クレーンの資格には何がある? 資格の詳細や技能講習、特別教育について徹底解説

建設業界や物流業界、製造業界などのさまざまな現場で、重量物をつり上げて移動させるために不可欠なクレーン。 その運転・操作にはもちろん資格や免許の保有が必須です。  

クレーンの運転・操作に必要な資格や免許を持つことによって仕事の幅が広がります。 今回の『豆知識』ではクレーンの資格、技能講習、特別教育の種類や特徴、取得にかかる費用、難易度について説明します。最後まで、ぜひご覧ください。 

 

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クレーンとは?

物流業界や建設業界でクレーンは欠かすことのできない揚重機械です。クレーンの能力である「荷を動力を用いて吊り上げる」そして「その荷を水平移動させる」。その二つの能力を合わせ持つことがクレーンの定義となります。 

人間は長い歴史の中で建設工事などで人力の限界を知り、人力以外の動力と滑車や歯車などの道具を使って重量物の揚重や移動を行ってきました。クレーンとは物の揚重・移動のための人間の知恵の結晶なのです。 

人間が生み出したクレーンには、固定された場所でクレーン作業を行なう、天井クレーン建屋の両側の壁に沿って設けられたランウェイ上を走行するクレーン)、ジブクレーン(ジブと呼ばれる本体から伸びる長いアームを持つクレーンや、車両などに設置されていて移動が可能な移動式クレーンがあります。移動式クレーンには、トラッククレーンやホイールクレーン、クローラークレーンがあります。 

 

クレーンとデリックの違い

クレーンとデリック、このどちらも同じ揚重機ではありますが、構造の違いで区分されています。 

デリックは揚重の原動力であるウインチワイヤー巻き上げ機が別置されているのが特徴です。 

そして、荷の水平移動がデリックの定義の必要条件ではないことも大きな特徴です。 

現在も活躍するデリックは日本で200基ほどで、建設現場で重量ある資機材の揚重や、大型貨物船が荷降ろしのために寄港する波止場に建つ背の高い揚重機にもデリックはあります。 

デリックは進化した移動式クレーンやコンテナの出現で、効率面で押し出され、徐々に減少しています。 

 

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クレーンの資格は主に3種類

クレーンの運転・操作に必要な免許・資格の数は多く、その名称も似ているので知らなければ勘違いをしてしまいます。 

クレーンおよびクレーンに関する資格は、労働安全衛生法によりクレーンの構造や吊上げ荷重によって定められています。 

その資格取得方法には難易度の低いほうから「特別教育」「技能講習」、そして「免許」があり、クレーンの構造や吊上げ荷重の大きさによって作業の危険度が増し、そのために資格の難易度も上がります。  

「免許」が最上位資格となり、上位資格を持てば下位資格の業務を行うことができます。  

 

【早見表】クレーンに必要な資格

資格名称と各資格分野のわかる早見表です。 

 

資格名称及び※業務内容  免許  技能講習  特別教育 
クレーン・デリック運転士免許【限定なし】 

吊り上げ荷重5t以上のクレーンの運転業務 

     
クレーン・デリック運転士免許【クレーン限定】 

吊り上げ荷重5t以上のクレーンの運転業務(デリックを除く) 

     
クレーン・デリック運転士免許【床上運転式クレーン限定】 

※床上運転式クレーンで吊り上げ荷重5t以上のクレーンの運転業務 

     
移動式クレーン運転士免許 

吊り上げ荷重が5t以 

     
揚貨装置運転士       
床上操作式クレーン運転技能講習 

吊り上げ荷重が5t以上 

     
小型移動式クレーン運転技能講習 

吊り上げ荷重が1t以上5t未満 

     
玉掛け技能講習 

吊り上げ荷重1t以上 

     
玉掛け特別教育 

※吊り上げ荷重1t未満 

     
クレーン運転の業務に係る特別教育 

※吊り上げ荷重5t未満 

     
移動式クレーンの運転の業務特別教育 

※吊り上げ荷重が1t未満 

     

 

クレーン運転士免許の種類と試験について

各種あるクレーン運転士免許の種類と試験について紹介します。運転士免許は、運転士免許・技能講習・特別教育の3種の資格の最上位のものとなります。 

 

クレーン・デリック運転士免許(限定なし)

