したまま走行しないこと
・荷物を積んだまま洗車をしないこと
・ウイングルーフの作動範囲内に障害物がある場合は開閉させないこと
・ウイングルーフに雪が積もった場合には早め早めに除雪を行うこと
いずれにしても、故障・破損した場合の修理費用は多額となります。
それ以上にこれらの事故は人身事故にも直結しますのでくれぐれも安全作業・安全運転を心がけてください。
加えて、ウイングトラックの命ともいえるウイングや荷室後部の扉の開閉、開放状態でのウイングの油圧シリンダーの状態、リフト搭載車であればリフトの上下動作のメンテナンスはベース車両のメンテナンスとともに怠ることの無いよう心がけてください。
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おわりに
先に述べました日本自動車工業会が2020年度に実施した『普通トラック市場動向調査』の結果による運送業で使用されるトラックの種類の中で40%近くがウイングトラックを利用しているという結果が、いかにウイングトラックが便利であるかを物語っていると思います。
この先の脱炭素社会の時代がやって来ても使う道具は変わるでしょうが、道路交通法を含めて多くの法律が大きく変わることは無いでしょう。
私たちの基本的な生活も変わることはないでしょうから運送業に関わる皆さんの作業がすぐに大きく変わることは無いでしょう。
それはこの先もこのウイングトラックは活躍し続けるということを意味しています。
さまざまな利用上の特性などを十分に考慮して、この先の事業にお役立てください。
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