
ミキサー車運転手への道:必要な運転免許、資格、さらに仕事内容やお給料まで
この先、日本では老朽化した道路や橋梁、大型建造物などのリニューアルが始まります。その時に必需となるミキサー車の運転手に関する話題を今回の『豆知識』で取り上げました。
どっとミキサー車運転手の需要の増える前の今、熟読いただいて損のない記事です。
目次

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ミキサー車とは?
大人から子どもまで、誰もが知っているミキサー車は、世の中に広く認知されています。その仕事は、生コン工場で製造された高品質の生コンクリートを、品質を落とすことなく、輸送するために考案された特殊車両です。それまで現場で練り、製造していた生コンはその時々の天候や分量の加減で品質はまちまちでした。
それを解決するために生まれたミキサー車は、高品質の生コンを現場まで届け、ビルやマンションなどの建築物や高速道路、トンネルなどの構造物を建造する手伝いをしています。
・ミキサー車の構造・仕組み
ミキサー車は、生コンの品質を落とさぬまま、硬化させないようにトラックの荷台に架装されたドラムを回転させながら走行できる特装車です。ドラムやドラムを回転させる装置などでミキサー車は成り立っています。そのミキサー車の構造・仕組みを紹介します。
1.ドラム
ミキサー車の荷台に架装された回転するドラムの撹拌により、生コンは固まることなく生コン工場から建設現場まで輸送できます。回転は硬化を防ぐ機能ばかりでなく、生コン内の比重の違うセメント、水、砂利や砂などの骨材を、均一に保つよう撹拌する機能も果たします。
2.ホッパ
ホッパは大きなジョウゴのような形状をしていて、ドラムへの生コンの投入口になります。生コン工場のプラントで製造された生コンを積み込むために、ドラムの上部、ミキサー車の後部に装備されています。
3.シュート
シュートはミキサー車から生コンをスムーズに排出する際に必要な、上下や左右に可動する樋の形状をしたシューターです。現場に合わせて生コンの排出がしやすいように考えられた構造となっています。
4.水タンク
他の特殊車両に装備されていないこの水タンクはミキサー車には不可欠な装備です。生コン排出を終えたミキサー車は、生コン工場に戻る前にドラム内やシュートを水で洗浄しなければなりません。ドラム内やシューターに残った生コンが硬化してこびりつかないようにするために必要な洗浄用の水タンクです。
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ミキサー車の運転手の仕事内容
ミキサー車の運転手の仕事は、高品質で柔らかい状態の生コンを高い鮮度のまま生コン工場(プラント)で受け入れて、決められた時間内に建設現場まで輸送することが主な仕事になります。生コン搬入後は水タンクの洗浄水でドラムなどの生コンを洗い流し、生コン工場へ戻ります。それを一日で数回繰り返す仕事です。
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ミキサー車の運転手に向いている人や役立つ資格について
ミキサー車の運転手に向く人は、約束を守れる人、几帳面な人です。生コンの輸送が主たる業務であり、硬化するという生コンの性質上、決められた時間に建設現場に到着しなければなりません。しかし、毎回向かう現場は違い、都市部では渋滞もあります。綿密に輸送経路を決め、現場での生コン打設作業を途切れさせないために、現場の近くで待機し、現場と連絡を取り合いタイミングよく現場に到着しなければなりません。そのためには約束を守れる時間に正確な人が向いた仕事と言えるでしょう。
そして、ミキサー車の運転手の仕事の大きな特徴は生コン搬入を済ませてからの後処理です。時間とともに硬化してしまう生コンを、ミキサー車にこびり付かさないように、生コンを搬出した後に、現場で水タンクの水を使ってドラム内やシューターをきれいに洗わなければなりません。
生コンは強アルカリ性です。洗浄後の水も強アルカリであり、残ったセメントはそのまま下水などに放流すれば下水内で硬化してしまい、環境破壊につながるので禁止行為となっています。通常は生コン工場に持ち帰り、中和処理をして再利用・産廃処理をします。ミキサー車の運転手には重い荷を持つ、強い力や体力は必要ありませんが、几帳面さと責任感が必要です。
ミキサー車の運転手には特別な資格や免許は必要ありません。運転免許があればミキサー車運転手としての道は開けます。生コンクリートのことや、ミキサー車の運転手としての心得は、他の仕事と同様で仕事を始める時に覚えれば大丈夫です。しいて言えば、大型免許を持っていればどのサイズのミキサー車にも乗れますので、生コン会社からは優遇されるでしょう。
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ミキサー車の種類と必要な運転免許
高価な生コンを効率よく運ぶためにミキサー車には多くのサイズがあります。ミキサー車のサイズに合わせて必要な運転免許が変わってきます。下記の最大積載量を目安にして必要な運転免許をご判断ください。
