トラックから黒煙が出た！原因や対処法を解説
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トラックの黒煙とは
トラックの黒煙とは？
トラックの黒煙は、ディーゼルエンジンから排出されるガスの中に混じっている、完全に燃焼しきれていない燃料の残りカスです。
ディーゼルエンジンは、シリンダー内部で空気と燃料を圧縮し高温にすることによって着火・燃焼させ、シリンダー内のピストンを動かして動力を発生させます。
しかしながら、何らかの原因によって「酸素不足」「圧縮力不足」「燃料供給の不具合」を発生させて不完全燃焼を起こします。
そして排気ガスと一緒に黒煙となって外部に排出されてしまうのです。
黒煙の正体
黒煙の正体は、一酸化炭素 (CO)、炭化水素 (HC)、窒素酸化物 (NOx)、硫黄酸化物 (SOx)、粒子状物質 (PM)などの健康に被害を与える物質で、大気汚染の原因となります。
これらのなかで、炭化水素 (HC)は大気中で太陽光の紫外線によって、光化学スモッグを起こす光化学オキシダントに変化します。また、硫黄酸化物 (SOx)は酸性雨のもととなります。
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トラックから黒煙が出る原因
吸入酸素量の不足
トラックから黒煙が出る原因はエンジンにおける燃料の不完全燃焼によるものです。
そして、その不完全燃焼の多くはエンジンシステムの不具合によります。
ありがちなのが吸入酸素量の不足によるものです。
ディーゼルエンジンはシリンダー内に燃料と空気を送り込み、圧力をかけて燃焼させて動力に変えるのですが、燃焼に必要な酸素量が不足して不完全燃焼を起こす場合です。
エレメントの汚れやバルブの不具合などで、吸気システムがうまく作動しないために起こるトラブルです。
燃料供給の不具合
燃料供給に不具合がある場合にも不完全燃焼を起こします。
ディーゼルエンジンは、空気が圧縮されたシリンダー内に、燃料を最高のタイミングで噴射することで完全燃焼させます。
その爆発力がトラックを動かす原動力となっていくのですが、この時の燃料供給が上手くいかないと不完全燃焼を起こします。
シリンダー内に噴射する燃料は早すぎても遅すぎても完全燃焼はしません。
燃料の量が多すぎても少なすぎても完全燃焼はしません。
完全燃焼には適量の燃料によるベストタイミングの燃焼が必要になります。
圧縮力不足による燃料の不完全燃焼
ディーゼルエンジンが駆動する仕組みはシリンダー内を高圧縮することによる高温が必要条件となっています。
この高温の中に噴霧された燃料が送り込まれて爆発し駆動力に変わるのですが、エンジンの不具合によって圧縮力が足らなければ燃料着火に必要な高温にはなりません。
その結果、不完全燃焼を起こしてトラックから黒煙が出る原因の一つになってしまいます。
トラックから黒煙が出た際の対処法
エアクリーナーのメンテナンス
トラックのエンジンが正常に作動しないことによって黒煙が出ることはご理解いただけたことと思います。
トラックから黒煙が出た際の対処法は、エンジン装置の各部品が正常に作動するように整備・修理することです。
まずは吸入酸素量の不足が無いかの確認です。エアクリーナーをチェックしてメンテナンスしてください。不純物の流入を遮るフィルターですので使っていればいずれ目詰まりします。
エアクリーナーを点検して清掃もしくは交換してください。そして十分な酸素を吸入できるようにしてください。
燃料噴射装置のメンテナンス
十分な酸素が吸入できてエンジン装置に不備が無くとも、燃料噴射装置に不備があれば燃料の完全燃焼はできません。
シリンダー内に適量の燃料を適切なタイミングで噴霧する噴射ポンプに不具合があれば、燃料は不完全燃焼を起こして黒煙の原因となります。
燃料噴射装置のメンテナンス時には噴射ポンプと噴射ノズルの目詰まりをよく確認してください。
シリンダーとピストンのメンテナンス
燃料を完全燃焼させるためにはシリンダーとピストンのメンテナンスも非常に重要です。
シリンダーとピストンの摩耗による経年劣化は、隙間を生み出しシリンダー内を高圧にすることを妨げ、不完全燃焼をひき起こします。
