パレットの積み方は全部で7パターン! パレタイズのコツも解説
目次
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はじめに
トラック輸送に欠かせないパレットは荷物をまとめて載せるための台のことです。フォークリフトやハンドリフトとともに使用することで輸送者の作業効率を上げ、安全に荷物を運ぶことができます。そのパレットにはそれぞれ特徴を持った積み方があります。
今回の『豆知識』では、パレットの積み方とそれぞれのメリット・デメリットを紹介します。
パレットに荷物を積み付ける『パレタイズ』のコツもあわせて解説していますので、ぜひご覧ください。
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パレットの積み方(パレットパターン)
積荷の種類やサイズによってパレットの積み付け方は違ってきます。各パレットパターンの特徴とその積み方、メリット・デメリットを紹介します。
・ブロック積み
平積みとも呼ばれる、荷物をブロックのように積み上げるパターンです。単純な積み上げ方式なので作業者に積荷の経験がなくても比較的早く作業を行うことができるのはメリットとなります。
しかし、荷物をすべて同じ方向に積み上げているため、横方向からの力で荷崩れを起こしやすいのがデメリットになります。そのためにもラッピングなどで荷物を固定する必要があります。
・交互列積み
交互列積みはインターロック積みとも呼ばれています。インターロックとは安全装置のことで、ブロック積みを進化させて、より揺れに強くした積み方です。各段はブロック積みと同様に積んでいきますが、交互に90℃向きを変えて積み上げていく方法です。互い違いに重ね合わせているため前後左右の四方からの横揺れに強いというメリットを持っています。
しかし、交互に積み上げる各辺が同じ長さ(各段が同じ正方形)になる荷物でなければできない積み方だというデメリットがあります。
・ピンホール積み(風車形積み付け)
ピンホール積み、またの名を風車形積み付けとも呼ばれています。真上から見ると真ん中に針穴(ピンホール)のように空間を残して風車の形のように荷物を縦横に組み合わせて積み上げていきます。段ごとに180度向きを変えて積み重ねるので、上下の荷物がしっかり支え合って横からの力に強い積み上げ方です。
冷蔵・冷凍車においては真ん中に空間ができることによって、荷物に冷気が行き渡り一定温度に保ちやすいというメリットがあります。しかし、その空間が荷物の積載率を下げてしまうデメリットを持つパレットパターンです。
・ダブルピンホール積み
ダブルピンホール積みはピンホール積みの応用型です。風車を2つ組み合わせているので、1段に2つのピンホールができます。これもピンホール積みと同様に、段ごとに180度向きを変えて積み重ねるので横からの力にも強いのが特徴です。
ただ、積み方が複雑で、手間がかかるのがデメリットになるパレットパターンです。
・レンガ積み
レンガ積みは段ごとに荷物の向きを変えて積みます。そして、段が変わったら棒積みにならないように向きを180度変えて積み上げていきます。互いに支え合うようになり荷崩れに強くなるのがメリットです。セメント袋などの紙袋はこのレンガ積みで積まれています。
個々の荷物の側面を見えるように積み上げることができるので、検品がしやすいこともメリットとなります。
・スプリット積み
スプリット積みはレンガ積みとほぼ同じです。形状の異なる荷物をレンガ積みと同じように積み付けます。この時、レンガ積みの横向き部分にスプリット(隙間、裂け目)を設けて各段の大きさを同じにし、積み荷周り(外側)に隙間を作らないようにします。
形状の違う荷物を荷崩れさせずに積めるのがスプリット積みのメリットです。
・窓積み
窓積みはレンガ積みを応用しています。横向きの荷物を2列に増やすパレットパターンです。レンガ積みと同様に段ごとに180度向きを変えて積み上げていきます。検品のしやすさがメリットになります。
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パレタイズのコツ
お預かりした大切な荷物を荷崩れなどで潰したりしないように、パレタイズのコツを紹介します。
・重い荷物は下に、軽い荷物は上に配置する
同じ形状、同じ重さの荷物ばかりを輸送するわけではありません。重い荷物、硬い荷物を下に積むことが、さまざまな重さの荷物を積む混載時のパレタイズのコツです。重い荷物を上に積めば振動によって振れ、下の段ボールは潰れてしまい荷崩れを起こしてしまいます。
・最後に重しになる荷物を載せる
前項で重い荷物は下に置き、順番に軽い荷物をその上に積んでいくと説明しましたが、上が軽すぎるとこれもまた振動・横揺れ強風に弱すぎるために荷物が崩れたり、落下してしまう可能性があります。最上部にはその下の荷が潰れないほどの重さのある荷を重しとして置き、積み荷を安定させるのもパレタイズのコツとなります。
・オーバーハングに気をつける
パレタイズの基本としてパレットから荷物がはみ出さない、きれいに重なっているなどの美しい積み方が大事です。荷物の角の部分が、空中にずれてはみ出た状態をオーバーハングといいます。オーバーハングをすると、その部分が重力や上の荷物からの圧力で潰れてしまいます。バランスの良い安定した積み方を心がけてください。
パレットに数種類の形状があることや、隙間の広い木製パレットの場合、積み荷がはみ出さなくても、板にきちんと載っているかどうかでオーバーハングになり、荷崩れを起こす可能性があるので注意してください。
・バラバラの荷物はラップ(フィルム)で固定する
サイズの違うバラバラの荷物をパレットに積む場合、ラップ(フィルム)で巻いて固定する方法が現在の定番になっています。ストレッチフィルムとも言い、幅広のラップです。非常に手軽で強い固定帯としての役割を果たします。大量のラップでグルグル巻きにすれば荷崩れ防止に役立ちますが、輸送後は大量のゴミとなってしまいます。
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パレットの積み方で「◯回し△段積み」とは?
パレットの積み方における「◯回し△段積み」とは、何個の荷物が一段に並んでいて、それが何段になっているかを表す物流業界での言い方です。パレタイズではなく、積み上げられた状態を表現する言葉です。
・「◯回し」は1段の荷物の数
「◯回し」は1段に置き並べられた荷物の数を表しています。パレットと荷物の大きさで1段の数は決まってきます。荷物が棒積みになって積み上がらないように、最適な積み方で強い積み上げ方をしなければなりません。4回しであれば1面に4個の荷物、8回しであれば1面に8個の荷物が積まれた状態です。
・「△積み」は段数の数
「△積み」は積まれた荷物の段数です。4回し4段であれば、1面に4個の荷物が積まれ、それが4段になっている状態です。6回し8段であれば、1面に6個の荷物が積まれ、それが8段になっている状態です。
まとめ
パレットの積み方であるパレタイズは、輸送効率と交通安全、安全作業に非常に有効で大切なものです。正しいパレタイズを理解して荷崩れや事故の防止に努めてください。日本のパレットの規格はさまざまです。1,100㎜×1,100㎜の広さが標準サイズとなっていますが、日本の流通のなかの32%しかない現状があります。お客様の都合に合わせてパレットを使わなければならないこともあるでしょう。
積荷の大きさを確認し、最適なパレットパターンで上手く無駄なく積み上げるのには、それなりの知識と経験が必要になります。より多くの荷物を積み込みたいところでしょうが、一番は安全であり、荷崩れを起こさないことを念頭に積み込み作業にあたっていただきたいと思います。
トラックファイブは『豆知識』でこれからも皆さまにさまざまな情報をお届けします。