以下は生コン体積量と最大積載量の対比表です。生コンの比重は「2.3」です。体積量イコール積載量とならないことが必要な運転免許を考えるポイントとなります。
生コン積載量 | 最大積載量 |
約0.8㎥~約1.3㎥ | 2t~3t |
約1.6㎥ | 4t |
約2.1㎥~約2.4㎥ | 5t~6t |
約2.8㎥~約3.4㎥ | 7t~8t |
約4㎥ | 10t |
約5㎥ | 11t |
・小型ミキサー車と必要な運転免許
都市部のマンション工事などで大型車両が通行禁止となっていて、生コンの搬入が小型ミキサー車に限られる場合が時々あります。小型ミキサー車を最大積載量3tまでと考えるならば、普通免許もしくは準中型免許が必要となります。ただし、現行ルールで取得した普通免許では2tまでの最大積載量となり、最小の生コン積載量のミキサー車しか運転できません。
活用頻度が非常に少ないため小型ミキサー車を運転するには準中型免許以上を保有することが望ましいです。
・中型ミキサー車と必要な運転免許
中型ミキサー車は小型ミキサー車の最大積載量以上から、大型ミキサー車の最大積載量である6.5t未満となります。2007年6月1日までに取得した普通免許(8t限定)、準中型免許、中型免許、大型免許が中型ミキサー車に必要な運転免許になります。
ミキサー車の生コン積載量によっては、2007年6月1日までに取得した普通免許(8t限定)、準中型免許では運転できない車両もありますので、中型免許、大型免許があることが望ましい運転免許です。
・大型ミキサー車と必要な運転免許
大型ミキサー車は最大積載量6.5t以上となり、約2.8㎥以上の積載能力を持つミキサー車には大型免許が必要になります。この生コン積載量と一般的な積載量とを間違えると無免許運転になりますので、十分注意してください。建設現場ではこの大型ミキサー車が使用されることが多いです。
大型免許を保有すれば、小型ミキサー車から大型ミキサー車までのすべてを運転できます。運転手としての需要は高まり、当然給料もアップしますので、大型免許の取得を目指すことをおすすめします。
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ミキサー車運転手の気になるお給料
ミキサー車運転手の気になるお給料ですが、少子高齢化に加えて3Kの代表選手とも言える建設業界ではミキサー車運転手に限らず賃金相場は上昇しています。転職を考えるのであれば、今が狙い目の業界と言えます。
・ミキサー車の種類別のお給料
ミキサー車のお給料を種類別に確認すると小型→中型→大型とミキサー車が大きくなるほど高くなっています。
1.小型ミキサー車の場合
小型ミキサー車運転手のお給料は、日給で約1.2万円、年収で360万円ほどです。小型免許しか持っていなかったら中型、大型ミキサー車は当然運転できません。必要性はあるものの、需要はそれほど高くありません。
2.中型ミキサー車の場合
中型ミキサー車運転手のお給料は、日給で約1.3万円、年収で390万円ほどです。大型ミキサー車とそれほど大きさは違いません。将来的に大型免許の取得を目指し、年収アップを目指すのもありでしょう。
3.大型ミキサー車の場合
大型ミキサー車運転手のお給料は日給で約1.5万円、年収で450万円ほどです。ミキサー車運転手のお給料は、インターネットで検索すれば多くの求人を見つけることができます。今後増える可能性の高い公共インフラのリニューアル工事で、新しい仕事を見つけて収入アップも可能かもしれません。
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ミキサー車運転手への疑問を解消!よくある質問
ミキサー車運転手になる前によくある疑問にお答えします。一問一答形式で皆さんの疑問を解消します。
・ミキサー車運転手になれるのは何歳から?
ミキサー車運転手になるには運転免許以外の特別な免許や資格は不要です。18歳から普通免許、準中型免許の取得が可能なため、その時期がくればミキサー車運転手を目指すことが可能です。
・ミキサー車運転手の仕事は危険?
ミキサー車運転手の仕事を熟知し、重量のある生コンを輸送している自覚を持てれば、危険はありません。しかし、公道での輸送や、重複する作業のある建設現場のどこにでも、危険は潜んでいるという自覚をしっかり持ってください。
・ミキサー車運転手の仕事はやりがいがある?
高品質の生コンを建設現場に運び、それがコンクリートポンプ車で送り込まれ、ビルやマンションなどの建築物、高架道路やトンネルなどの構造物はできあがります。作業に関わる多くの仲間とともに作り上げる建設現場です。生コンがなければ、完成はないのです。非常に重要な役割を担うミキサー車運転手の仕事には十分なやりがいがあります。
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まとめ
ミキサー車がなくては建設工事が成り立つことはなく、ミキサー車は必要不可欠な車両です。ミキサー車運転手になるために、今回の『豆知識』がお役に立てば幸いです。
トラックファイブは『豆知識』でこれからも皆様にさまざまな情報をお届けします。
