車両系建設機械の免許とは?種類や取得資格、取り方を解説
車両系建設機械の免許は国家資格です。
試験で落とすことを目的にした資格制度ではなく、安全に車両系建設機械を使いこなしてもらい日本経済の発展に結び付けていこうという意図がある講習・教育です。
世の中に必要な車両系建設機械の資格ということです。
今回の『豆知識』ではこの車両系建設機械の種類、資格について解説いたします。
目次
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車両系建設機械とは
建設機械は、土木・建築の建設業において人間の力を超えた作業を行う建設に関わる機械のことを言います
その建設機械のなかでも車両系建設機械は、労働安全衛生法施行令別表第7に定められた自走できる建設機械のことを言い、「整地・運搬・積込み用機械」「掘削用機械」「締固め用機械」「基礎工事用機械」「コンクリート打設用機械」「解体用機械」の6種類に分類されています。
・車両系建設機械の種類
車両系建設機械の種類と具体的な機械は以下の通りです。
整地・運搬・積込み用機械 |
ブルドーザー、モーターグレーダー、トラクターショベル、ずり積機、スクレーパー、 スクレープ・ドーザーなど
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掘削用機械 |
パワーショベル、ドラグショベル、ドラグライン、クラムシェル、バケット掘削機 トレンチャー
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締固め用機械 |
ローラーなど
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基礎工事用機械 |
くい打機、くい抜機、アースドリル、リバースサーキュレーションドリル せん孔機(チュービングマシンを有する物に限る)、アースオーガー、ペーパードレーンマシンなど
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コンクリート打設用機械 |
コンクリートポンプ車
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解体用機械 |
ブレーカーなど
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車両系建設機械の運転技能講習のスケジュール例
この車両系建設機械を運転・操縦するためには、運転技能講習を受けて資格を取得しなければなりません。
(労働安全衛生法第59条第3項:事業者は、労働者を雇い入れたときは、当該労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行なわなければならない。)
そして車両系建設機械の運転技能講習は各機械の機体重量3tを境にして、3t以上は「運転技能講習」を、3t以下は「運転特別教育」を受けなければ資格を取得できません。
この「運転技能講習」も「運転特別教育」も資格取得条件は満18歳以上という年齢だけです。
保有免許や運転特別教育による経験時間によって講習・教育の時間は変わってきます。
運転技能講習のスケジュール例としては、それぞれの講習・教育の時間の中で学科と実技が実施されます。
そのなかで実技に重きを置いて運転技能講習は実施されます。
運転技能講習・運転特別教育は都道府県労働局長登録教習機関において行われます。
車両系建設機械の運転技能講習の種類
車両系建設機械の運転技能講習の種類は、それぞれの建設機械の活躍するフィールドによって4つに分けられています。
学科・実技の技能講習はそれまでの実務経験と保有資格・免許で時間や講習科目の数が変わってきます。
・車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習
整地・運搬・積込み用及び掘削用機械であるブルドーザーやパワーショベルなどの建設機械の運転・操作資格です。
普通免許が無く、運転経験が6ヶ月以上ない場合における車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習の最長の受講時間は38時間です。
最短取得日数で5日間必要です。
自動車教習所のように空いた時間に講習の受講をするわけにはいきませんが、指定された日程での5日間連続での受講で資格は取得できます。
大型・中型もしくは普通免許を持ち、小型車両系建設機械運転特別教育を修了し、その運転業務経験が3ヶ月以上ある場合最短の14時間、2日間で取得できます。
取得条件は年齢18歳以上です。
・車両系建設機械(基礎工事用)運転技能講習
基礎工事用機械であるくい打機、くい抜機、アースドリルなどの建設機械の運転・操作資格です。
保有免許、実務経験での免除の無い場合は最長の39時間と、長い講習受講時間となりますが、大型特殊自動車運転免許保有者、車両系建設機械(整地等)または(解体用)運転技能講習修了者などの資格があれば25時間に軽減され、移動式クレーン運転士免許保有者であれば9時間の受講で修了となります。
取得条件は年齢18歳以上です。
・車両系建設機械(解体用)運転技能講習
