
トラックの平ボディとは? 種類やメリット・デメリット、使うときのポイントを解説
トラックといえば平ボディ、誰もがトラックという言葉を耳にして最初に想像するのが平ボディタイプのトラックでしょう。平ボディの需要は非常に高く、国内はもとより海外での需要の高さにも驚くばかりです。トラックの代表選手ともいえる平ボディは、その形状から汎用性、使い勝手の良さが国内外での需要の高さにつながっています。
そして、幅広い業種で平ボディトラックは活用されています。この平ボディトラックの特徴を今回の『豆知識』で紹介します。
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目次

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平ボディとはどんなトラック?
平ボディはオープンデッキの荷台を側面部と後部のアオリでおおっているだけの構造ですが、荷の積込み・積降ろし時にはこのアオリを下すことでフォークリフトやクレーンでの作業も容易にできるのです。
この屋根がないという平ボディタイプのトラックの特質を利用することによって、さまざまな形状や大きさの荷を工夫次第で積み込むことができます。また、その形状のシンプルさによって車両価格に架装費用が加わらないリーズナブルさも需要の高さにつながっています。
・平ボディトラックの構成
平ボディトラックの構成は非常にシンプルです。平ボディの荷台は、可動式である両サイドと後方のアオリで構成されています。そして、後部積込み口にはテールゲートリフター(パワーゲート)が備えられている平ボディトラックが少なくありません。
まずは、平ボディトラックの構成を紹介します。
1.アオリ
三方にあるアオリは、もちろん積荷を固定のために備えられているものです。そして、その積み降ろしを行いやすくするために可動式となっています。
■アオリ概要早見表
アオリ種類(材質) | 特徴 | 重量 |
鋼製(鉄製) | 鋼製アオリが一番頑丈です。しかし大型車両になるとその大きさ分、非常に重くなります。『セイコーラック』や『アオリバランサー』、『スーパースケットマックス』などの補助器具で開閉します。 | 一番重い |
アルミ製 | 雨ざらしの荷台は積荷との擦れで塗装は剥げやすく、サビが大敵です。アルミ製のアオリでサビの心配は無用になります。 | 鋼製より軽く、木製よりも重い |
木製 | 木製の板と鋼製の枠で構成されたアオリは軽量です。しかし、腐食や、破損もあるため一長一短です。 | 一番軽い |
2.テールゲートリフター(パワーゲート)
テールゲートリフターは、動力にモーターや油圧などを用いたトラックの後部に装備する荷物の積み降ろし専用昇降装置です。一般的にパワーゲートとも呼ぶことがありますが、「パワーゲート」は極東開発工業株式会社の登録商標です。
テールゲートリフター等の導入を促進することにより、労働生産性の向上・多様な人材の確保を図り、働き方改革を推進することを目的にしています。国土交通省では毎年、荷役作業の効率化(荷役時間の短縮・荷役負担の軽減)等に資する機器の導入費用の一部を補助することによって、「新規投資の余力がなく、経営環境が厳しい状況にある中小トラック運送事業者に対し、中小トラック運送事業者向けテールゲートリフター等導入支援事業」を実施しています。
テールゲートリフター等の利用は作業効率の向上となり、働き方改革にもつながることですが、安全ルールを守り作業に当たらなければ重大事故にもつながってしまうので十分な注意が必要です。
・平ボディとドライバンの違い
平ボディとドライバンの違いは、まずはその荷台の形状です。平ボディの荷台は、両側面・後方と三枚のアオリで囲まれているだけですが、ドライバンはアルミ素材の四方の壁面と天井で荷台を荷室に変えています。
平ボディの荷台のようにシートがけやロープでの固縛を行わなくとも、水に弱い段ボールなどを濡らすことなく輸送できます。ドライバンは高額な荷台です。そして、平ボディの荷台のように荷の積み降ろし方法に制限が出ることに加え、荷室の重量だけ最大積載量を減らしてしまいますが、非常に大きなメリットを生むスタイルの荷台です。
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平ボディの種類
平ボディにも、他のトラックと同様に各サイズがあります。軽トラックから大型トラックまで用途や必要に応じてさまざまな種類が存在します。
・平ボディのサイズ
平ボディトラックの荷台サイズは、車両のカテゴリー(小型、中型、増トン、大型)やメーカー、用途により異なりますが、日本国内の一般的な規格に基づき、各カテゴリーの荷台の平均サイズを以下にまとめました。
1.小型(2t)
車両総重量3.5t未満、最大積載量1〜2t程度です。用途は、 宅配・建材や家具の小規模配送・造園資材の運搬などです。
●荷台の平均サイズ
長さ:約3.1〜3.5m
幅: 約1.6〜1.9m
小型トラックはコンパクトで狭い道路でも機動性が高く、準中型免許で運転可能ですが、普通免許で運転可能な小型トラックも増えてきました。
2.中型(4t)
車両総重量3.5〜7.5t、最大積載量2〜4t程度です。用途は、建設資材(木材、鉄骨)、機械部品、農産物の運搬などです。
●荷台の平均サイズ
長さ:約4.5〜6.2m
