パッカー車とは?特徴や仕組み、購入時のポイントを徹底解説!
2020年1月末に始まった新型コロナウイルスによる緊急事態は3年3カ月で終了を迎えると世界保健機関(WHO)は発表しました。
今回このコロナ禍で注目を浴びた『エッセンシャルワーク』の中にどんな日常になっても私たちの生活から生まれてくるゴミの収集作業にも注目は集まりました。
そのゴミ収集作業に欠くことが出来ないのがこのパッカー車です。
今回の『豆知識』ではこのパッカー車を取り上げ、特徴や仕組み、購入時のポイントを解説いたします。
『豆知識』の過去記事、エッセンシャルワーカーと商用車 ~全てのエッセンシャルワーカーと商用車に敬意と感謝を~ を是非ご参照ください。
目次
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パッカー車とは?
ゴミ収集車と聞けば誰もがその姿をイメージできるほど私たちの日常生活とともにあるのがパッカー車です。
・パッカー車の基本概要
パッカー車の正式名称は『塵芥車(じんかいしゃ)』です。
塵芥(じんかい)とはゴミのことです。
塵芥車は国土交通省が定める道路運送車両法のなかに定義される特殊用途自動車の一つです。
狭小な道路もある街中のゴミを収集する仕事が中心のこのパッカー車は2t~4tサイズのトラックにパッカー機能が架装されています。
ゴミ収集が基本的な用途ですが植栽業における街路樹の剪定後の枝木の収集にも用いられます。
パッカー車の名称の由来は英語の『pack』(詰め込む)の和製英語です。
正式名称である塵芥車のほかにパッカー車、ゴミ収集車、塵芥収集車とも呼ばれています。
・パッカー車のサイズ、最大積載量
パッカー車のサイズのほとんどは2t~4tのトラックが中心です。
街中の狭小な道路を走り回り各家庭や事業所のゴミを集めて回り、自治体ごとに設置されている清掃工場まで運搬するためにちょうどよいのが2t~4tの小型、中型トラックです。
他のトラックに比べるとパッカー車の車両総重量に対する特殊な架装部分(パッカー)の重量はかなり重くなってしまいます。
小型トラックサイズのパッカー車で積載量は2t、中型トラックサイズのパッカー車で4tの積載量が目安です。
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パッカー車の仕組み
パッカー車には最大積載量内でより多くのゴミを積み込むために三種類の圧縮形式と、清掃工場に運搬して焼却炉内にそのゴミを放り込むための二種類の排出形式があります。
見かけは似ていますがそれぞれの形式によってパッカー車の仕組みが異なります。
・3種類の圧縮形式
パッカー車にはより多くのゴミをパッカー内に集積するためにゴミを圧縮して嵩(かさ)となる空気を追い出す3種類の圧縮形式があります。
〈圧縮板式(プレス式)〉
圧縮板式(プレス式)は名称通り圧縮板でゴミを上からプレスして圧縮してその容積を縮小させる方式です。
この圧縮力は冷蔵庫も押しつぶすほどの強力な圧力ですがリサイクルの観点からそこまでは行われていません。
この圧縮板式パッカー車では圧縮時に家庭ごみの汚水が染み出てしまいます。
そのためにパッカー車後部に汚水タンクを設置してその汚水をためるように工夫されています。
〈回転板式(巻き込み式)〉
回転板式(巻き込み式)は車体の後部にある回転する二枚の回転板の力でゴミをパッカー車収集室の奥に送り込む方式です。
一枚目の回転板でゴミ袋をつかんで巻き込みます。
巻き込まれたゴミは二枚目の回転板で圧縮されて収集室に放り込まれます。
圧縮されたゴミが溜まるとゴミ処理場に運ばれ処理される方式です。
大量のゴミを効率的に収集することが出来て、処理の負担を軽減することが出来ます。
〈荷箱回転式(ロータリー式)〉
荷箱回転式(ロータリー式)は後部に取り付けられた大型の円筒形のドラムを使用します。
このドラムを水平に回転させながらゴミを巻き込んで収集します。
収集されたゴミは、ドラムの内部で圧縮され、収集室に放り込まれます。
利点は連続投入が可能なことや汚水の飛散が無いなど作業性が良いことです。
強い力の回転板が無いため巻き込まれの危険性が少なく、作業者にとって安全なパッカー車です。
・2種類の排出方式
パッカー車が収集・圧縮したごみを清掃工場で排出する方法は二種類あります。
〈押し出し方式〉
押し出し方式は収集室内に積込まれた圧縮されたゴミを押し出し板で開口部より押し出し排出します。
収集室内の押し出し板は強い圧力でゴミを開口部に押し出します。
開口部に向かって押し出し板はスライドしてゴミを押し出しますので、ゴミの積み下ろし作業は一度で終ります。
収集室内に残るゴミは無いので作業効率はダンプ方式と比べると高くなります。
そして、圧縮装置で縮められたゴミは小さいまま排出されるメリットもあります。
〈ダンプ方式〉
ダンプ方式はその名称通り、ダンプトラックが荷台を傾斜して積荷を一気に降ろすようにパッカー車荷台部分を傾斜させて後部開口部よりゴミを一気に流し落とします。
押し出し方式のような押し出し板があるわけではないので荷台に付着し、落としきれないゴミは作業員が手作業で落とさなければなりません。
ゴミを排出させる際の傾斜には車両のバランス、安全性をよく考慮して清掃工場の焼却炉に投下する必要があります。
パッカー車の購入時のポイント
パッカー車はかなり特殊な車両となりますので購入時にはしっかりとポイントを押さえたいものです。
・パッカー車の命とも言える押し込み板、回転板の確認
圧縮板式(プレス式)や回転板式(巻き込み式)においてはパッカー車の一番のミッションであるゴミの圧縮を十分に行うための押し込み板・回転板が十分に稼働するかが重要になります。
中古パッカー車を購入する際にはこの押し込み板・回転板の先端の摩耗状態を良く確認してください。
押し込み板・回転板の爪先が隙間なくゴミをかき取り収集室へ運べるかどうかがパッカー車の効率に大きくかかわってきます。
・圧縮板、回転板の稼働切り替えスイッチの有無の確認
モーターの動力で稼働する圧縮板と回転板は一方向だけに動くものではありません。
しかしながら、ゴミ収集に当たる作業員の安全確保のために圧縮板と回転板の稼働方向の切り替えの行えるパッカー車の使用を禁じている自治体もあります。
そのため、中古のパッカー車を購入の際には使用目的を考慮してこの稼働切り替えスイッチの有無を確認することはポイントとなる場合があります。
〈 汚水の排水溝の有無の確認 〉
特に家庭ゴミの収集に当たるためのパッカー車を購入される際にはこの排水溝の有無は大きなポイントとなります。
どうしても水分を含みがちな家庭ゴミです。
水分には塩分も油分も含まれるでしょう。
収集室内に溜まった水分は悪臭のもとになるばかりか、パッカー車にも悪影響を与えます。
排水溝の存在は日々のメンテナンスも楽になります。
植栽・造園の水分を含まない樹木の枝葉の収集作業が目的であればそこまで考える必要は無いでしょう。
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まとめ
パッカー車は私たちの日常生活において欠くことの出来ないエッセンシャルワーク車両です。
新車での購入はかなりの高額なものとなります。
見た目ではなく、機能を重視しての中古パッカー車の需要は小さなものではありません。
私たちトラックファイブを通じてここまで活躍して来たパッカー車を第二の人生に送り出してやるのはいかがでしょうか。
創業二十年のトラックファイブがその時にはお役に立たせていただきます。
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