宅配便各社 配達員の新型コロナ感染相次ぐ

日本国内で新型コロナウイルスへの感染が再拡大しているのに伴い、物流現場でも7月上旬以降、新たな感染者発生の報告が相次いでいる。宅配便大手の佐川急便は7月10日、東京都および奈良県の事業所スタッフが新型コロナに感染したと発表。日本郵便では14日、神奈川県下の郵便局で集配担当者の感染が判明した。両社ともに、事業所内や車両(トラックなど)の消毒作業の実施や濃厚接触の可能性があるスタッフを自宅待機させるなどの対応に追われている。

佐川の東京での感染者は港区の「芝一丁目サービスセンター」に所属する集配業務委託先の20代男性スタッフ。佐川では同センターを一時的に閉鎖したうえで、管轄する城南営業所が集配業務を補完している。

一方、奈良営業所(大和郡山市)ではクラスターが発生したもようだ。従業員3人について新型コロナの「陽性」反応が出た後、同営業所の全スタッフを対象に検査を受けた結果、新たに5人の感染が明らかになった。業務スペースやトラックの消毒作業はすでに終了。現時点では近隣営業所によるサポートの下、集配業務を継続している。

日本郵便での感染者は大和郵便局(神奈川県大和市)の集配スタッフ。同局では13日から消毒作業のため窓口業務を休止したが、15日には再開した。郵便物やゆうパックの集配業務も一時停止したため、集配に遅延が生じるなどの影響を出た。感染したスタッフについて濃厚接触者は確認されなかったという。

宅配便各社では、顧客との接触機会の多い集配スタッフに対して、うがいや手洗い、マスク着用を徹底させるとともに、対面での荷物の受け渡しを減らすための「置き配」対応を強化している。

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