幅: 約2.0〜2.2m
中型免許が必要(2007年以前の普通免許で運転可能な場合も)です。
3.増トン(6t・8t)
車両総重量7.5〜11t、最大積載量4〜6.5t程度です。積載量を増やした中型〜大型のモデルです。用途は大型建設資材、重量機械、パレット積みの大量貨物運搬などです。
●荷台の平均サイズ
長さ: 約6.5〜8.5m
幅: 約2.3〜2.5m
大型免許が必要です。幅2.5m超や重量超過で特殊車両通行許可が必要な場合があります。
4.大型(10t)
車両総重量11t以上、最大積載量6.5t以上です。用途は長距離輸送や大型プロジェクト向けの輸送になります。
●荷台の平均サイズ
長さ:約8.5〜9.6m
幅: 約2.4〜2.5m
大型免許が必須です。幅2.5m超、重量20t超で特殊車両通行許可が必要になります。トレーラー接続でさらに大型化も可能です。
・平ボディの荷台の高さ
この平ボディトラックにも低床タイプ、高床タイプさらには超低床タイプが開発されており、用途や使用環境によって使い分けられています。
1.高床型平タイプ
その名称どおり、床面の高い平ボディトラックです。タイヤの口径が大きく、荷台を地面から高めに設計しています。メリットは走行安定性が高まり、悪路に強いことでしょう。
荷台が高いため、路面からの跳ね上げ(水、泥、砂利)による荷物の汚損が少なくなります。未整備道路の走行や建設現場での資機材の小運搬作業、または農作業用のトラックにはうってつけの高床車です。
ボディから地面までの高さは、車種やサイズによって変わりますが約1~1.5mです。
2.全低床型平タイプ
前後タイヤの口径を小さくし、シャーシを低く、リーフスプリングも低い位置で設計してあります。荷台高さを抑え、積み下ろしの作業性を向上させています。
荷の積込み、荷下ろしは楽になり、積込める高さに余裕ができるので重量さえ積載オーバーにならなければ、たくさんの荷を積み込むことができます。こんな全低床型平タイプのメリットに対してデメリットは悪路に弱いことが一番でしょう。
ボディから地面までの高さは、車種やサイズによって変わりますが約0.6~0.9mです。
3.超低床型平タイプ
主に中型から大型トラックで採用されているタイプです。タイヤを小口径にし、シャーシを極限まで下げた設計をしています。荷台高さを最小化し、特殊な積載ニーズに対応しています。
背の高い貨物を道路法制限内4.1mの車高に収めて輸送を可能にします。建設機械や産業機器などの特大貨物運搬や、高さ制限のあるルートでの輸送に使用されます。ボディから地面までの高さは、車種やサイズによって変わりますが約0.4~0.6mです。
平ボディのメリット
平ボディは汎用性の高さから多くのユーザーに使用されてきました。『輸送』の観点から平ボディのメリットを紹介します。
・種類が多い
平ボディには、車両サイズや荷台の大きさの種類が豊富なため、用途に合わせて選べる大きなメリットがあります。車両サイズや荷台の大きさが豊富なことは、無駄をなくし、効率の良い輸送を可能にします。
さまざまな種類や形状・大きさの荷を運ぶことが可能な平ボディのメリットはその種類の多さから生まれています。
・荷物の積み下ろしの負担が少ない
平ボディの荷台には、天井がなく、三方のアオリは開閉自在です。そのためアオリを開け放てば、三方からの寄り付きが可能になり、三方から自在にフォークリフトを使って荷の積込み、荷降ろしが可能です。
ドライバーや作業者の負担を減らす大きなメリットがあります。
・さまざまなシーンで活躍できる
平ボディの用途はユーザーの考えで無限に広がっていきます。荷台に天井(屋根)がないこと、荷台に仕切りがないことはさまざまなサイズや形の荷物を積むことができ、特定物品の輸送にこだわることなく、引っ越しや資材の運搬など幅広い用途での使用が可能になります。
建設機械や産業機器などの重量があり形状も定まっていない物も、クレーンで積込み輸送が可能です。さまざまなシーンで平ボディは活躍できます。
・車両価格が比較的安い
シンプルな構造の荷台を持つ平ボディトラックには、高額な架装や装備品がなく、車両価格が比較的安いという大きなメリットがあります。
ユーザーにとって、この車両価格の安さは他に代えることのできないメリットとなるのではないでしょうか。
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平ボディのデメリット
もちろん、平ボディにもデメリットはあります。続いて、平ボディのデメリットを紹介します。
・積み荷が安定しない
フラットで使い勝手の良い平ボディの荷台は積降ろしに関しては大きなメリットとなるのですが、走行中には積荷を安定させる難しさがデメリットとなります。
荷台に屋根や仕切りがないことは、走行中に積荷は移動しやすく、最悪の場合には積荷を落下させてしまいます。そのようなデメリットが平ボディにはあります。
・天候の影響を受けやすい
屋根がない、壁面がない平ボディの荷台は、天候での悪影響を受けやすいです。防水シートをかけて、固縛してもドライバンのような防水は不可能です。シートにたまった雨水を積荷にこぼさぬよう、シートを剥がすのは大きな手間となります。
平ボディの最大のデメリットかもしれません。
・盗難のリスクがある