クレーン・デリック運転士免許(限定なし)は、クレーン資格では一番の上位資格です。クレーン・デリック運転士免許(限定なし)には学科試験および実技試験があります。  

免許取得後、運転可能なクレーンの種類は天井クレーン、ジブクレーン、橋形クレーン、ガイデリック、スチフレッグデリック、ジンポールなど、すべてを運転することができます。

 

クレーン・デリック運転士免許(限定なし) 
試験内容  学科:クレーン及びデリックに関する知識、関係法令、原動機及び電気に関する知識、クレーンの運転のために必要な力学に関する知識 

実技:クレーンの運転、クレーン運転のための合図 

合格ライン  60% 
合格率 

(2024年度) 

(学科)68.2%  
(実技)25.9% 
受験料金  学科試験8,800円、実技試験14,000円ですが事前に必ずご確認ください。 
合格率  68.2% (2024年度試験結果) 
試験日程  各地域によって2025年度日程が発表されていますので安全衛生技術試験協会ホームページでご確認ください。https://www.exam.or.jp/ 

クレーン・デリック運転士免許(クレーン限定) 

クレーン・デリック運転士免許(クレーン限定)に合格すると天井クレーン、橋形クレーンなどのクレーンのみの運転が可能になります。

 

クレーン・デリック運転士免許(クレーン限定) 
試験内容  学科:クレーン及びデリックに関する知識、関係法令、原動機及び電気に関する知識、クレーンの運転のために必要な力学に関する知識 

実技:クレーンの運転、クレーン運転のための合図 

合格ライン  60% 
合格率 

(2024年度) 

(学科)59.1%  
(実技)49.3% 
受験料金  学科試験8,800円、実技試験14,000円ですが事前に必ずご確認ください。 
試験日程  各地域によって2025年度日程が発表されていますので安全衛生技術試験協会ホームページでご確認ください。https://www.exam.or.jp/ 

クレーン・デリック運転士免許(床上運転式クレーン限定) 

クレーン・デリック運転士免許(床上運転式クレーン限定)に合格すれば5t以上の荷を、床上から操作する天井クレーン、橋形クレーンなどと、デリックの運転が許可されます。 

 

クレーン・デリック運転士免許(床上運転式クレーン限定) 
試験内容  学科:クレーン及びデリックに関する知識、関係法令、原動機及び電気に関する知識、クレーンの運転のために必要な力学に関する知識 

実技:クレーンの運転、クレーン運転のための合図 

合格ライン  60% 
合格率 

(2024年度) 

(学科)46.7%  
(実技)66.7% 
受験料金  学科試験8,800円、実技試験14,000円ですが事前に必ずご確認ください。 
試験日程  各地域によって2025年度日程が発表されていますので安全衛生技術試験協会ホームページでご確認ください。https://www.exam.or.jp/ 

移動式クレーン運転士免許 

移動式クレーン運転士免許に合格すれば、吊り上げ荷重5トン以上の移動式クレーンを含むすべての移動式クレーンを運転できます。公道走行における運転免許とは別物ですから、公道走行の際には道路交通法にもとづく運転免許が必要になります。
 

移動式クレーン運転士免許 
試験内容  学科:移動式クレーンに関する知識、原動機及び電気に関する知識、関係法令、移動式クレーンの運転のために必要な力学に関する知識 

実技:移動式クレーンの運転、移動式クレーン運転のための合図 

合格ライン  60% 
合格率 

(2024年度) 

(学科)61.9%  
(実技)64.7% 
受験料金  学科試験8,800円、実技試験14,000円ですが事前に必ずご確認ください。 
試験日程  各地域によって2025年度日程が発表されていますので安全衛生技術試験協会ホームページでご確認ください。https://www.exam.or.jp/ 

揚貨装置運転士

揚貨装置とは船舶に取り付けられたクレーンやデリックのことを言います。船から陸へ、もしくは陸から船へ貨物の積み降ろしを行なう港湾における荷役作業機械です。揚貨装置運転士の免許を保有することで、船上からの荷役作業が可能になります。 

ちなみに港側からの揚重機は揚貨装置ではなく、操作にはクレーン・デリック運転士の免許が必要になります。なお、船上設置の揚重機でも、揚重作業が専門の浮きクレーンは移動式クレーンに分類され、運転には移動式クレーン運転士免許が必要になります。 