車両系建設機械のなかでも解体用の車両の運転・操作資格になります。
油圧ショベルの先に解体用のブレーカーなどの解体用アタッチメントを取り付けた車両です。
建設業における既設建物の解体工事や産業廃棄物処理業、自動車解体業などで使用される車両で車両使用のための講習が義務づけられています。
取得条件は年齢18歳以上です。
車両系建設機械(解体用)運転技能講習は1日の講習で終わりますが、そのためには先に車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)の技能講習を修了する必要があります。
そのため、車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)の技能講習を修了していない場合は最長38時間、最短で14時間の時間が必要になります。
・車両系建設機械(コンクリート打設用)運転技能講習
コンクリート打設用機械であるコンクリートポンプ車の運転・操作資格になります。
学科7時間、実技5時間の2日間で取得できます。
受講資格に「労働安全衛生法に定める特別教育修了者で、全国コンクリート圧送事業団体連合会会員の従業員であること。かつ、初回特別教育修了日から1年以上の実務期間があること」となっており、車両系建設機械の運転技能講習のなかでは難易度の高い資格と言えるかも知れません。
そして、このコンクリートポンプ車の資格にだけ機体重量の3tを境にしての区分けは無く、
運転技能講習しかありません。
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車両系建設機械を使用する際の注意点
さまざまな目的・用途に対応した車両系建設機械があり、それぞれの特徴があります。
事故が無く、安全に日々の業務に当たっていただくための注意点です。
・車両系建設機械資格以外の免許も必要
さまざまな車両系建設機械のなかにはユンボやブルドーザーなど公道を走行できないクローラー式(キャタピラー)のものもあります。
クローラー式の重機・建機を移送させるにはトラックやトレーラーなどの回送車が必要になります。
そして、ホイールローダーのようなクローラー式ではなくタイヤ式の重機・建機であれば、公道を走行できるものもありますが、その際には大型自動車免許の他に車両重量に合わせた特殊自動車免許が必要になり、大型建設機械の場合には大型特殊免許が必要になります。
コンクリートポンプ車にはさまざまな現場に対応できるように各種サイズの車両にコンクリートポンプが架装されています。
そのために、サイズに合った自動車免許と小型もしくは大型の特殊自動車免許が必要です。
・無免許運転・不携帯をした場合の罰則
「労働安全衛生法」第61条(就業制限)の第3項に「第1項の規定により当該業務につくことができる者は、当該業務に従事するときは、これに係る免許証その他その資格を証する書面を携帯していなければならない。」と定められています。
そのため、車両系建設機械の無免許運転や不携帯での作業を行った場合の罰則は厳しいです。
『安全』のために国が定めた車両系建設機械の資格です。
その罰則は当事者である作業者ばかりか事業主にまで科されます。
罰則内容は事業主に対しては6ヵ月以下の懲役、または50万円以下の罰金が科され、作業者には50万円以下の罰金が科されます。
この罰則内容を見ていただいていかに安全が大切で、皆さんがいかに責任の重い仕事をしているかと認識していただければ幸いです。
車両系建設機械は災害時に役立つこともある
近年、日本においても局地豪雨や大地震などの自然災害が多発しています。
災害復旧にこの車両系建設機械は非常に役立ちます。
この日本では災害復旧のために日本各地からユンボやブルなど、復旧、片付けのための建設機械が送り込まれてきます。
しかしながら、これらの建設機械は技能講習だけで100%操作・運転できるものではありません。
運転時間とさまざまな経験が必要です。
資格保有をしているだけでは難しい災害復旧の現場での処理は困難でしょう。
二次災害を起こさないためにも資格保有だけで操作・運転の名乗りを上げるべきではないでしょう。
数ある建設車両の存在を知ることが災害のケースによって活躍できる建設機械の応援要求ができます。
災害ボランティアを志す方のなかで車両系建設機械の講習・教育を受ければ役に立つこともあるでしょう。
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まとめ
車両系建設機械は建設工事の現場を中心に今後も活躍していくことでしょう。
今後日本は多くのインフラ施設の更新(リニューアル)を行わなければなりません。
そのためには解体作業や建築作業に移る前の基礎工事、整地工事、そしてその先にはコンクリートポンプ車の出番も控えています。
車両系建設機械の資格取得は今後の仕事にもつながることでしょう。
そして、この『車両系建設機械の資格』は決して高くないハードルの国家資格であり、一旦取得すれば『一生物』であることを再度お伝えしておきたいと思います。
トラックファイブは『豆知識』でこの先もさまざまな情報を皆さまにお届けします。
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