定期的なシリンダーとピストンのメンテナンスを実施して、摩耗したピストンリングは交換し、エンジンオイルが十分に行き届いているかを確認して燃料を完全燃焼させてください。
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トラックの黒煙は放置してもいいか？
トラックの黒煙は違法
トラックの黒煙は違法です。
通称「排ガス規制」と呼ばれる「自動車排出ガス規制」において、自動車のエンジンから排出される大気汚染物質の上限が定められています。
その物質は、一酸化炭素、窒素酸化物、炭化水素類、黒煙などと定められています。
そして具体的には大気汚染防止法、自動車NOx･PM法、都道府県条例で規制されています。
排ガス規制とは？
排ガス規制は正確には以下のように分けることができます。
- 単体規制
排気ガス中の有害物質濃度が、国土交通省が定めた基準を満たしていない自動車は新車登録ができない規制です。
- 車種規制
単体規制は新車登録時のみ適用ですが、車種規制は中古車と使用中の車にも適用となります。
基準を満たしていない車は、新規登録だけでなく、移転登録や継続登録もできなくなる規制です。
- 運行規制
都道府県が実施しているもので、排ガス規制の基準を満たしていない車両の運行を規制するものです。
首都圏・都市圏の自治体における「ディーゼル車規制条約」や、尾瀬・乗鞍スカイライン・上高地などで自然保護のために行われる「マイカー規制」などがそれに当たります。
- エコカー減税の対象となる規制
最新の排ガス規制に適応する車両には減税があり、逆に古い車両には重税が課せられます。
排ガス規制の対象
排ガス規制の対象となる車両は排ガス規制対策区域内を拠点として活動する車両が対象となります。
そして、対象車両であるかはナンバープレートの番号でわかります。
地域名右横にある3桁の分類番号で判別します。
- 普通トラック
分類番号：1、10～19、100～199
- 小型トラック
分類番号：6、60～69、600～699、4、40～49、400～499
- 特種自動車（トラック、バス、ディーゼル車をベースとした車両）
分類番号：8、80～89、800～899
- 大型バス・マイクロバス
分類番号：2、20～29、200～299
※一部対象（5、50～59、500～599、7、70～79、700～799）
⑤ディーゼル乗用車（定員11人未満）
分類番号：3、30～39、300～399、5、50～59、500～599、7、70～79、700～799
排ガス規制対策地域内では、該当車両の新規登録、中古車購入や転売なども規制されているため注意してください。
排ガス規制の対象地域
排ガス規制の対象地域は、排ガスによる大気汚染で被害が拡大する可能性がある交通量が多い大都市地域です。
規制対象地域内では排ガス規制に適応しないトラックは使用できません。
- 首都圏における対策地域
東京都：23区他、八王子市、立川市、日の出町 他
千葉県：千葉市、船橋市 他
埼玉県：さいたま市、川越市 他
神奈川県：横浜市、川崎市 他
- 関西圏における対策地域
大阪府：大阪市、堺市 他
兵庫県：神戸市、姫路市 他
- 中部圏における対策地域
愛知県：名古屋市、豊橋市 他
三重県：四日市市、桑名市 他
まとめ
トラックの黒煙を規制している排ガス規制は、日本国内のみならず世界規模で、二酸化炭素排出対策とともに進行しています。
地球規模での環境破壊が進む中で、このような動きは当然のことで、私たちは歩調を合わせていかなければなりません。
優秀な日本の各トラックメーカーは、規制基準をクリアしても高性能で能力が落ちないエンジンを開発しています。
そして、規制に納まらず排気機能を改造しようとしても費用がかかり過ぎるため、買い替えを考えて使用中のトラックを手放そうとお考えの方もいることと思います。
その際には是非トラックファイブにご相談ください。
トラックファイブは、たとえトラックの部品だけでも世界中からのニーズに応じて提供しています。
使用不能となったトラックを活かす道が残っているのです。
トラックファイブは『豆知識』でこれからも皆様にさまざまな情報をお届けします。
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