 

揚貨装置運転士 
試験内容  学科:揚貨装置に関する知識、関係法令、原動機及び電気に関する知識、揚貨装置の運転のために必要な力学に関する知識 

実技:揚貨装置の運転、揚貨装置運転のための合図 

合格ライン  60% 
受験料金  学科試験8,800円、実技試験14,000円ですが事前に必ずご確認ください。 
合格率 

(2024年度) 

(学科)71.8%  
(実技)93.1% 
試験日程  各地域によって2025年度日程が発表されていますので安全衛生技術試験協会ホームページでご確認ください。https://www.exam.or.jp/ 

 

 

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クレーン技能講習の種類と試験について

クレーン資格の中には、労働安全衛生法にもとづく運転技能講習を修了しなければ、運転作業に従事できない以下の3種類の資格があります。いずれも資格試験ではなく、技能講習の受講修了で運転に従事することができます。 

 

床上操作式クレーン運転技能講習

工場や倉庫内で直進走行および横行する吊り荷とともに、オペレータが移動するクレーンです。吊り上げ荷重5t以上の床上操作式クレーンの運転作業に従事する場合、労働安全衛生法に基く技能講習を修了しなければならないことが義務づけられています。 

なお、受講時間は保有資格や業務経験で変わります。資格、経験がない場合には20時間。小型移動式クレーン・デリック・揚貨装置のいずれかの特別教育を修了してから業務経験が6ヶ月以上ある場合は19時間。移動式クレーン・デリック(旧デリック運転士免許含む)・揚貨装置のいずれかの運転士免許富裕の場合、もしくは小型移動式クレーン・玉掛けのいずれかの技能講習修了者は16時間です。 

そして、この技能講習を修了した者であっても、吊り上げ荷重1t以上のクレーン等の玉掛け業務は玉掛技能講習修了者の資格が必要になります。吊り上げ荷重1t未満のクレーン等の玉掛け業務については、玉掛けの業務に係る特別教育の修了が必要になります 

 

小型移動式クレーン運転技能講習

吊り上げ荷重5t未満の小型移動式クレーンの運転作業に従事するために必要となる技能講習です。講習時間は保有資格と業務経験によって変わります。資格なし、業務経験なしが最大の20時間です。  

クレーン・デリック(旧クレーン運転士免許、旧デリック運転士免許含む)、揚貨装置のいずれかの運転士免許所有者、玉掛け技能講習修了者、もしくは床上操作式クレーン運転技能講習修了者は16時間となります。講習終了で小型移動式クレーン運転の「技能講習修了証」が交付されます。 

 

玉掛け業務技能講習 

クレーン作業に必ず伴うのが、この玉掛け業務です。吊り上げ荷重が1t以上のクレーン、移動式クレーンまたはデリックの玉掛け業務に従事する際に義務づけられている技能講習です。労働局長に認められた「玉掛け技能講習事業」資格保有の教育機関で受講できます。  

学科と実技を合わせて、クレーン免許あり15時間、なし19時間の講習となります。受講料はクレーン免許(技能講習以上)ありで22,000円、ない場合は24,000円です。 

 

 

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クレーン特別教育の種類と試験について

クレーン資格の中の吊り荷の荷重によって保有が必要な特別教育が必要な3種類があります。『玉掛け業務』、『クレーン運転の業務に係る特別教育』、『移動式クレーン運転の業務に係る特別教育になります。 

 

玉掛けの業務に関わる特別教育

吊り上げ荷重が1t未満のクレーン、移動式クレーンまたはデリックの玉掛け業務に従事する際に義務づけられている特別教育です。受講から修了証発行までオンラインで完結できます。  

定められた5.5時間のカリキュラムの講義を受講した後に、各事業所で4時間の実技を行って完了です。すべての方が安全に玉掛け業務を行っていただけるようにするための教育です。受講料は11,000円です。  

 

クレーン運転の業務に係る特別教育

移動式クレーンを除く、吊り上げ荷重5t未満のクレーンの運転に必要な特別教育です。 

特別教育は、学科の「クレーンに関する知識」3時間、「原動機及び電気に関する知識」3時間、「運転のために必要な力学に関する知識」2時間、「関係法令」1時間と定められています。 実技は「クレーンの運転」3時間、「クレーンの運転のための合図」1時間と定められています。 

