エンジンのオーバーヒートを防ぐ冷却水が減るとどうなる!?
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はじめに
トラックや車両に搭載されるラジエター内に充填された冷却水(クーラント液)は、エンジンの冷却を手伝うばかりか、関連部品の防錆や凍結防止に役立っています。
冷却水はエンジンに不可欠なものです。冷却水が減るとどんなことが起きるのかを、自分の手で交換を行わなくとも、その仕組みや原理は知っておいて損はありません。
今回の『豆知識』では冷却水の役割や補充方法、交換時期や交換場所、冷却水が減るリスクなどを解説します。
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冷却水とは
冷却水(クーラント水)とはその名の通り、エンジンを冷やすための液体です。
エンジン内部では動力を発生させるために、ガソリンや軽油などの燃料を爆発・燃焼させます。この一連の動作では高熱も生み出しています。
冷却水はエンジン内部から熱を奪いラジエターで冷やされ、再びエンジン内に戻ります。
このように冷却水を循環させながらエンジンが過度の高温になるのを防いでいます。
・冷却水の役割
冷却水の役割で一番大きなのはエンジンのオーバーヒートを防ぐことです。
さらに、金属製のエンジンや関連する部品が錆びることや腐食すること、そして凍結してしまうことから守っています。
金属はその性質から熱を伝えやすく、発熱もしやすいです。高熱の状態では膨張したり、変形してしまう性質も持っています。
エンジンの高熱は故障にもつながります。それを防ぐのが冷却水の役割です。
・冷却水の交換時期目安
冷却水はエンジンに負担のかからない運転をしていてもエンジンの高熱によって自然に減少します。また、長く使用すれば品質低下によって本来の機能が果たせなくなることもあります。
そのため、冷却水には決められた使用期間があり、その期間を過ぎる前に交換が必要です。
冷却水には2つの種類があります。
赤や緑で着色されたLLC(ロングライフクーラント)はエチレングリコール(自動車用不凍液)を主成分としており、その寿命は約2〜3年です。
青やピンクで着色されたSLLC(スーパーロングライフクーラント)はプロピレングリコールが主成分でその寿命はLLCより長く、約7~10年あります。
冷却水は色によって交換時期の目安がわかります。
・冷却水を交換できる場所
冷却水の交換は、整備士のいるディーラーや整備工場で行えます。
整備士資格を持つ店員がいる大きなガソリンスタンドやカー用品店でも可能でしょう。
高熱になるエンジン付近での交換作業であることや、ウォッシャー液タンクなど間違えやすい部品も付近にあること、使用後の冷却水は産業廃棄物としての処理が必要なため、自身で交換するよりも信頼できる整備士がいる整備工場やディーラーに任せることをおすすめします。
冷却水が減るリスク
トラックや車両の心臓部であるエンジンに冷却水は欠かすことができません。
しかしながら冷却水の自然減少や、ラジエターの付属部品の損傷などが原因になって起きる冷却水漏れなどで冷却水が減ってしまうリスクは避けることができません。
具体的にどのような時にどんなリスクがあるのかを知っておきましょう。
・エンジンが異常高温になる
エンジンはシリンダー内で燃料を爆発・燃焼させて動力を生み出しているので高熱を発生します。
さまざまな原因によってラジエターの冷却水が減ってしまうと、発生した高熱はそのままで、さらに爆発燃焼を続けてエンジン内は異常な高温になってしまいます。
それを防ぐために定期点検や車検等が非常に重要になります。
・オーバーヒートする
そしてそのままエンジンを稼働させ続ければエンジン内部の温度が急上昇してオーバーヒートを起こしてしまいます。
ラジエターの各部品は放熱性を高めるために、熱伝導率の高い銅やアルミといった強度的に比較的強くない金属で構成されています。
そのために経年劣化や、走行中の飛び跳ねてきた石などでラジエターが損傷してしまうことがあり、そこから冷却水が漏れ出てしまいオーバーヒートを引き起こしてしまいます。
・エンジンが故障する
オーバーヒートはエンジンを変形させてしまいます。また、部品の継ぎ目からエンジンオイルを漏らすような故障にもつながりかねません。
エンジンのオーバーホールが必要になり、多額の費用がかかってしまいます。
そして最悪は新しいエンジンの載せ替えやトラックの購入を考えなければならなくなってしまいます。
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冷却水が減る理由
冷却水が減る原因は主に「自然蒸発」や「液漏れ」です。
エンジンが稼働することによって発生する熱と、外的要因がそれらを引き起こすのです。
冷却水が減ることは避けることのできないことを知っておきましょう。
・自然蒸発
非常に高熱になるエンジンを冷やす冷却水も高熱になります。
熱によって冷却水は膨張するので冷却水のシステムは完全に密閉されていません。
そのため、徐々に自然蒸発によって減っていきますが、あまりに早いと感じるのであれば、点検をお勧めいたします。
・液漏れ
冷却水漏れはラジエターや付属部品の損傷による場合が多いです。
トラックのキャビンやボディなど外装は丈夫な鋼板などで守られていますが、足回りや車体底はむき出しになっています。
キャブオーバータイプが多い日本のトラックでは、走行中に前輪がはじいた小石などがラジエターや接続部品に当たって損傷を受け、そこから冷却水が漏れてしまうことがあります。
冷却を促進するためにラジエター等は熱伝導率が高い銅など柔軟性のある金属を使っているためになおさら弱いのです。
急激な冷却水の減少を確認したら、ラジエター等の損傷を疑ってください。
まとめ
トラックなどの車両は生き物と同じです。
日頃からその健康状態を確認し、特に心臓部となるエンジンを正常に保つための重要な冷却水には十分に気をつけましょう。
冷却水の残量は定期点検、日常点検で確認し、必要に応じてメンテナンスすることをお勧めします。
トラックファイブは『豆知識』でこれからも皆様にさまざまな情報をお届けします。
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