平ボディの荷台における大きなデメリットに盗難のリスクが挙がります。輸送する品物にもよりますが、個別の複数の小物品であれば、ドライバーの目を盗んでシートの間から抜き取ることも可能でしょう。
ドライバンやウイングボディなどのトラックであれば不要の心配事を、平ボディトラックのドライバーは絶えず抱えなければなりません。
平ボディの新車・中古車の相場
ここでは平ボディの新車・中古車の相場を紹介します。中古車に限っては時期や入手経路によって価格は変わりますので、参考価格としてご理解ください。
・新車の相場
・小型新車価格 約300~500万円
(いすゞエルフ約350~450万円、トヨタダイナ約380~480万円)
・中型新車価格 約500~850万円
(いすゞフォワード約600~750万円、三菱ふそうファイター約550~830万円)
・大型新車価格 約1,000〜1,800万円
(いすゞギガ約1,200〜1,600万円、日野プロフィア約1,100〜1,500万円)
・中古車の相場
・小型中古車価格 約100~300万円
(いすゞエルフ2018年走行10万㎞ 約180~250万円、トヨタダイナ2016年走行15万km 約150~200万円)
・中型中古車価格 約200〜500万円
(いすゞフォワード2017年走行15万km 約300〜400万円、三菱ふそうファイター2019年走行12万km 約250〜350万円)
・大型中古車価格 約300〜1,000万円
(いすゞギガ2016年走行30万km 約500〜800万円、日野プロフィア2018年走行25万km 約400〜700万円)
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平ボディを使うときのポイント
平ボディトラックのメリットとデメリットをよく理解して、平ボディの荷台を取り扱うことで、効率的な輸送が可能になります。そのポイントをお伝えします。
・シートとロープを常備する
平ボディの荷台には必ずシートとロープは常備してください。平ボディトラックにシートとロープは必須アイテムだと心得てください。シートは雨風などの悪天候用ばかりではありません。
しっかりシートをかけて、ロープで固縛することによって積荷をしっかり固定することができます。シートのかけ方や、積荷をしっかり固定できる南京結びや輸送結びを職場の先輩などからしっかり教えてもらって安全・安心の輸送に備えてください。
・荷物をバランスよく積む
フラットで縦長の平ボディの荷台に荷物を積む際にはそのバランスを考えてください。同じ重量で同型の箱を満載させて輸送するのであれば、深く考える必要はありませんが、混載や満載ではない場合、途中で荷を降ろして荷台が満載でなくなる場合もあります。
荷物をバランスよく積むことは、トラックが傾かずに安全に走行するためでもありますが、積荷が輸送中に動き、破損等を起こさせないためでもあります。
・定期的に手入れをする
絶えず風雨にさらされる平ボディの荷台です。荷台床は一般的には木材です。雨で濡れたら日に当てて乾かしましょう。
アオリは素材が鋼製でもアルミ製でも木製でも、経年劣化で傷んできます。その劣化を少しでも抑えるために手入れが必要です。はげたペンキのタッチアップは早いほうがいいです。アオリの蝶番や金具類の注油も心がけてください。
定期的に手入れを行ってください。
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平ボディに荷物を積むときは「はみ出し規定」に注意
物品を運ぶ平ボディトラックですが、すべての物品が車両寸法・荷台寸法内に収まるものではありません。さまざまな形状や大きさ・長さのものがあります。
このはみ出しの許容範囲が変わり、2022年5月に法改正がなされました。道路交通法施行令第22条では、自動車の積載物の大きさや積載の方法について制限する「自動車の積載の制限」で規定されています。
具体的には、車両の全長、全幅の2/10の長さが許容されます。その際、前後・左右ともに1/10ずつのバランスを取ったはみ出しを求めています。規定内であれば届出は不要ですが、これをオーバーする際に特殊車両通行許可が必要なので警察に届けなければなりません。
周囲への認知用の『赤い布』は、規定内では推奨であり義務ではありません。特殊車両通行許可申請の場合には義務となります。
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まとめ
平ボディトラックほどさまざまな業界で活躍し、さまざまな使い方をしているトラックはありません。トラックがこの世に出現し、私たちの生活を支えるようになってから平ボディトラックはその形状を大きく変えることはありませんでした。それくらい使い勝手の良いトラックだということでしょう。
皆さまのお手元で働いてきてくれた平ボディに第二の人生を歩ませてみませんか。私たちトラックファイブは、日本の優秀な平ボディトラックを求める海外のユーザーに届けています。
自然災害や人災による不幸から立ち上がろうとする多くのユーザーが日本の中古トラックを求めています。ぜひ、お声がけください。長年の経験と実績を積んだトラックファイブが高価買取に努力させていただきます。
トラックファイブは『豆知識』でこれからも皆様にさまざまな情報をお届けします
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