 

移動式クレーン運転の業務に係る特別教育 

つり上げ荷重1t未満の移動式クレーンの運転作業に従事するために必要となる特別教育です。  

特別教育は、学科の「移動式クレーンに関する知識」3時間、「原動機及び電気に関する知識」3時間、「運転のために必要な力学に関する知識」2時間、「関係法令」1時間と定めています。 実技も「移動式クレーンの運転」3時間、「移動式クレーンの運転のための合図」1時間と定めていますが、実際にこの特別教育を行っている認定の教育機関は少ないようです。  

これは、0.5t以上1t未満の移動式クレーンを実際に使用することが多くないことと、この上位資格である小型移動式クレーン運転技能講習や移動式クレーン運転士免許を取得すれば運転作業が可能という効率の良さを考えての結果からきているようです。 

 

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クレーン資格に関するよくある質問

クレーンの資格に関してよくある質問の4選です。 今後の業務の参考にしてください。  

 

修了証の再発行は可能ですか?

修了証の再発行は可能です。 クレーンの資格保有を証明する各種講習修了証の紛失、盗難、汚損、氏名変更等による再交付・書替えの手続きは、本人もしくは代理人が行うことができます。  

その際には申請書と必要な書類を提出して行うことになります。原則は窓口提出を日本クレーン協会各支部は求めていますが、やむを得ない場合には郵送も可能です。  

申請書類は各支部のホームページからダウンロードできますので、それを使用してください。窓口での手続きの場合には、手数料,証明写真1枚,身分証明書の3点を持参して申請書類に記入してください。その場で再発行してもらえます。 

郵送での手続きの場合には必要書類と手数料を現金書留で送付、もしくは必要書類の送付に並行して振り込みの手続きとなります。 各支部にて手続きに若干の違いがありますので、申請する前に電話で確認しておけば安心です。  

 

クレーン資格は履歴書に記載できますか?

はい、クレーン資格は履歴書に記載できます。 資格取得日とともに資格名称を明確に書いて紛らわしいほかのクレーン資格と間違われることのないようにしてください。 修了証の再発行は可能です。 

 

クレーン資格の取得は難しいですか?

簡単とは言えないでしょう。そして、当たり前のことですが、上位資格に進むほど難しくなります。 特別教育や技能講習は受講者全員に安全にクレーンを操作してもらうために行います。 

どの資格試験も落とすことを目的にしているのではなく、すべては安全のためです。 普段勉強していることを学科試験で発揮し、それまでの経験や実技講習で行ってきたとおりに実技試験を受ければ大丈夫でしょう。  

まずは吊り上げ荷重の少ないクレーンから始めて、慣れながら上位資格を取得していくのも一つの方法でしょうどのような運転・操作資格でも慣れることで乗り越えていけます。  

 

クレーン資格は取得までにどれくらいの時間がかかりますか? 

当然のことながら、クレーン資格によって教習時間は変わってきます。 最上位クレーン資格となるクレーン・デリック運転士免許が取得までに一番時間がかかるでしょう。  

クレーン・デリック運転士免許があれば吊り上げ荷重5t以上のほぼすべてのクレーン操作ができるようになります。このクレーン・デリック運転士免許試験において「クレーン運転実技教習」を受講すると実技試験が免除されます。 

日本クレーン協会近畿支部八尾教習所では講習に1週間を設けています。講習終了後、1年以内に学科試験に合格すればクレーン・デリック運転士免許を取得することができます。  

ご自身のスケジュールにあわせて、この教習時間である1週間と学科試験の1日を加えれば、クレーン資格取得までの具体的なスケジュールを考えることができると思います。 どのクレーン資格にも保有資格によって学科の受講時間数が減ったりしますので、確認してください。  

 

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まとめ

クレーンの資格は、その吊り上げ荷重や活躍場所によって複数に分かれています。従事される業務に一番必要な資格を見極めて、上位資格の取得を目指してみてはいかがでしょうか。それによって対応できる仕事の幅も広がります。 

一番大切なのは安全です。事故を起こしてしまえば重大災害につながるクレーン作業です。 常に安全第一を心がけて日々の業務に当たってください。  

 

トラックファイブは『豆知識』でこれからも皆さまにさまざまな情報をお届けします。

 

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